話題株ピックアップ【夕刊】(1):菱洋エレク、新光電工、富士通
■菱洋エレクトロ <8068> 3,180円 +501 円 (+18.7%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
菱洋エレクトロ<8068>が急反発。3000円の大台に乗せて年初来高値を更新した。31日の取引終了後、24年1月期第1四半期(2~4月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想の上方修正を発表した。売上高は1200億円から1280億円(前期比1.5%減)、最終利益は55億円から75億円(同2.5倍)に見通しを引き上げた。また、これまで120円としていた年間配当予想は40円増額し、前期比50円増配の160円に見直した。これらを好感した買いが集まったようだ。ICT・ソリューション分野が堅調に推移した2~4月期の業績を通期の予想に反映した。更に、リョーサン<8140>が持ち分法適用関連会社となったことに伴う負ののれん発生益が暫定値を上回る見込みとなったことも寄与する。2~4月期の売上高は前年同期比4.8%増の325億8600万円、最終利益は同5.9倍の49億2300万円だった。
■新光電気工業 <6967> 5,540円 +560 円 (+11.2%) 一時ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率2位
新光電気工業<6967>が後場に急伸し年初来高値を更新。この日、富士通<6702>が保有株の売却を目指す新光電工に関し、米投資ファンドのKKRやベイン・キャピタルのほか、産業革新投資機構、大日本印刷<7912>などが応札に関心を示していると一部で伝わった。売却時に株価に上乗せされるプレミアムを期待した投資家の買いが集まったようだ。報道によると、富士通は新光電工の株式を全て売却する方向で、すでに財務アドバイザーを指名したという。交渉は初期段階であるとしつつ、富士通は全保有株を売却する選択肢のほか、TOB(株式公開買い付け)による発行済み株式の全ての取得を含めた提案を受け付ける方向で調整しているとしている。
■ライフネット生命保険 <7157> 966円 +76 円 (+8.5%) 本日終値
ライフネット生命保険<7157>が高い。香港投資ファンドのオアシス・マネジメントが5月31日付で財務省に提出した大量保有報告書で、ライフネット株の保有割合が6.50%と新たに5%を超えたことが判明。これを受けて、需給思惑的な買いが入った。保有目的はポートフォリオ投資と重要提案行為で、株主価値を守るため重要提案行為を行うことがあるとしている。報告義務発生日は5月24日。
■富士通 <6702> 18,875円 +1,155 円 (+6.5%) 本日終値
富士通<6702>は後場上げ幅拡大。子会社の新光電気工業<6967>に対し、米投資ファンドのKKRやベイン・キャピタル、産業革新投資機構(JIC)などが応札を検討していることがこの日伝わった。富士通は非中核事業に位置づける新光電工、富士通ゼネラル<6755>、FDK<6955>の保有株を売却する方針を昨年明らかにした経緯がある。今後の事業再編の進展が期待され、富士通株は一時9%超高まで買われた。新光電工も後場急伸し、ストップ高をつける場面があった。富士通ゼとFDKにも思惑的な物色が向かっている。
■サンリオ <8136> 5,850円 +270 円 (+4.8%) 本日終値
サンリオ<8136>が4日ぶりに急反発した。SBI証券が31日、サンリオの目標株価を8000円から8700円に引き上げた。投資判断は「買い」を継続する。国内事業は今期、インバウンド需要が大いに期待できるほか、新システム稼働による在庫管理の高度化の効果も見込まれると指摘。中国事業もアリババ<BABA>グループの豊富な販路の活用により、収益が拡大しそうだとみる。同証券はサンリオの24年3月期の営業利益の予想をこれまでの161億5700万円から165億200万円に引き上げた。
■セーフィー <4375> 811円 +32 円 (+4.1%) 本日終値
セーフィー<4375>が続伸。31日の取引終了後、スマートフォンカメラによる表情解析技術と視線計測技術を活用したマーケティングリサーチプラットフォームの開発を手掛けるヴィアゲート(東京都品川区)に出資したと発表した。事業へのプラス効果を期待した買いが入ったようだ。セーフィーのコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)を通じ出資した。ヴィアゲートは調達資金をもとに開発陣の強化を進める。セ―フィーはクラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」などでの相乗効果も見込む。
■トリケミカル研究所 <4369> 2,569円 +96 円 (+3.9%) 本日終値
トリケミカル研究所<4369>が反発。朝安後に切り返す格好となり、頑強な動きとなっている。31日の取引終了後に発表した24年1月期第1四半期(2~4月)の連結決算は、売上高が前年同期比3.5%増の32億2800万円、最終利益が同23.3%減の9億9200万円となった。2ケタの最終減益となったものの、中間期の予想に対する進捗率は53%台と順調。韓国を中心としたメモリー向け需要の減速などが響いたものの、業況そのものは市場の想定の範囲内との受け止めが広がった。同社が強みを持つ最先端の半導体材料の中期的な需要拡大基調には変わりがないとの見方も多く、押し目待ちの投資家の買いが集まったようだ。
■シグマクシス <6088> 1,130円 +38 円 (+3.5%) 本日終値
シグマクシス・ホールディングス<6088>が急反発した。31日の取引終了後、取得総数150万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.37%)、取得総額12億円を上限とする自社株買いの実施を発表し、材料視された。取得期間は6月20日から2024年1月31日。東京証券取引所における市場買付け及び東証の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)を通じ取得する。また、24年2月29日に50万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.12%)を消却する。
■丸井グループ <8252> 2,418円 +79 円 (+3.4%) 本日終値
丸井グループ<8252>が3日ぶりに反発。岩井コスモ証券は5月31日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を2680円から2750円に引き上げた。23年3月期は増収増益で着地したものの、電気代高騰や家賃保証の新規契約獲得の伸び悩みで、会社計画は未達となった。ただ、24年3月期は小売り事業の改善とフィンテック事業の堅調な伸長により増収増益を予想。また、配当は前期比42円増の101円と大幅増配を計画。配当方針の変更により株主資本配当率(DOE)を指標としたことで、長期安定的な増配が期待できる点などを評価している。
■三菱UFJ <8306> 963.9円 +31.4 円 (+3.4%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が朝安後切り返した。米議会下院は31日(日本時間1日午前)、債務上限停止法案の採決を行い、賛成多数で可決した。市場の期待通りの結果となったが、米国のデフォルト(債務不履行)によって、日本の金融機関が保有する米国債の資産価値が失われるといったテールリスクが後退したとの見方もあって、買い安心感が広がったようだ。三井住友フィナンシャルグループ<8316>とみずほフィナンシャルグループ<8411>も底堅く、コンコルディア・フィナンシャルグループ<7186>や京都銀行<8369>など地銀株は総じて堅調に推移している。
株探ニュース