伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 6月25日版
日経平均は7月の動きで年後半の展開が見えてくる
1. 日経平均は本年の上値の限界を確認して、次の材料を待つ状態へ入った
6月11日の本コラムでは「1~6月までの期間で、 日経平均株価の月足が4回以上陽線引けして、年の前半に上値を試す動きになっている年は、たいていの場合、6月頃までに年間の上げ分の大部分を消費して、年の後半に大きく新高値を更新する展開にならないか、6月の高値が年間の最高値となって年の後半に下値を試す」、「7月、8月が陰線引けして、値幅の伴った下げ場面を経過する」という過去の値動きの経験則を紹介しました。
前回のコラムでは「積極的な上昇の流れを継続して、7000円幅以上の上げ場面になる」、「年間の変動幅が8000円以上になる」と、その後、上昇が終焉して長く横ばいに推移するか、値幅の大きな下げ局面へ入っている、と紹介しました。
6月11日に紹介した1~6月の期間に月足が4回以上陽線引けした年は、1996年、1997年、1999年、2000年、2002年、2004年、2007年、2009年、2012年、2013年、2014年、2015年、2017年、2019年です。
この中で、2000年、2012年、2019年は4月までに戻り高値をつけて大きく下げています。2007年、2014年、2017年は、年の前半が積極的な上昇の流れになっていません。どちらも本年と異なる展開です。
年前半が本年と似た展開で、年の後半に価格が下げた年は、1996年、1997年、2002年、2015年です。
下げている年の特徴は、年末まではっきりとした下降の流れを継続していることです。2015年は、8月に急落した反動高が9月以降に表れていますが、その後、年末から翌年に向けて下値を切り下げる動きとなっています。