話題株ピックアップ【夕刊】(2):Fスターズ、山パン、アドテスト
■フィックスターズ <3687> 1,220円 +26 円 (+2.2%) 本日終値
フィックスターズ<3687>が上げ幅を拡大した。午前11時ごろ、さくらインターネット<3778>が提供するクラウドサービス向けに、生成AIの中核技術である大規模言語モデル(LLM)を効率的に開発するための環境整備に関する共同研究開発契約を同社と締結したと発表。これが株価を刺激する材料となった。FスターズはGPUの性能を極限まで生かすプログラミングに長年取り組み、自動運転用のAI半導体や量子コンピューティング分野での開発基盤などで多くの実績を残してきた。豊富なクラウドインフラ運用経験を持つさくらネットとともに、企業や官公庁などが簡単にLLMを開発するための基盤を共同で整備していく。
■ベルク <9974> 6,690円 +140 円 (+2.1%) 本日終値
ベルク<9974>が反発。大和証券は23日、同社株の投資判断を「3(中立)」から「2(アウトパフォーム)」に引き上げた。目標株価は5800円から7400円に見直した。第1四半期(3~5月)の連結営業利益は前年同期比40.8%増の42億400万円と好調だった。既存店売上高の伸長や粗利益率の改善、販管費の抑制などが寄与した。足もとの単体既存店売上高も6月が前年同月比6.6%増、7月が同8.0%増と好調。顧客定着化を目的とした価格対応強化が一定の成果を出している。同証券では24年2月期の同利益は152億円と会社計画(136億7700万円)からの増額修正を予想。25年2月期は162億円と連続増益を見込んでいる。
■山崎製パン <2212> 2,795円 +52 円 (+1.9%) 本日終値
山崎製パン<2212>が4連騰。2018年8月以来、およそ5年ぶりの高値圏で推移する。SMBC日興証券は23日、山パンの目標株価を2300円から3300円に引き上げた。投資評価は「1」を継続する。原価を抑えても相応の品質を維持できれば、消費者ニーズを満たし売り上げ増と利益率改善が可能であることを、経営サイドは認識しはじめたと指摘。意識変化を背景に、大幅な収益向上の実現性が高まったとの見方を示す。製パンが価格優位性を発揮しているなどとしたうえで、同証券は山パンの24年12月期営業利益予想をこれまでの380億円から463億円に見直した。
■アドバンテスト <6857> 19,660円 +310 円 (+1.6%) 本日終値
アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>、レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連の主力銘柄が一斉高に買われた。日本時間きょう朝方に発表された米画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の5~7月期決算と8~10月の業績見通しはいずれも市場コンセンサスを上回る極めて好調な内容で、エヌビディアの株価は時間外で一時10%超の大幅高に買われる人気となった。これを受けてエヌビディアのGPU向けに半導体検査装置を納入するアドバンテストをはじめ、半導体セクターへの投資資金流入が加速している。半導体製造装置のほか、ICパッケージを手掛けるイビデン<4062>など半導体部材を手掛ける銘柄にも物色が広がっている。
■TOKAI <3167> 918円 +10 円 (+1.1%) 本日終値
TOKAIホールディングス<3167>が反発した。23日、子会社でCATV事業を展開するTOKAIケーブルネットワークが、AIを活用した河川の水位監視プラットフォームを構築し、販売を開始したと発表。これを手掛かり視した買いが入った。同プラットフォームは急な増水時など変化が検知されると、自動的に通知を発信。高精度な水位予測を実現し、住民や自治体職員の適切な対応を後押しする。
■三菱UFJ <8306> 1,141円 +12 円 (+1.1%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は堅調。りそなホールディングス<8308>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>も買われ、銀行株は総じてしっかりの展開となった。前日の欧米市場ではPMI(購買担当者景気指数、S&Pグローバル公表)が低調な結果となったことを受け、景気の減速懸念が強まり、米長期金利は大きく低下して4.2%を下回って取引を終えた。だがその後の時間外取引で米長期金利の低下は一服。24日から始まる「ジャクソンホール会議」において、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がタカ派的な姿勢を示す可能性も指摘されている。この日は国内の長期金利も低下圧力が掛かったものの、金利の先高観が後退するまでには至らず、米国株式市場での金融セクターの上昇も相まって、国内銀行株に対しては引き続き利ザヤ改善期待の買いが入ったようだ。
■マーベラス <7844> 688円 +6 円 (+0.9%) 本日終値
マーベラス<7844>が4日続伸した。23日の取引終了後、キッズアミューズメントマシン「ポケモンメザスタ」におけるタグ(配出物)の累計出荷枚数が2億枚を突破したと発表し、これを材料視した買いが入ったようだ。同社はタカラトミーアーツ(東京都葛飾区)とポケモンメザスタを共同で展開している。「ポケモンガオーレ」の後継機種として2020年9月に稼働開始後、1カ月でタグの出荷枚数は1000万枚を突破していた。ポケモンのアミューズメントマシンにおいては史上最速で累計出荷枚数が2億枚を突破したという。
■ニッスイ <1332> 781.2円 +5.8 円 (+0.8%) 本日終値
ニッスイ<1332>が4連騰。日本経済新聞電子版が23日夜、「ニッスイの養殖事業の営業利益が上振れする可能性が高い」と報じ、株価の支援材料となった。報道によると、サーモンやブリなどの育成の研究を進めてきた成果で魚の生存率が高まり、収益性が改善するという。24年3月期の同事業の営業利益は前期比12%増の100億円と、計画の74億円を上回る見通しだとしている。
■大阪チタ <5726> 3,260円 -30 円 (-0.9%) 本日終値
大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>やジャムコ<7408>が冴えない。ボーイング<BA>が23日、小型旅客機「737MAX」を巡り、納入が遅れる可能性があることを明らかにしたと、ロイター通信が報じた。新たな品質上の問題の発覚を受け、年間の納入目標を達成できなくなる可能性があるかどうか評価をしているという。ボーイング向けの今後の生産動向を懸念した売りが、各社の株価の重荷となったようだ。
株探ニュース