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メルカリに空売り、女だてらに「ごっつい投資」で勝負するワケ

特集
2023年8月24日 10時55分

ゆる~いようで強い! 投資家女子の決め技

ももぱんさんの場合-第1回

登場する銘柄
日本マクドナルドホールディングス<2702>、伊藤園<2593>、メルカリ<4385>

取材・文/真弓重孝(株探編集部)、福島由恵(ライター)

【タイトル】ももぱんさん(ハンドルネーム・50代・女性)のプロフィール:
約1年前から突然株にハマった女性投資家。現在は家事と株取引を両立させつつ、スキルアップを図る。もともとは2016年から優待投資を始めるが、本腰が入らなかったところ、友人に影響されて信用取引を覚え、その楽しさを味わったことをきっかけに本格的に株式投資熱に火がついていく。120万円から始め、追加投資を経て、現在の運用額は約750万円で、トータルリターンは20%となっている。短期投資と長期投資を使い分け、現在は約25銘柄を保有中。注目するセクターは「化学」「半導体」と好みが渋め。「株探-個人投資家大調査-2023春」の回答者で、投資スタイルは「バリュー重視」、日本株投資の腕前は「中級者」となる。

「女だてら」という言葉は、多様性の尊重が叫ばれる今の時代には、使うのが慎重になる。ただ、今回登場のももぱんさん(ハンドルネーム)は、どうしてもこの形容を使いたくなる投資家女子だ。

買い持ちするのは、社会を変えていきそうな夢やロマンのあるB to B(企業間取引)企業が主体。反対に、成長に疑念があるような銘柄には、空売りを仕掛けていく――。

こんな「ごっつい取引」をしていることに加え、投資を本格的に取り組み始めたのが昨年(2022年)の秋からと、それほど日が経っていないことも、取材班には衝撃的だった。

というのも、ももぱんさんのように投資歴がそれほど長くない女性投資家の場合、株主優待や小売、外食、そして化粧品や食料品といった一般消費財を手掛ける銘柄に注目する姿がすぐに思い浮かぶからだ。こうした銘柄は、五感を通して確認できるため、夢やロマンを語る前に現実を直視する女性の心を掴みやすい。

実は、ももぱんさんも株式投資の入り口は株主優待だった。ただ、長続きせず、4~5年ほど開店休業になっていた。そこから昨年秋に投資を再開すると、デビュー当時とはまったく異なるやり方に変身した。

専業主婦のももぱんさんが、"女だてら"にごっつい投資で奮闘している姿を2回に分けて見ていく。自分に合った投資法を模索している人や、さらに成長したいと思っている人には参考になるはずだ。

FX投資家の友人に聞いたおもしろい話が転機に

ももぱんさんが、株式投資を始めたのは、2016年。株主優待狙いで投資している友人の話に興味を持ち、自分も日本マクドナルドホールディングス<2702>、伊藤園<2593>といった定番の人気優待銘柄に投資を始めた。ただ、優待品が届くのは嬉しかったが、ワクワクするような感覚を持てず、いつしか投資から遠ざかっていた。

転機が訪れたのは、昨年の秋。FX(外国為替証拠金)取引をしている友人と話をしているうちに、レバレッジや売りから入る仕組みがあることを知る。

「そんな便利な仕組みがあるなんて知らなかった。自分もやってみたい」。投資家魂に再び火がついたももぱんさんは、株式投資では優待狙いのほかにどんな投資法があるのか、ネットや書籍などで調べ始める。

そうこうするうちに、これこそが自分の性格に合ったスタイルだと思えるものが見つかり始める。その一環で、挑戦したのが信用売り(空売り)だった。

メルカリ株に空売りの勝負に打って出たワケ

最初に空売りの対象にしたのが、アプリを利用したフリーマーケットのサービスを提供するメルカリ<4385>だ。理由の1つは、それほど革新的なサービスを展開しているわけでもないのに、世間から注目を浴びているのが腑に落ちなかったからだ。

「ワクワクするような成長を、その銘柄に感じることができるのか」。ももぱんさんが、現在の銘柄選びの中核に置いているものだ。

メルカリには、それを感じることができなかったと言う。本人にいろいろ話を聞いていると、そうしたワクワク感もない銘柄が、実力以上に評価されている状況を「どうにかしてやろう」と、前のめりになった面もあったようだ。

実際、ももぱんさんが信用取引を仕掛け始める前の22年6月期までのメルカリは、赤字体質が続いた。16年6月期~22年6月期のうちで黒字決算は1期のみ。

■『株探』プレミアムで確認できるメルカリの通期業績の成長性の長期推移

【タイトル】

21年6月期以外は、営業損益の段階から赤字決算となっていた。同社株は18年6月に上場して以来、株価が上に下にと大きく揺れるのは、業績不安が残る中では思惑主導の動きにならざるを得なかった面もあると見られる。

そんな「ダメ決算」が続いていたメルカリとはいえ、ももぱんさんは、自分の思いのみでリスクのある空売りに打って出たわけではない。投資として勝算があるのかを、検証したうえでの行動だった。

※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。

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