話題株ピックアップ【夕刊】(1):クリレスHD、リョービ、FPパートナ
■クリレスHD <3387> 1,081円 +83 円 (+8.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>が大幅高。2020年2月以来、およそ3年5カ月ぶりの高値圏に浮上した。同社はしゃぶしゃぶ店「しゃぶ菜」やスイーツ店「デザート王国」、傘下のSFPホールディングス<3198>で運営する居酒屋「磯丸水産」など、多数のブランドを抱える外食チェーン。14日に発表した3~5月期(第1四半期)決算は、新型コロナウイルスの5類移行やインバウンド回復を追い風に4割近い増収を達成。営業利益も時短協力金などの影響を除いた実質ベースで大幅な増益となった。好業績を背景に同社株に上昇圧力が強まるなか、きょうは国内調査機関の格上げを手掛かりに一気に上げ足を加速させた。
■リョービ <5851> 2,561円 +166 円 (+6.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
リョービ<5851>が後場急上昇し年初来高値を更新した。午後1時ごろ、23年12月期の連結業績予想について、売上高を2660億円から2700億円(前期比8.2%増)へ、営業利益を75億円から105億円(同50.7%増)へ、純利益を55億円から84億円(同75.6%増)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間・期末各25円の年50円から中間・期末各35円の年70円へ引き上げると発表したことが好感された。上期において円安による在外子会社の円換算額が増加したことに加えて、エネルギーコスト上昇分の一部回収が進んでいることや、為替の円安、電気・ガス価格激変緩和対策などの影響が寄与する。
■FPパートナー <7388> 4,350円 +95 円 (+2.2%) 本日終値
FPパートナー<7388>が反発。企業に所属する従業員向けの「金融教育プログラム」を開発し、トライアルを開始すると発表しており、好材料視された。同プログラムは、「投資」「不動産」「税金・社会保険」「保険」「暮らしと生活」「相続」の6つのカテゴリー(全29単元)で構成され、受講者の生活環境や価値観・方向性に合った単元をセレクトし、オンラインで提供する。学びの難易度が高いと敬遠されがちな「金融教育」について、働きながら自らのペースで取り組むことができるプログラム構成となっており、一人ひとりの学びに寄り添いながらサポートするサービスとしている。
■三櫻工業 <6584> 849円 +13 円 (+1.6%) 本日終値
三櫻工業<6584>が全体地合い悪に抗して上値追い態勢を継続。テクニカル的にも前週末に下回った25日移動平均線を陽線で上回り、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスも接近している。自動車用チューブや配管部品の製造を手掛け、独立系ながらトヨタ自動車<7203>や日産自動車<7201>、ホンダ<7267>といった大手メーカーを主要販売先に高い商品競争力を発揮している。自動車は中国景気の減速が警戒される一方、経済成長著しいインドでの販売拡大が次のテーマとなっている。そうしたなか、同社は早くからインドでの展開に力を入れ、同じくインド事業を重視するステランティス<STLA>との取引拡大に重点を置き、同国での需要開拓に努める構えにある。インドは電気自動車(EV)の市場としても魅力があり、同社のEV関連製品の拡販戦略と合わせて、収益機会拡大に対する期待が大きい。
■日本製鉄 <5401> 3,065円 +47 円 (+1.6%) 本日終値
日本製鉄<5401>が全体軟調地合いのなか続伸しているほか、JFEホールディングス<5411>が6連騰となるなど鉄鋼株への買いが目立っている。米国株市場ではこれまでのハイテク系グロース株から景気敏感株への物色資金のシフトがみられるが、東京市場も前日は海運株が一斉高に買われるなど、バリュー系の景気敏感株に投資マネーが流れている。そうしたなか、鉄鋼株は低PERでなおかつPBRも1倍を大きく下回る銘柄が多く、水準訂正狙いの買いを呼び込んだ。
■三井不動産 <8801> 2,832.5円 +17.5 円 (+0.6%) 本日終値
三井不動産<8801>、三菱地所<8802>、住友不動産<8830>など大手をはじめ不動産株が全般地合い悪に抗して軒並み堅調な値動きを示している。来週予定される日銀の金融政策決定会合では、マーケットが見込んでいたイールドカーブ・コントロールの解除などの金融緩和策修正が行われないとの見方が優勢となっており、これが追い風材料として意識されているようだ。不動産セクターは金利上昇局面では有利子負債の負担が高まるほか、資金調達コストが上昇するため、収益面でマイナスに作用する。次回の決定会合で大規模金融緩和策の現状維持となれば、その懸念が後退することで株価にも浮揚力が働いている。
■清水建設 <1803> 913.4円 +5.6 円 (+0.6%) 本日終値
清水建設<1803>が4日続伸。この日、施設内で稼働する複数のサービスロボットがエレベータを共用しながらそれぞれの目的階まで円滑に移動するためのエレベータ同乗技術を確立し、自社運営のオフィスビル「メブクス豊洲」に実装したと発表しており、好材料視された。これまで複数のロボットがフロア間を移動してサービスを提供する場合、エレベータとロボットを個別に連携させる従来の制御手法では、1台のロボットがエレベータを使用すると、フロア間を移動しようとする他のロボットは長時間の待機を強いられることになるなどの問題が起こる可能性があった。今回開発した技術では、自社開発した複数ロボット・モビリティーの統合制御システム「Mobility-Core」を利用し、ホールでの待機位置や、かご内の乗車位置、乗降の順番など、エレベータ内外におけるロボットの空間利用を統合的に管理することで、ロボット同士の干渉による走行不全や膠着を回避し、タイムロスの少ない効率的なサービスロボットの運用を実現するとしている。
■丸紅 <8002> 2,431.5円 +13 円 (+0.5%) 本日終値
丸紅<8002>が3日続伸。ロシア軍がウクライナ南部のオデッサ港を18日と19日に攻撃したことから小麦など穀物輸出が停滞するとの観測が浮上。穀物価格の上昇は丸紅など大手商社の追い風となるとの思惑が出ている。米シカゴ市場の小麦先物価格は19日、9月物が1ブッシェル=7.27ドルと前日に比べ8%強上昇した。とうもろこしもつれ高した。ロシアはウクライナ産穀物の黒海輸送を巡る合意も18日から停止しており、ウクライナ産小麦などの輸出が大幅に減ることが懸念されている。WisdomTree 小麦上場投資信託<1695>も大幅に4日続伸した。
■信越化学工業 <4063> 4,619円 -105 円 (-2.2%) 本日終値
信越化学工業<4063>が軟調。米商務省が19日発表した6月の住宅着工件数は年率換算で前月比8%減の143万4000戸となり、市場予想を下回った。また、5月分に関しては下方改定された。住宅の配管などに使う塩化ビニール樹脂を手掛ける同社に対しては、米国での製品需要の鈍化を懸念した売りが出た。米国向けに住宅用空調機器を販売するダイキン工業<6367>も冴えない。
■ソシオネクスト <6526> 14,790円 -300 円 (-2.0%) 本日終値
ソシオネクスト<6526>が強弱観対立のなかもやや売りに押される展開となっている。フシ目の1万5000円大台攻防の様相だが、足もとでは大台ラインを下回って推移している。大株主3社が一斉に同社株式を売却したが、売却分は海外投資家20社超が引き受けた形となった。市場では「配分は分からないが、引き受け先がかなり多い印象は拭えず(同社の株式が)特定の安定株主に入るという思惑とはちょっとずれた印象がある。ただ、1万5000円を割れた水準では買いニーズが強い」(国内証券マーケットアナリスト)という。目先外国為替市場で円安に振れていることはポジティブだが、前日は米国株市場で半導体関連株が軟調な値動きをみせたことは足もとで逆風材料となっている。
株探ニュース