話題株ピックアップ【昼刊】:クリレスHD、日本製鉄、JAL

注目
2023年7月20日 11時39分

■クリレスHD <3387>  1,084円  +86 円 (+8.6%)  11:30現在  東証プライム 上昇率2位

クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>が大幅高。2020年2月以来、およそ3年5カ月ぶりの高値圏に浮上した。同社はしゃぶしゃぶ店「しゃぶ菜」やスイーツ店「デザート王国」、傘下のSFPホールディングス<3198>で運営する居酒屋「磯丸水産」など、多数のブランドを抱える外食チェーン。14日に発表した3~5月期(第1四半期)決算は、新型コロナウイルスの5類移行やインバウンド回復を追い風に4割近い増収を達成。営業利益も時短協力金などの影響を除いた実質ベースで大幅な増益となった。好業績を背景に同社株に上昇圧力が強まるなか、きょうは国内調査機関の格上げを手掛かりに一気に上げ足を加速させた。

■三櫻工業 <6584>  858円  +22 円 (+2.6%)  11:30現在

三櫻工業<6584>が全体地合い悪に抗して上値追い態勢を継続、3日続伸で一時39円高の875円まで上値を伸ばした。テクニカル的にも前週末に下回った25日移動平均線を陽線で上回り、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスも接近している。自動車用チューブや配管部品の製造を手掛け、独立系ながらトヨタ自動車<7203>や日産自動車<7201>、ホンダ<7267>といった大手メーカーを主要販売先に高い商品競争力を発揮している。自動車は中国景気の減速が警戒される一方、経済成長著しいインドでの販売拡大が次のテーマとなっている。そうしたなか、同社は早くからインドでの展開に力を入れ、同じくインド事業を重視するステランティス<STLA>との取引拡大に重点を置き、同国での需要開拓に努める構えにある。インドは電気自動車(EV)の市場としても魅力があり、同社のEV関連製品の拡販戦略と合わせて、収益機会拡大に対する期待が大きい。

■日本製鉄 <5401>  3,069円  +51 円 (+1.7%)  11:30現在

日本製鉄<5401>が全体軟調地合いのなか続伸しているほか、JFEホールディングス<5411>が6連騰となるなど鉄鋼株への買いが目立っている。米国株市場ではこれまでのハイテク系グロース株から景気敏感株への物色資金のシフトがみられるが、東京市場も前日は海運株が一斉高に買われるなど、バリュー系の景気敏感株に投資マネーが流れている。そうしたなか、鉄鋼株は低PERでなおかつPBRも1倍を大きく下回る銘柄が多く、水準訂正狙いの買いを呼び込んでいる。きょうは業種別騰落で「鉄鋼」は33業種中値上がり率首位となっている。

■日本航空 <9201>  3,065円  +10 円 (+0.3%)  11:30現在

日本航空<9201>が続伸。ANAホールディングス<9202>も買われ、東証の業種別指数で空運業が一時1%を超す上昇となった。日本政府観光局が19日の取引終了後に発表した今年6月の訪日外客数(推計)は207万3300人となった。新型コロナウイルスの感染拡大で訪日外客数が大きく落ち込んだ2020年2月以降で、初めて200万人を突破した。インバウンドの回復基調の継続を好感した買いが空運株に入ったようだ。JALについては同日の取引終了後、米ブラックロック<BLK>の日本法人による同社株の保有比率が共同保有者とあわせて5.01%となったことが、財務省に提出された大量保有報告書で明らかとなった。保有目的は「純投資」としている。

■三井不動産 <8801>  2,822円  +7 円 (+0.3%)  11:30現在

三井不動産<8801>、三菱地所<8802>、住友不動産<8830>など大手をはじめ不動産株が全般地合い悪に抗して軒並み堅調な値動きを示している。来週予定される日銀の金融政策決定会合では、マーケットが見込んでいたイールドカーブ・コントロールの解除などの金融緩和策修正が行われないとの見方が優勢となっており、これが追い風材料として意識されているようだ。不動産セクターは金利上昇局面では有利子負債の負担が高まるほか、資金調達コストが上昇するため、収益面でマイナスに作用する。次回の決定会合で大規模金融緩和策の現状維持となれば、その懸念が後退することで株価にも浮揚力が働いている。

■丸紅 <8002>  2,422円  +3.5 円 (+0.1%)  11:30現在

丸紅<8002>が3日続伸。ロシア軍がウクライナ南部のオデッサ港を18日と19日に攻撃したことから小麦など穀物輸出が停滞するとの観測が浮上。穀物価格の上昇は丸紅など大手商社の追い風となるとの思惑が出ている。米シカゴ市場の小麦先物価格は19日、9月物が1ブッシェル=7.27ドルと前日に比べ8%強上昇した。とうもろこしもつれ高した。ロシアはウクライナ産穀物の黒海輸送を巡る合意も18日から停止しており、ウクライナ産小麦などの輸出が大幅に減ることが懸念されている。WisdomTree 小麦上場投資信託<1695>も大幅に4日続伸した。

■ソシオネクスト <6526>  14,730円  -360 円 (-2.4%)  11:30現在

ソシオネクスト<6526>が強弱観対立のなかもやや売りに押される展開となっている。フシ目の1万5000円大台攻防の様相だが、足もとでは大台ラインを下回って推移している。大株主3社が一斉に同社株式を売却したが、売却分は海外投資家20社超が引き受けた形となった。市場では「配分は分からないが、引き受け先がかなり多い印象は拭えず(同社の株式が)特定の安定株主に入るという思惑とはちょっとずれた印象がある。ただ、1万5000円を割れた水準では買いニーズが強い」(国内証券マーケットアナリスト)という。目先外国為替市場で円安に振れていることはポジティブだが、前日は米国株市場で半導体関連株が軟調な値動きをみせたことは足もとで逆風材料となっている。

■信越化学工業 <4063>  4,640円  -84 円 (-1.8%)  11:30現在

信越化学工業<4063>が軟調。米商務省が19日発表した6月の住宅着工件数は年率換算で前月比8%減の143万4000戸となり、市場予想を下回った。また、5月分に関しては下方改定された。住宅の配管などに使う塩化ビニール樹脂を手掛ける同社に対しては、米国での製品需要の鈍化を懸念した売りが出た。米国向けに住宅用空調機器を販売するダイキン工業<6367>も冴えない。

■キッセイ薬品工業 <4547>  2,938円  -39 円 (-1.3%)  11:30現在

キッセイ薬品工業<4547>が反落している。19日の取引終了後、脊髄小脳変性症治療薬「ロバチレリン」の国内製造販売承認申請を取り下げたと発表しており、これを嫌気した売りが出ている。同薬については21年12月に製造販売承認申請を行ったものの、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から現状の臨床試験データでの承認は困難であるとの見解が示されたことを受けていったん承認申請を取り下げ、追加臨床試験の実施可能性などについてPMDAと協議することにしたという。なお、同件による業績への影響は軽微としている。

■クオリプス <4894>  2,265円  +394 円 (+21.1%) 一時ストップ高   11:30現在

クオリプス<4894>がストップ高水準となる前営業日比400円高の2271円に買われた。NHKが19日夜、心筋細胞シートを心臓の患者に移植する手術を九州で初めて行った九州大学が会見を開き、患者の男性の経過は順調だと報告したと報じた。クオリプスはiPS細胞由来の心筋細胞シートの開発を手掛けており、今後の事業拡大を期待した買いが集まったようだ。手術は今年1月に行われた。虚血性心筋症という重い心臓病を患う50代の男性に、心筋細胞シートを心臓の表面に貼り付ける手術を実施した。患者の男性は仕事に復帰しており、九大は術後の経過は順調だと明らかにしたという。

■クロスプラス <3320>  969円  +150 円 (+18.3%) ストップ高買い気配   11:30現在

クロスプラス<3320>がストップ高の969円水準でカイ気配となっている。19日の取引終了後、24年1月期連結業績予想について、売上高を580億円から590億円(前期比3.4%増)へ、営業利益を3億円から12億円(同6.6倍)へ、純利益を5億円から13億円(同2.9倍)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間・期末各7円の年14円から、中間・期末各12円の年24円へ引き上げており、これを好感した買いが殺到している。上期において、ショッピングセンターやファッションビルなどの商業施設の復調のなか、アパレル卸売、アパレル小売ともに好調に推移していることに加えて、前期から継続して仕入原価上昇に対応する価格転嫁を更に進めていることが売上高・利益を押し上げる。また、素材や機能など付加価値を高めたNB商品の強化に加え、ASEAN生産比率を高め、仕入原価の低減を図っていることも寄与する。

■プラネット <2391>  1,514円  +210 円 (+16.1%) 一時ストップ高   11:30現在

プラネット<2391>が続急伸し一時ストップ高の1604円に買われている。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「ユニ・チャームやライオンなど日用品メーカーと卸の合計10社が年内に共同の物流システム基盤の運用を始める」と報じられ、なかで「まず商品の受発注システムを運用するプラネットが開発した物流基盤システムを採用する」とあることが買い材料視されているようだ。記事によると、10社連合では共同運送も視野に入れ、運転手不足で物流が滞る懸念のある「2024年問題」に備えるとしており、物流基盤システムの採用により、数時間を要した荷下ろし作業時間を4割短くするという。メーカーが商品を発送する際に、各トラックが運ぶ商品や荷物量のデータが事前に卸に共有されるようになり、これまで荷下ろしや待機時間を長くしていた要因の一つとされる荷物の検品作業の効率化を図るとしている。

■ジオコード <7357>  842円  +59 円 (+7.5%)  11:30現在

ジオコード<7357>が続伸している。この日の寄り前、SEO対策とWebサイト制作を融合・発展させた「オーガニックマーケティング」サービスにおいて、顧客Webサイトのコンバージョン改善にWACUL<4173>の「AIアナリスト」を導入すると発表したことが好感されている。ジオコードでは、19年から「AIアナリスト」を試験的に導入し、これまで約40社の顧客Webサイトの改善に利用した結果、コンバージョン率が改善する結果が得られたという。「AIアナリスト」を活用することで、個人の属人的なスキルや分析結果に頼るのではなく、GA(Googleのアクセス解析)上のデータをAIによって分析した結果に基づいて実施できるため、効率的で実効性の高いコンバージョン率改善の提案が可能になるとしている。

■ラストワンマイル <9252>  3,645円  +175 円 (+5.0%)  11:30現在

ラストワンマイル<9252>は続伸。前日に75日移動平均線を足場に大陽線を引いたが、きょうも目先筋の売り物をこなし上値を指向、一時200円高の3670円まで水準を切り上げる場面があった。電力・ガス料金や宅配水などの契約代行サービスを手掛けるが、M&Aや提携戦略などを推進し業容拡大に取り組んでいる。19日取引終了後、インターネットサービスの販売、卸売事業を展開するキャリア(札幌市北区・非上場)の全株式を取得し子会社化することを発表した。取得価格は概算で5億700万円。これによる顧客層の拡大に期待した買いを引き寄せている。

■ハルメク <7119>  1,881円  +81 円 (+4.5%)  11:30現在

ハルメクホールディングス<7119>が反発している。19日の取引終了後、23年9月末時点の株主から株主優待制度を新設すると発表したことが好感されている。毎年9月末と3月末時点で1単元(100株)以上を保有する株主を対象に、保有する株数に応じて自社グループの雑誌(定期購読権)や商品をそれぞれ贈呈する。

●ストップ高銘柄

ネオマーケティング <4196>  1,956円  +400 円 (+25.7%) ストップ高買い気配   11:30現在

ジーデップ・アドバンス <5885>  11,000円  +1,500 円 (+15.8%) ストップ高   11:30現在

など、3銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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