前場に注目すべき3つのポイント~ハイテク株への買戻しや中小型株での短期的な値幅取り狙いへ~
9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■ハイテク株への買戻しや中小型株での短期的な値幅取り狙いへ
■積水ハウス、1Q営業利益 36.5%減 557億円
■前場の注目材料:日野自、米で大型EVトラック販売に参入、ノルウェー製電動システム搭載
■ハイテク株への買戻しや中小型株での短期的な値幅取り狙いへ
9日の日本株市場は、買い先行で始まった後は、次第にこう着感の強い相場展開になりそうだ。8日の米国市場はNYダウが168ドル高、ナスダックは133ポイント高だった。新規失業保険申請件数が急増し、2021年10月以来の高水準となるなど労働市場の軟化を示したことで、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め長期化への懸念が和らいだ。長期金利が低下しハイテク株に買い戻しの動きが見られた。シカゴ日経225先物は大阪比235円高の31835円。円相場は1ドル138円90銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まりそうだ。本日は先物オプション特別清算指数算出(SQ)となるが、米国市場が上昇した流れもあって、波乱なく通過することになりそうだ。直近の大幅な下げでボリンジャーバンドの+1σ水準までの調整を見せたこともあり、リバウンドが意識される水準であるため、同ラインに沿ったトレンドが継続することになりそうだ。買い一巡後はこう着感が強まりそうだが、+1σを支持線とした押し目狙いのスタンスに向かわせよう。
ただし、直近の大幅な下げでセンチメントが冷まされた面はあることから、買い一巡後に上値の重さが意識されてくるようだと、売り仕掛け的な動きが入りやすい面はありそうだ。来週には米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられやすく、薄商いのなかを下に仕掛けてくる場面はありそうだ。
物色としては、米国市場の流れを受けてハイテク株への買戻しが意識されそうである。その他はこう着感が強まりやすい状況のなか、材料のある銘柄での個別対応に向かわせやすいほか、インデックスに振らされにくい中小型株での短期的な値幅取り狙いの動きが見込まれる。また、生成AIなどテーマ性のある銘柄の一角にも、引き続き資金が向かいやすいとみておきたい。
■積水ハウス、1Q営業利益 36.5%減 557億円
積水ハウス<1928>が発表した2024年1月期第1四半期業績は、売上高が前年同期比4.8%減の7082.80億円、営業利益は同36.5%減の557.36億円だった。国際事業においては、戸建住宅事業及びコミュニティ開発事業において、前期における住宅ローン金利の急激な上昇に伴い受注残高が減少した影響を受けたが、高品質な住宅等へのニーズは高く受注は回復傾向で推移した。
■前場の注目材料
・NYダウは上昇(33833.61、+168.59)
・ナスダック総合指数は上昇(13238.52、+133.63)
・シカゴ日経先物は上昇(31835、大阪比+235)
・SOX指数は上昇(3514.32、+37.14)
・VIX指数は低下(13.65、-0.29)
・米長期金利は低下
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・日野自<7205>米で大型EVトラック販売に参入、ノルウェー製電動システム搭載
・凸版印刷<7911>新潟工場の設備増強、「FC―BGA基板」生産能力3倍に
・安田倉庫<9324>輸送手配を強化、シンガポール・インドで開始
・大日印<7912>ニュートレースと提携、ロブロックスに仮想空間
・アステラス製薬<4503>遺伝子治療薬で米バイオ企業と契約
・住友商事<8053>米硫酸販売を買収、米南西部の供給網拡大
・双日<2768>持続可能認証を取得、バイオ製品の管理体制担保
・ACSL<6232>自己位置推定技術が宇宙へ、JAXAドローンに搭載
・東レ<3402>土浦工場を増強、車載コンデンサー用フィルムの生産能力1.4倍に
・東亜建<1885>バングラデシュで工事受注、鉄道車両基地を造成
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 5月マネーストックM3(4月:前年比+2.1%)
<海外>
・10:30 中・5月消費者物価指数(前年比予想:+0.2%、4月:+0.1%)
・10:30 中・5月生産者物価指数(前年比予想:-4.3%、4月:-3.6%)
《ST》