話題株ピックアップ【夕刊】(2):インフォMT、鹿島、トヨタ
■インフォマート <2492> 362円 +7 円 (+2.0%) 本日終値
インフォマート<2492>が反発。前週末21日の取引終了後、23年12月期の連結業績予想について、売上高を129億3200万円から131億3200万円(前期比19.3%増)へ、営業利益を3億円から6億4000万円(同21.7%増)へ、純利益を1億4600万円から3億5600万円(同24.5%増)へ上方修正し、あわせて配当予想を中間23銭・期末23銭の年46銭から中間48銭・期末49銭の年97銭(前期72銭)に引き上げたことが好感された。「BtoB-PF FOOD事業」で引き続きフード業界の買い手企業とその店舗の新規契約数が順調に増加していることや、「BtoB-PF ES事業」でも新規有料契約数の増加や稼働が順調に推移していることから、「BtoBプラットフォーム 受発注」「BtoBプラットフォーム 請求書」のシステム使用料及びセットアップ売り上げが計画を上回る見通しという。
■鹿島 <1812> 2,212円 +36 円 (+1.7%) 本日終値
鹿島<1812>が5連騰、大林組<1802>は4連騰、大成建設<1801>、清水建設<1803>はいずれも6連騰と大手ゼネコン株の上げ足が鮮烈、4銘柄いずれも新値街道を走っている。資材価格高騰などの建設コストの上昇が一服、PBRなどの投資指標面でも割安感があり、大林組と清水建はPBR1倍を下回っている。また、鹿島は台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>が建設する熊本工場で受注を獲得しているほか、日の丸半導体新会社ラピダスの北海道・千歳市の最先端半導体生産工場でも受注獲得を果たしている。巨額の国費投入による半導体生産設備拡大の動きが今後本格化するなか、鹿島をはじめとした大手ゼネコン株の刺激材料となっている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,324円 +36.5 円 (+1.6%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>など自動車株は総じて買い優勢の展開。今週は日米欧の中銀が金融政策決定会合を開くことで、その内容が注目されるところだが、FRBが0.25%の政策金利引き上げを行うとともに、打ち止めを強調せずややタカ派的な姿勢を示す可能性がある。一方、日銀は大規模金融緩和政策の現状維持を決める可能性が高いとみられており、日米金利差拡大の思惑を背景に外国為替市場では足もと1ドル=141円台後半まで円安が進行している。為替感応度の高い自動車セクターは輸出採算改善期待から投資マネーを引き寄せている。また、今週は日産自の四半期決算発表が予定されており、この内容にもマーケットの関心が高い。
■USENHD <9418> 3,370円 +50 円 (+1.5%) 本日終値
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>が反発。グループのUSEN NETWORKSは21日、東邦ガス<9533>と戦略的なパートナーシップを締結したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。同社は8月21日から、個人向け光回線サービス「USEN光01」に加え、邦ガスの会員サイト「Club TOHOGAS」に加入している顧客に対して「東邦ガス光powered by USEN NETWORKS」として高速で安定性の高いインターネット接続環境を提供するとしている。
■日東電工 <6988> 10,285円 +150 円 (+1.5%) 本日終値
日東電工<6988>が続伸。22日付の日本経済新聞朝刊で、「熱源や自家発電用のボイラーを備える工場向けに、排ガスから二酸化炭素(CO2)を分離・回収する高分子膜を2025年度にも発売する」と報じられており、好材料視された。記事によると、高分子分離膜は筒状で、中央部の穴に排ガスを通し、CO2とそれ以外のガスを分離するという。従来の手法よりも稼働コストが安く、主に中小型ボイラー向けの需要を見込むとしており、業績寄与への思惑から買われているようだ。
■ISID <4812> 4,985円 -275 円 (-5.2%) 本日終値 東証プライム 下落率3位
ISID<4812>が3日続落。前週末21日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(1~6月)連結業績について、売上高が従来予想の671億3000万円から698億4900万円(前年同期比13.7%増)へ、営業利益が97億3000万円から106億5200万円(同10.6%増)へ、純利益が66億8400万円から74億4600万円(同5.9%増)へ上振れて着地したようだと発表したが、材料出尽くし感から売られたようだ。ビジネスソリューションセグメント及び製造ソリューションセグメントを中心に売上高が予想を上回った。また、販管費が計画を下回ったことも寄与した。
■サーティワン <2268> 4,100円 -90 円 (-2.2%) 本日終値
B-R サーティワンアイスクリーム<2268>が6営業日ぶりに反落。同社は21日取引終了後、23年12月期第2四半期累計(1~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比28.5%減の8億500万円となり、通期計画17億2000万円に対する進捗率が46.8%にとどまったことがネガティブ視されたようだ。売上高は同12.1%増の112億6200万円で着地した。販売拠点数の拡大などを背景に売り上げが伸長した半面、原料費の高騰及び円安の影響に伴い売上原価が増加。また、広告宣伝費や物流費、販売拠点拡大のための活動費、新規に出店した直営店の管理費などが増えたことも利益面の重荷となった。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。
■三菱UFJ <8306> 1,053円 -21.5 円 (-2.0%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>など銀行株が安い。東証業種別株価指数の騰落率ランキングで多くの業種が値上がりするなか、「銀行業」は値下がりしている。日銀が27~28日に開く金融政策決定会合で現状維持を決める可能性があるとの見方が前週末に伝わった。政策修正観測が後退したことで、金利上昇による収益改善を期待していた向きが銀行株に売りを出しているようだ。三菱UFJをはじめ、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、りそなホールディングス<8308>などが軟調に推移している。
■アーレスティ <5852> 745円 +65 円 (+9.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
アーレスティ<5852>が大幅高に買われ6月19日につけた年初来高値728円を約1カ月ぶりに更新した。自動車向けを中心とするダイカスト大手で、事業提携などを含め電気自動車(EV)シフトに対応した経営戦略にも積極的な布石を打っている。トヨタ自動車<7203>が2026年に投入するEVに、巨大な車体部品をアルミ鋳造設備で一体成型するギガキャストを採用すると発表、これを契機にアルミダイカスト大手であるリョービ<5851>が大きく買われ、アーレスティもこれに追随して買われる展開となっている。アーレスティのPBRは0.3倍台前半でリョービよりも大幅に低いうえ、株価が3ケタ台で値ごろ感があることから、個人投資家をはじめとした短期筋の上値を見込んだ買いが活発化している。
■DWセラピ研 <4576> 222円 +18 円 (+8.8%) 本日終値
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所<4576>が急反発。この日朝方、眼科手術補助剤「DW-1002」とトリパンブルーの配合剤について、サブライセンスアウト先の企業が硝子体手術時の内境界膜及び網膜上膜染色を適応症として米国で開発することを決定したと発表。あわせて、米食品医薬品局(FDA)からオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定を受けたとしており、これが買い手掛かりとなった。オーファンドラッグ指定を受けることにより、米国での製造販売承認申請の迅速審査、発売後の独占的販売期間の延長などの優遇措置が期待されるという。今後FDAと協議を進め、2025年の承認申請を目指す。
株探ニュース