話題株ピックアップ【夕刊】(2):クミアイ化、太平洋セメ、エーザイ
■クミアイ化学工業 <4996> 1,111円 +71 円 (+6.8%) 本日終値
クミアイ化学工業<4996>が大幅高で、年初来高値を更新した。同社は9日取引終了後、23年10月期第2四半期累計(22年11月~23年4月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比60.8%増の126億6600万円となり、通期計画171億円に対する進捗率は74.1%となった。売上高は同32.2%増の954億4500万円で着地。農薬及び農業関連事業の海外向け販売が好調だったほか、原燃料価格の高騰を踏まえて販売価格の改定を実施したことなどが寄与した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。また、中間配当を従来計画比8円増額の18円(前期実績は8円)、期末配当を従来計画比10円増額の24円(同14円)にすることもあわせて発表。これにより年間配当は42円(同22円)となることも好感されているようだ。
■太平洋セメント <5233> 2,688.5円 +116.5 円 (+4.5%) 本日終値
太平洋セメント<5233>は3日続伸し、年初来高値を更新した。SMBC日興証券が前週末9日、同社の投資評価を最上位の「1」とし、カバレッジを開始した。目標株価は3500円とした。国内では他社に先行して値上げが進んでいるほか、米国もインフラ関連需要が堅調に推移すると分析。業績改善の確度が高いと評価した。同証券は太平洋セメの24年3月期の営業利益を585億円と予想する。
■長府製作所 <5946> 2,453円 +63 円 (+2.6%) 本日終値
長府製作所<5946>が続伸。前週末9日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好材料視された。上限を30万株(発行済み株数の0.88%)、または7億5000万円としており、取得期間は7月3日から11月30日まで。経営環境の変化に応じた機動的な資本政策を遂行することが目的という。また、6月30日付で50万株(発行済み株数の1.43%)の自社株を消却するとあわせて発表した。
■エーザイ <4523> 10,795円 +205 円 (+1.9%) 本日終値
エーザイ<4523>が高い。同社と米バイオジェン<BIIB>は10日、米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会で、アルツハイマー型認知症治療薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」について、臨床的に意義があるとの判断を示した。FDAは7月6日までにフル承認申請の可否について判断する予定。新薬の普及に前進したと受け止めた投資家の買い注文が集まった。外部の専門家から構成される諮問委員会の判断は全会一致によるものだった。FDAがフル承認をした場合、レカネマブは米国の公的医療保険「メディケア」の適応対象となる。
■TKC <9746> 3,800円 +60 円 (+1.6%) 本日終値
TKC<9746>が続伸。前週末9日の取引終了後、23年9月期の期末配当予想を39円から41円へ引き上げると発表しており、好材料視された。年間配当予想は80円となり、前期実績に対して2円の増配となる予定だ。
■ホンダ <7267> 4,297円 +48 円 (+1.1%) 本日終値
ホンダ<7267>が続伸。岩井コスモ証券は9日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を4350円から4900円に引き上げた。自動車の生産状況は、半導体不足の状況が改善しており、国内工場も通常稼働の状態となっている。足もとの円安も追い風だ。同証券では、二輪事業の好調継続に加え、四輪事業の改善にも期待し24年3月期の連結営業利益は会社予想の1兆円(前期比19.1%増)に対して1兆1000億円を予想。25年3月期の同利益は1兆1500億円を見込んでいる。
■CAC <4725> 1,748円 +16 円 (+0.9%) 本日終値
CAC Holdings<4725>が続伸。前週末9日の取引終了後、シーエーシーが、クラウド心電図解析サービスを手掛けるエムハート(岩手県盛岡市)を完全子会社化したと発表しており、好材料視された。エムハートは、全国の医療機関を対象に心電図解析事業を展開するモリーオ(岩手県盛岡市)との合弁会社で、CACグループが49%、モリーオが51%を出資して16年4月に設立した。CACは現在、自らのデジタルプロダクトとサービスを提供する「プロダクト&サービス事業の確固たる確立」を経営戦略の柱に掲げており、エムハートの事業は、この戦略との親和性が高いほか、AI技術などを有するCACのR&D部門との連携を強めることでサービスの拡張も見込めるとして、今回の子会社化を決定したという。なお、23年12月期業績に与える影響は軽微としている。
■ポールHD <3657> 883円 -72 円 (-7.5%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
9日に決算を発表。「2-4月期(1Q)経常は61%減益で着地」が嫌気された。
ポールトゥウィンホールディングス <3657> [東証P] が6月9日大引け後(15:30)に決算を発表。24年1月期第1四半期(2-4月)の連結経常利益は前年同期比61.5%減の3.3億円に大きく落ち込み、2-7月期(上期)計画の13.4億円に対する進捗率は24.6%にとどまり、5年平均の46.7%も下回った。
■日本電信電話 <9432> 4,118円 -15 円 (-0.4%) 本日終値
日本電信電話<9432>が冴えない。前週末9日に、岸田文雄首相は首相官邸で、自民党の萩生田光一政調会長が委員長を務める「防衛関係費の財源検討に関する特命委員会」がまとめた提言を受け取った。増税時期について2025年以降への先送りを求める一方、NTTの完全民営化の選択肢も含めて、早急に検討すべきだとした。提言自体はすでに報じられた内容に沿ったものだったが、その後の国内外のメディアの報道を通じ、政府の保有株式放出による需給悪化シナリオへの懸念が改めて膨らみ、同社株の上値を圧迫する要因となったようだ。
■ブレインズテクノロジー <4075> 1,376円 +300 円 (+27.9%) ストップ高 本日終値
ブレインズテクノロジー<4075>が急騰。同社は企業向けに人工知能(AI)を実装したソフトを提供し、ここ最近のAI関連株人気に乗っている。業績も顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を取り込み成長トレンドが鮮明だ。前週末9日に発表した23年7月期第3四半期決算(累計)は営業利益が前年同期比34%減の8400万円だったが、直近2~4月期だけでみると前年同期比2.3倍と大幅な伸びをみせている。トップラインも2ケタ増収を確保しており、業績成長トレンドが継続しているとの見方が買いにつながった。
株探ニュース