前場に注目すべき3つのポイント~利食い優勢も海外投資家による日本株選好の動きは継続~
22日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■利食い優勢も海外投資家による日本株選好の動きは継続
■東京海上、23/3 経常利益 11.2%減 5039億円、24/3予想 48.8%増 7500億円
■前場の注目材料:日本ゼオン、車向け接着剤参入、異材接合、高い湿熱耐性
■利食い優勢も海外投資家による日本株選好の動きは継続
22日の日本株市場は、利食い優勢の相場展開になりそうだが、底堅さは意識されよう。19日の米国市場はNYダウが109ドル安、ナスダックは30ポイント安だった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が追加利上げに慎重な考えを示し、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が後退した。しかし、債務交渉が中断されたことが報じられ、デフォルト(債務不履行)懸念が再燃し売りに転じた。さらに、イエレン財務長官がさらなる銀行合併が必要になるかもしれないと大手銀の幹部に伝えたとの一部報道を受け、地銀への懸念も重荷となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の30855円。円相場は1ドル137円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢の相場展開になりそうだ。先週の日経平均は連日のギャップアップからの上昇でバブル後の高値を更新したこともあり、急ピッチの上昇に対する利益確定の動きが入りやすいだろう。ただし、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均をけん引しており、主力大型株中心の相場展開だった。東証プライムの騰落銘柄は拮抗している状況が続いていたこともあり、総強気ムードには傾いていない。短期的な調整を意識しつつも、現在の強いトレンドは継続しそうだ。
また、米国では債務上限問題を見極めたいほか、地銀の金融システム不安の行方に加えて、今週はFRBが公表するFOMC議事要旨(5月2-3日開催)やFRBがインフレ指標として注目しているPCEコアデフレーターなどを控えている。そのため、米国市場は週を通じて不安定な値動きとなりやすく、リスク回避的に海外投資家による日本株選好の動きは継続しやすいと考えられ、相対的な強さは意識されそうだ。
物色としては、ハイテク株などはいったん利食いが入りやすいものの、先週、上場来高値を更新したアドバンテスト<6857>は10月1日付で株式1株を4株に分割すると発表した。投資家層の拡大や流動性の向上につなげることで投資家の関心は集まりやすい。個人投資家に人気のあるレーザーテック<6920>は、25日線を突破し75日、200日線に接近するなか、引き続きハイテク株への注目度は高そうだ。
■東京海上、23/3 経常利益 11.2%減 5039億円、24/3予想 48.8%増 7500億円
東京海上<8766>が発表した2023年3月期業績は、経常収益が前期比13.4%増の6兆6486億円、経常利益は同11.2%減の5039.07億円だった。24年3月期業績は、経常利益が前期比48.8%増の7500億円を計画。コンセンサス(6600億円程度)を上回る。あわせて3000万株(発行済み株数に対する割合1.5%)、500億円を上限とする自社株買いを発表。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(30808.35、+234.42)
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
・日本ゼオン<4205>車向け接着剤参入、異材接合、高い湿熱耐性
・リコー<7752>東芝テックと新会社、複合機製造・開発を統合
・日立<6501>グループ会社のアステモ、検査不正、ブレーキ部品など2億本超す
・トヨタ自<7203>グループのダイハツに新たな不正、側面衝突試験、HV国内出荷停止
・ルネサス<6723>高崎で25年にSiCパワー半導体量産化
・アイシン<7259>「eアクスル」技術競争激化、エネ損失半減のモーター開発
・ASTI<6899>浜松・フィリピン工場稼働、柔軟な供給網整備
・アマダ<6113>新中計、25年度営業益640億円、アジア・欧米供給力増強
・京セラ<6971>振動切削工具に参入、独メーカー2社買収
・レゾナックHD<4004>「使用済みプラ原料製品」国内初の国際認証取得
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 3月コア機械受注(前月比予想:+0.4%、2月:-4.5%)
<海外>
・特になし
《ST》