株価指数先物【寄り前コメント】 SQでの3万2000円乗せが意識されやすく、押し目狙いのロング対応

市況
2023年6月8日 8時10分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物 31840 -30 (-0.09%)

TOPIX先物 2204.0 +1.0 (+0.04%)

シカゴ日経平均先物 31885 +15

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

7日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500ナスダックは下落。カナダ銀行は7日、3会合ぶりに政策金利の引き上げを再開した。前日にはオーストラリア準備銀行が利上げを決めるなど、世界的なインフレ懸念が重荷となった。アマゾン・ドット・コム<AMZN>やアルファベット<GOOG>、マイクロソフト<MSFT>といった大型テック株が売られる一方、相対的に出遅れが目立った景気敏感株に物色がシフトした。S&P500業種別指数はエネルギー、運輸、資本財が上昇した半面、ソフトウエア・サービス、メディア、小売が軟調。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比15円高の3万1885円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比30円安の3万1840円で始まり、3万1770円まで売られた。その後、リバウンドが強まり、米国市場の取引開始後には一時3万2090円まで買われた。しかし、買い一巡後はこう着感が強まり、3万1870円~3万2010円辺りで保ち合い、3万1840円でナイトセッションの取引を終えた。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、こう着感の強い展開になりそうだ。日経225先物は前日の大幅な下げによってヘッジを外す動きが強まったが、ボリンジャーバンドの+2σ水準から、一気に+1σ辺りまで下げたことで過熱感は和らいだ。6月限の先物・オプション特別清算指数算出(SQ)を控えて、積極的にリバウンドを狙う動きは期待しづらいが、切り上がる+1σを支持線としたトレンドが続くなか、下値の堅さはみられそうだ。

ボリンジャーバンドの+1σは3万1620円辺りに位置しており、オプション権利行使価格の3万1875円を中心とした3万1625円から3万2125円の権利行使価格での推移を想定。SQでの3万2000円乗せは意識されやすく、押し目狙いのロング対応となる。限月交代に伴うロールオーバーは順調に進んでいるとみられ、ヘッジに伴う荒い値動きは落ち着きをみせよう。サポートラインまでの調整が入ったこともあり、出遅れていた海外ファンドなどによる押し目狙いの動きを見極めたいところである。

VIX指数は13.94に低下しており、リスク選好に傾きやすいだろう。昨日のNT倍率は先物中心限月で14.46倍に低下した。高値水準でのレンジ内ではあるが、昨日の低下でボリンジャーバンドの+1σまで下げてきた。米国ではハイテク株の利益確定に対して、景気敏感株を買うリバランスが見られており、この流れからはNTショートに向かいやすい。ただし、ナスダックの強いトレンドが継続している状況のなか、あくまで利益確定であり、+1σ水準を大きく下放れる動きに対しては、その後のリバランスを想定したNTロングの組成に向かわせよう。

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