日経平均は反落、円安で買い先行するも後場は高値警戒の売りかさむ/相場概況
日経平均は反落。先週末16日の米株式市場でNYダウは反落。利上げサイクル終了期待から寄り付き後は上昇したが、連邦準備制度理事会(FRB)の数人の高官が追加利上げの必要性を繰り返したため、下落に転じた。また、3つのデリバティブ取引の決済期日が重なるトリプルウィッチングであったことに加え、連休を控えた手仕舞い売りが出て、下げ幅を拡大した。米株式相場は軟調だったが、今日の東京市場はやや買いが先行した。朝方、外為市場で1ドル=141円80銭台と先週末16日15時頃と比べ1円10銭ほど円安・ドル高に振れたことなどが輸出株などの株価を支え、日経平均は62.61円高でスタートしたが、取引開始後は利益確定の売りが出て、日経平均は下げに転じた。その後、一時、再び上げに転じる場面があったが、後場は円安・ドル高が一服したこともあり、高値警戒の売りがかさみ、日経平均は下げ幅を拡大した。
大引けの日経平均は前日比335.66円安の33370.42円となった。東証プライムの売買高は13億1368万株、売買代金は3兆6722億円だった。セクターでは非鉄金属、輸送用機器、鉱業などが下落。一方、銀行業、パルプ・紙、水産・農林業などが上昇した。東証プライムの値下がり銘柄は全体の38%、対して値上がり銘柄は58%となった。
個別では、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、スクリーンHD<7735>、川崎船<9107>、トヨタ<7203>、ソフトバンクG<9984>、ディスコ<6146>、三菱電<6503>、OLC<4661>、ルネサス<6723>、ホンダ<7267>、JAL<9201>が安く、郵船<9101>など海運株、三井金<5706>など非鉄株、東エレク<8035>など半導体関連株が下げた。個別の材料では、23年12月期営業利益を下方修正したツバキナカシマ<6464>、24年3月期業績と配当予想を下方修正したトーメンデバ<2737>、東証スタンダードでは、23年4月期営業利益が0.6%減となったサンオータス<7623>が軟調な展開となった。
一方、ANYCOLOR<5032>、スクエニHD<9684>、芝浦<6590>、ニデック<6594>、三井住友<8316>、ゆうちょ銀行<7182>、武田薬<4502>、三菱重<7011>、みずほ<8411>が高く、東京海上HD<8766>など保険株、東ガス<9531>などガス株、出光興産<5019>など石油株が上げた。個別の材料では、経産省によるスパコン経費補助が引き続き手掛かりとなったさくらインターネット<3778>、事業戦略に係る重要な経営指標と株主還元方針を発表したジーテクト<5970>、発行済株式数の1.3%の自社株消却を発表したBEENOS<3328>、航空機の長期需要が増加しているとの報道が手掛かりとなったジャムコ<7408>、東証スタンダードでは、システム開発・ネットワーク構築企業を子会社化すると発表したトレードワークス<3997>、東証グロースでは、24年3月期業績予想を上方修正したポート<7047>、凸版印刷の音声翻訳ソリューションサービスにオンライン接客システム機能を提供すると発表したピアズ<7066>が買われた。
《SK》