17日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は上昇、景気の先行きへの楽観広がる
■NY株式:米国株式市場は上昇、景気の先行きへの楽観広がる
ダウ平均は76.32ドル高の34,585.35ドル、ナスダックは131.25ポイント高の14,244.95で取引を終了した。
予想を下回った中国の国内総生産(GDP)や小売売上高を受けて景気減速懸念が強まり、軟調な出足となった。しかし、イエレン財務長官が米国内経済への影響は小さく、景気後退を回避できると楽観的な見解を再表明したことで警戒感が後退し、上昇に転じた。金利低下でハイテクが引き続き買われ、相場全体を押し上げた。終盤にかけて上げ幅を拡大し終了した。セクター別では保険や銀行が上昇した一方で、電気通信サービスが下落。
電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)はピックアップトラック「サイバートラック」の生産開始を発表し上昇。オンラインゲーム開発会社のアクティビジョンブリザード(ATVI)はソフトウェアメーカーのマイクロソフト(MSFT)の同社買収計画が完了に近づきつつあると見られる中、同社の人気ゲーム「コール オブ デューティ(Call of Duty)」をソニーグループのゲーム機「プレイステーション(PS)」向けに引き続き提供することについて合意を結んだことを明らかにしたため、上昇した。マイクロソフトも上昇。
一方、自動車メーカーのフォード(F)は電動ピックアップトラック「F-150ライトニング」の値下げを発表、収益減が警戒されて売られた。通信のAT&T(T)は有害な鉛被ケーブルを巡る不透明感からアナリストが投資判断を引き下げ大幅下落。銀行のステート・ストリート(STT)は第2四半期決算での純金利収入約10%減が嫌気され、アナリストが投資判断を下方修正し下落した。
イエレン財務長官は中国の貿易慣行に関しての懸念は払しょくされていないと表明した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル・円は一時139円41銭、米国経済の先行き不安和らぐ
17日のニューヨーク外為市場でドル・円は、138円31銭から139円41銭まで上昇し、138円66銭で引けた。NY連銀製造業景気指数が予想を上回ったほかイエレン財務長官が景気後退は想定していないと、景気に楽観的な見通しを示したため米国経済の堅調な成長を織り込みドルの買戻しが強まった。長期金利が低下するとドル買いも限定的となった。
ユーロ・ドルは、1.1204ドルまで下落後、1.1238ドルまで反発し、1.1244ドルで引けた。欧州中銀(ECB)の追加利上げを織り込むユーロ買いが強まった。ユーロ・円は155円35銭から156円34銭まで上昇。日欧金利差拡大観測やリスク選好で円売りが優勢となった。ポンド・ドルは、1.3051ドルまで下落後、1.3092ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.8590フランから0.8630フランまで上昇。
■NY原油:続落で74.15ドル、中国経済の減速懸念強まる
NY原油先物8月限は続落(NYMEX原油8月限終値:74.15 ↓1.27)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比-1.27ドルの74.15ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは73.84ドル-76.09ドル。ロンドン市場の序盤にかけて76.09ドルまで買われた後、一時73.84ドルまで反落。中国経済の減速が警戒されたようだ。ただ、売り一巡後は75.13ドルまで反発し、通常取引終了後の時間外取引で主に74ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.40ドル +0.29ドル(+1.00%)
モルガン・スタンレー(MS) 86.37ドル +0.59ドル(+0.69%)
ゴールドマン・サックス(GS)327.20ドル +1.01ドル(+0.31%)
インテル(INTC) 34.37ドル +1.22ドル(+3.68%)
アップル(AAPL) 193.99ドル +3.30ドル(+1.73%)
アルファベット(GOOG) 125.06ドル -0.64ドル(-0.51%)
メタ(META) 310.62ドル +1.75ドル(+0.57%)
キャタピラー(CAT) 257.46ドル +1.84ドル(+0.72%)
アルコア(AA) 35.57ドル +1.05ドル(+3.04%)
ウォルマート(WMT) 154.85ドル +0.19ドル(+0.12%)
《ST》