話題株ピックアップ【夕刊】(3):アインHD、ユーザーロカ、菱洋エレク
■アインホールディングス <9627> 4,547円 -656 円 (-12.6%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
アインホールディングス<9627>が急落。8月31日の取引終了後、同社の常務でグループ会社のアインファーマシーズの社長を務める酒井雅人氏と、アインファーマシーズ取締役の新山典義氏が、北海道警察に公契約関係競売等妨害罪の容疑で逮捕されたと発表しており、嫌気されたようだ。現在、当局の要請を受け捜査協力を行っており、詳細については確認中としている。
■ユーザーローカル <3984> 1,964円 -130 円 (-6.2%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
ユーザーローカル<3984>が3日続落。8月31日の取引終了後、伊藤将雄社長による130万4400株の売り出しを実施すると発表。需給悪化を懸念した売りが出た。プライム市場の上場維持基準である「流通株式時価総額」に安定的・長期的に適合することで上場維持の確実性を高めるため。需要状況に応じて上限19万5600株のオーバーアロットメントによる売り出しを行う。売り出し価格は9月11日から14日までのいずれかの日に決定する。
■菱洋エレクトロ <8068> 3,350円 -95 円 (-2.8%) 本日終値
菱洋エレクトロ<8068>は3日ぶりに反落した。8月31日の取引終了後に発表した24年1月期第2四半期累計(2~7月)の連結決算は、売上高が前年同期比7.0%増の650億6000万円、経常利益が同2.6倍の64億9400万円だった。大幅な経常増益となったものの、直近3カ月間では増収減益となっており、業績のモメンタム鈍化を懸念した売りが出たようだ。第2四半期累計では、リョーサン<8140>の持ち分法適用関連会社化による投資利益が発生し、営業外収益を計上した。前年同期には円安進行による売上総利益の押し上げ効果があった。
■トリケミカル研究所 <4369> 2,693円 -59 円 (-2.1%) 本日終値
トリケミカル研究所<4369>は大幅反落。8月31日の取引終了後、24年1月期の連結業績予想について、売上高を154億円から113億円(前期比18.1%減)へ、営業利益を35億円から17億円(同51.5%減)へ、純利益を42億5000万円から26億8000万円(同44.5%減)へ下方修正したことが嫌気された。主要な販売先である半導体業界のスマートフォン・データセンター向け需要の低迷を受けて、各半導体メーカーは特にメモリ半導体を中心に在庫の軽減に苦慮している状況であり、同社製品の出荷についてもこの影響を受けているという。下期もこの業況が当面継続するとみられ、かつ今後も急激な回復を見込むことが困難とみて、業績予想を引き下げたとしている。同時に発表した第2四半期累計(2~7月)決算は、売上高56億2200万円(前年同期比14.1%減)、営業利益11億円(同42.4%減)、純利益14億5300万円(同46.2%減)だった。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,500円 -45 円 (-0.7%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>は強弱観対立。同社傘下の英半導体設計アームは8月21日付で米ナスダック市場に上場申請を行っており、近く同市場に新規上場する見込みにあるが、そうしたなか、米ブルームバーグが今月13日にアームの公開価格が決まる見通しで14日から取引を開始すると報じている。アームの企業価値は600~700億ドルとみられているが、最終的にはそれよりも水準が下がり、500~600億ドルにとどまる可能性もあると伝えている。いずれにしても親会社のソフトバンクGにとっては含み益の大幅拡大が株価押し上げ効果につながる公算が大きく、アームの動向にマーケットの耳目が集まっている。
■ポエック <9264> 970円 +150 円 (+18.3%) ストップ高 本日終値
ポエック<9264>が続急伸。この日の寄り前に集計中の23年8月期連結業績について、売上高が従来予想の62億7600万円から69億8000万円(前の期比20.2%増)へ、営業利益が2億6500万円から3億6000万円(同31.4%増)へ、最終利益が1億4100万円から2億3000万円(前の期2300万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表したことが好材料視されたようだ。環境問題意識の高まりにより廃棄物処理とリサイクル技術への投資が増加傾向で推移しており、こうした需要や投資動向の変化によって環境関連事業における受注が底上げされたことが牽引した。また、機械加工受託量の増加に伴う製造利益の増加や、養殖設備用冷却装置の製造利益の増加なども寄与した。
■HCSホールディングス <4200> 1,114円 +150 円 (+15.6%) ストップ高 本日終値
HCSホールディングス<4200>がストップ高。8月31日の取引終了後、エル・ティー・エス<6560>が同社の完全子会社化を目的にTOBを実施すると発表しており、TOB価格1800円にサヤ寄せする格好となった。エンジニア体制の拡大や顧客ポートフォリオ拡充、サービス・ソリューション提供力の強化などさまざまなシナジーを創出することで、25年以降の事業成長を持続・加速させ、業績を拡大するのが狙い。買付予定数は299万5500株(下限199万7000株・上限設定なし)で、買付期間は9月1日から10月16日まで。TOB成立後、HCSHDは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は8月31日付でHCSHD株式を監理銘柄(確認中)に指定している。なお、HCSHDは同TOBに対して賛同の意見を表明している。
■ネクストジェン <3842> 812円 +64 円 (+8.6%) 本日終値
ネクストジェン<3842>は大幅高。同社は8月31日取引終了後、パートナー間でのサービスの相互利用や情報交換・交流の場となるCPaaS(通信機能をAPIで提供するクラウドサービス)マーケットプレイス「NextGen CaMP(ネクストジェンキャンプ)」を発足したと発表。これが材料視されたようだ。同社は2018年にCPaaS事業に特化した子会社を設立し、現在は自社サービスとしてCPaaSプラットフォーム「U-cube CPaaS」を展開。今回発足したマーケットプレイスでは、「U-cube CPaaS」を活用したサービスの創造・提供を促進し、自社及びパートナー企業のビジネスを拡充するとともに、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化をサポートするとしている。
■共和レザー <3553> 656円 +50 円 (+8.3%) 本日終値
共和レザー<3553>が大幅高で600円近辺のもみ合いを一気に上放れ年初来高値更新。半導体不足解消で自動車生産回復が顕著となるなか、トヨタ自動車<7203>の今年の世界生産が初の1000万台を超える可能性が高まった。これを受けて、同社のグループ会社に恩恵が及ぶとの見方が広がっている。共和レザーは合成樹脂製品を手掛け、自動車内装に使うレザーで高シェアを誇る。需要先は筆頭株主であるトヨタが中心。24年3月期営業利益は前期比4.2倍の10億円を見込んでいるが、一段の上振れ期待も膨らんでいる。一株純資産は前期実績で1390円あり、PBRに換算して0.4倍台と割安感が際立つ。配当利回りは現状で3%を上回っているが、更なる株主還元強化の可能性も意識される。
■ニーズウェル <3992> 744円 +33 円 (+4.6%) 本日終値
ニーズウェル<3992>が大幅高。8月31日の取引終了後、ヤマダホールディングス<9831>から、コンカーが提供する経費精算・管理クラウド「Concur Expense」、請求書管理クラウド「Concur Invoice」の導入支援サービスを受注したと発表しており、好材料視された。ヤマダHD及びその子会社のヤマダデンキへの導入を予定しており、システム稼働時期は12月を予定しているという。
●ストップ高銘柄
セイファート <9213> 1,652円 +300 円 (+22.2%) ストップ高 本日終値
アーキテクツ <6085> 728円 +90 円 (+14.1%) ストップ高 本日終値
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース