話題株ピックアップ【夕刊】(1):川重、マクニカHD、東エレク
■川崎重工業 <7012> 3,140円 +196 円 (+6.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
川崎重工業<7012>は大幅高。今月10日に発表した23年3月期決算は二輪車や四輪車などを手掛ける主力の「パワースポーツ&エンジン事業」をはじめ、民間や防衛省向けの「航空宇宙システム事業」の好調が牽引し、最終4.4倍増益を達成。一方、同時に発表した今24年3月期予想は一転減益の見通しを示した。これを受け株価は下落を余儀なくされたが、売り一巡後は悪材料出尽くし感から買い優勢の展開をみせている。こうしたなか、きょうは外資系証券のレーティング引き上げを手掛かりに一気に上げ足を加速させている。
■アニコムHD <8715> 625円 +37 円 (+6.3%) 本日終値
アニコム ホールディングス<8715>が急反発。25日の取引終了後、未定としていた24年3月期の配当予想を5円50銭にすると発表。前期比1円50銭の増配となることが好材料視された。
■マクニカHD <3132> 5,050円 +255 円 (+5.3%) 本日終値
マクニカホールディングス<3132>が急伸。高値を更新して5000円の大台に乗せた。同社は米エヌビディア<NVDA>の国内正規代理店。生成AIが世界的なブームとなるなか、エヌビディア株は決算が市場予想を上回る内容となり大幅高となった。更に、同社の個別株オプション取引において、株価上昇時に利益をもたらすコール(買う権利)の一部権利行使価格帯で、プレミアムが急騰したことも、市場の話題となっている。エヌビディア株の更なる上昇と、今後の業績拡大による効果を見込んだ買いが、マクニカHDに入ったようだ。同じくエヌビディアの国内正規代理店である菱洋エレクトロ<8068>も堅調に推移している。
■東京エレクトロン <8035> 19,635円 +835 円 (+4.4%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>、SCREENホールディングス<7735>といった半導体関連株が続伸。レーザーテック<6920>やルネサスエレクトロニクス<6723>、ソシオネクスト<6526>も高い。前日の米株式市場での半導体株高と円安の進行を受け前日に続き半導体株が人気化している。好業績を発表したエヌビディア<NVDA>は一時29%高と急騰した。これを受け、米国ではアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>や台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>といった銘柄が急伸。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は6%高と値を上げた。24日の決算発表後に時間外取引でエヌビディアの株価は急騰していたため、前日の東京市場では半導体関連株が急伸していたが、昨日のニューヨーク市場で約半年ぶりに1ドル=140円台まで円安が進んだことも加わり、半導体株物色が続いている。
■ユーグレナ <2931> 893円 +36 円 (+4.2%) 本日終値
ユーグレナ<2931>が大幅反発。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「経済産業省は2030年から、日本の空港で国際線に給油する燃料の1割を再生航空燃料(SAF)にすることを石油元売りに義務付ける」と報じられており、SAF「サステオ」を展開する同社が関連銘柄として買われたようだ。記事によると、経産省が近く官民協議会に案を示し、23年度中にエネルギー供給構造高度化法(エネ高度化法)の政令改正を目指すという。ユーグレナのほか、バイオジェット燃料の商用化に取り組むGreen Earth Institute<9212>などにも買いが入っている。
■三井ハイテック <6966> 9,510円 +290 円 (+3.2%) 本日終値
三井ハイテック<6966>が急反発し、年初来高値を更新した。同社は25日取引終了後、北米の電動車市場の拡大を見据え、モーターコアの製造・販売を手掛ける子会社をメキシコに設立すると発表。メキシコでの子会社設立は、カナダ子会社とあわせ北米全域を南北2拠点でカバーする供給体制の強化を図ることが目的。設立は今年7月を予定し、量産開始は25年9月になる見通しだとしている。
■ゼンショHD <7550> 5,600円 +150 円 (+2.8%) 本日終値
ゼンショーホールディングス<7550>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が25日付で投資判断「ホールド」を継続し、目標株価を3500円から4300円へ引き上げた。各カテゴリーの既存店売上高の前提を引き上げたことに伴い、24年3月期の営業利益予想を282億円から350億円へ、25年3月期を同304億円から376億円へ引き上げたことが要因としている。
■江崎グリコ <2206> 3,810円 +85 円 (+2.3%) 本日終値
江崎グリコ<2206>が上げ幅を広げ、年初来高値を更新した。同社はきょう、一部商品の価格改定を8月1日出荷分以降、順次実施すると発表。これによる収益向上が期待されているようだ。価格改定は、多くの原材料費やエネルギーコストなどの価格が上昇し、経営の合理化や効率化だけで吸収することが困難な状況になっているため。対象となる商品は、チルド食品・飲料類53品目、菓子類12品目、冷菓類1品目、ベビー用食品類16品目で、改定率は1~18%となっている。
■KADOKAWA <9468> 3,150円 +45 円 (+1.5%) 本日終値
KADOKAWA<9468>は後場は強含む展開。連結子会社で「ニコニコ動画」を運営するドワンゴが、動画再生中のコメント表示機能の特許を侵害されたとして、米国のFC2社などに損害賠償と動画配信の差し止めを求めていた訴訟の控訴審で、知財高裁がこの日、特許侵害を認め、FC2に配信差し止めと賠償を命じたと報じられた。これを材料視した買いが入ったようだ。一審の東京地裁の判決では、ドワンゴの請求を棄却。ドワンゴは知財高裁に控訴していた。
■日産自動車 <7201> 524.8円 +4.8 円 (+0.9%) 本日終値
日産自動車<7201>やSUBARU<7270>といった自動車株がしっかり。25日のニューヨーク市場で為替相場は昨年11月以来、半年ぶりに一時1ドル=140円台へ円安が進行した。これを受け、自動車株への買いが流入している。24年3月期の想定為替レートは、日産自は1ドル=130円、ホンダは同125円、SUBARUは同128円に設定している。
株探ニュース