話題株ピックアップ【夕刊】(1):出前館、サイゼリヤ、ソシオネクス
■出前館 <2484> 456円 +61 円 (+15.4%) 一時ストップ高 本日終値
出前館<2484>が急反発した。12日の取引終了後、23年8月期第3四半期累計(22年9月~23年5月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比10.2%増の384億2000万円と増収。営業損益は107億4600万円の赤字(前年同期は296億6200万円の赤字)となった。直近3カ月間でも営業赤字幅は縮小した。株価の出遅れ感が強まるなか、黒字化を期待した買いが集まり、株高に弾みがついたようだ。第3四半期末のアクティブユーザー数は前年同期比19%減の712万人となった。積極的な投資の実行により営業赤字となった。一方、売上原価の適正化は順調に進んだという。
■サイゼリヤ <7581> 4,135円 +535 円 (+14.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
サイゼリヤ<7581>が続急騰。4000円大台に乗せ、1999年12月以来となる23年7カ月ぶりの高値更新となった。12日の取引終了後、23年8月期第3四半期累計(22年9月~23年5月)の連結決算発表と同時に、粉チーズの無料提供を終了することを明らかにした。メニュー全体の価格は維持する。粉チーズの有料化による収益面でのポジティブな効果と、客足の確保に向けた戦略が評価されたほか、アジアなど海外事業の成長も好感されたようだ。第3四半期累計の売上高は前年同期比23.1%増の1321億300万円、営業利益は同3.4倍の35億6800万円、最終利益は同59.6%減の26億5600万円だった。コロナ禍後の行動制限の緩和により客数が増加したものの、円安による食材価格の上昇やエネルギー価格の負担増が響き、国内では営業損失を計上した。一方、アジアは新規出店の効果もあって、大幅な増収・営業増益となった。
■寿スピリッツ <2222> 10,950円 +860 円 (+8.5%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
寿スピリッツ<2222>が急反発。同社は12日取引終了後、24年3月期第1四半期(4~6月)の売上高が概算で前年同期比45.5%増の138億4100万円になったと発表しており、これが好感されたようだ。新型コロナウイルス感染症の5類移行やインバウンド需要の回復などが追い風となったほか、商品力・販売力・売場力の大幅なレベルアップやインバウンド復活準備などの重点施策の推進にスピード感をもって取り組んだことが奏功したという。なお、第1四半期の決算発表は8月1日を予定している。
■ソシオネクスト <6526> 16,010円 +1,010 円 (+6.7%) 本日終値
ソシオネクスト<6526>は4日ぶりに切り返す展開。前日の株価動向は前々日の取引終了後に海外での株式売り出し価格が1万4668円に決定したことが発表され、下値リスクが後退したことで目先筋の買いを誘導した。ただ、信用取引を活用した個人投資家の追い証絡みの売り圧力が上値を押さえ、後場は値を消す展開を強いられた。しかし、市場筋は「上位株主3社が発行済株式数の37.5%に相当する大量の株式を一気に売り出す以上、この株式を引き取る相手先も大方は決まっているはず。SoC(システム・オン・チップ)設計を手掛ける同社とシナジーが期待される米系半導体関連企業であれば、(ソシオネクスの)企業価値はむしろ高まることで、中期的に最高値奪回も見込める」(国内証券ストラテジスト)という声もある。株価は75日移動平均線上できれいに下げ止まっており、ここでの踊り場形成が次の上昇局面につながっていくかどうかにマーケット関係者の関心も高まっている。
■松竹 <9601> 11,265円 +615 円 (+5.8%) 本日終値
松竹<9601>が後場に動意づく展開。この日、24年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表した。営業損益は24億1100万円の黒字(前年同期は7億2400万円の赤字)と黒字に転じ、通期の計画(22億3000万円の黒字)を上回っており、ポジティブ視した買いが入ったようだ。売上高は前年同期比24.0%増の231億8200万円だった。映画「なのに、千輝くんが甘すぎる。」が興行収入10億円を超えるヒットとなったほか、「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」や「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」などアニメ作品の大ヒットも寄与し、映像関連事業が好調に推移した。
■サンケン電気 <6707> 12,740円 +640 円 (+5.3%) 本日終値
サンケン電気<6707>が大幅高。今月4日ザラ場に1万4100円の上場来高値を形成後、急速な調整局面に移行したが、きょうは全体相場がハイテク株中心に戻りに転じるなか、流れに乗る形で690円高の1万2790円まで上値を伸ばした。パワー半導体の大手メーカーで、業績は絶好調に推移、24年3月期営業利益は前期比45%増の380億円予想と過去最高利益を大幅に更新する見込み。世界的に販売台数が増勢にある電気自動車(EV)関連向けパワー半導体の生産能力増強に動いており、中期的な収益寄与に期待が高まる。株式需給面では信用買い残が枯れた状態にあり、信用倍率は直近データで0.9倍、日証金では貸借倍率0.3倍となっていることで上値が軽い。
■エムスリー <2413> 3,193円 +159 円 (+5.2%) 本日終値
エムスリー<2413>が反発、上向き転換した5日移動平均線を足場に底値圏からのリバウンド局面に移行した。きょうは金利低下を背景とした米ハイテク株の上昇を受け、東京市場でもグロース株への買い戻しが顕在化している。そのなか、グロース株の象徴である同社株にも上値を見込んだ押し目買いや買い戻しが活発化した。医薬品情報サービスや医療従事者向けに会員制サイトを展開し、製薬マーケティング支援業務を主力展開。世界600万人以上の医師が利用する巨大なプラットフォームが同社の最大の強みだ。長年にわたりトップラインの拡大が続いており、利益面でも25年3月期は2ケタ成長路線に復帰する公算が大きいとみられている。
■セントラル警備保障 <9740> 3,045円 +147 円 (+5.1%) 本日終値
セントラル警備保障<9740>が急反発し、年初来高値を更新した。同社は12日取引終了後、24年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比41.3%増の15億6200万円となり、上半期計画の19億8000万円に対する進捗率が78.9%となっていることが好感されたようだ。売上高は同9.1%増の177億3100万円で着地。広島サミット関連の臨時警備が好調だったことなどから、主力のセキュリティー事業が増収増益となったことなどが寄与した。なお、上半期及び通期の業績見通しは従来計画を据え置いている。
■ソニーグループ <6758> 13,010円 +560 円 (+4.5%) 本日終値
ソニーグループ<6758>が6日ぶりに反発した。13日付の日本経済新聞朝刊は、「ソニーグループがゲーム事業の研究開発に重点的に投資する」と報じた。機器売り切りのハード型から課金型へのビジネスモデルを変化させていることが背景にあるという。ゲーム事業の成長を期待した買いが入ったようだ。日経新聞によると、24年3月期のゲーム事業の研究開発費を3000億円近くとし、前期の2711億円から増やすもよう。ソニーG全体の研究開発費の約4割を占める規模となる。現実世界と仮想空間が融合する「複合現実」などの新市場で競争力を強化していくとも伝えている。
■アドバンテスト <6857> 20,540円 +755 円 (+3.8%) 本日終値
アドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置の主力銘柄が総じて頑強な値動きをみせている。前日の米国株市場では金利低下を背景にハイテク株中心に買われる展開となったが、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は2%近い上昇で4日続伸と上値指向を強めている。東京市場でも相対的に出遅れる半導体セクターへのリバウンド狙いの買いを誘導している。ただ、外国為替市場で足もと急速な円高が進んでおり、これが株価の上値を押さえる要因となっている。
株探ニュース