話題株ピックアップ【夕刊】(1):OKI、エネチェンジ、ニトリHD
■沖電気工業 <6703> 1,060円 +150 円 (+16.5%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
沖電気工業<6703>が7連騰し、21年11月8日以来の4ケタ台を回復している。きょう付の日本経済新聞朝刊で「半導体ウエハー最大手の信越化学工業とATMや通信機器を手掛けるOKIは窒化ガリウム(GaN)を使ったパワー半導体の素材を低コストでつくる技術を開発した」と報じられており、信越化学工業<4063>とともに買われた。記事によると、新技術は独自基板の上に、ガリウム系のガスを吹き付けて結晶を成長させるとしており、信越化の結晶を厚くする技術に、OKIの接合技術を組み合わせることで基板から結晶だけを引きはがすという。結晶は別の基板に載せてパワー半導体のウエハーとして使う。従来の製法と比べ製造コストは10分の1以下にすることができるとしており、GaNパワー半導体の普及につながるとの期待が強まっている。
■ENECHANGE <4169> 1,300円 +90 円 (+7.4%) 本日終値
ENECHANGE<4169>が急反発した。4日の取引終了後、ENEOSホールディングス<5020>が提供するEV(電気自動車)充電サービスで利用されるアプリの開発を受託し、5日からアプリの提供が始まると発表。これを材料視した買いが入ったようだ。エネチェンジのEV向けソリューション「エネチェンジクラウドEV」のソリューションを活用し、「ENEOS Charge Plus EV充電アプリ」を開発した。充電器の検索や充電操作、認証・決済機能をワンストップで提供できるようにし、ユーザーの利便性向上につなげる。
■東映 <9605> 18,490円 +1,190 円 (+6.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
東映<9605>が大幅高。昨年末に公開した「THE FIRST SLAM DUNK」など映画作品のヒットをはじめ、各作品の権利販売が好調。行動制限緩和を背景に興行・催事関連事業も伸び、足もと業績は絶好調で推移している。8月に発表した4~6月期決算は売上高、営業利益とも2ケタ増収増益を達成。通期で減収減益を見込んでいるだけにサプライズとなった。きょうは三菱UFJモルガン・スタンレー証券による格上げを手掛かりに一気に買いが流入した。
■ステムリム <4599> 841円 +42 円 (+5.3%) 本日終値
ステムリム<4599>は3日ぶりに反発した。4日の取引終了後、心筋症や陳旧性心筋梗塞などに対する新規治療を巡り、中国において特許が登録されることとなったと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。特許が登録されたのは、塩野義製薬<4507>へ導出済みの再生誘導医薬開発候補品「レダセムチド」から創製したペプチド医薬を利用した新規治療で、レダセムチドの適応症の拡大を目的とする。
■ニトリホールディングス <9843> 17,515円 +850 円 (+5.1%) 本日終値
ニトリホールディングス<9843>が大幅高で7日続伸。日本経済新聞社が4日の取引終了後、日経平均株価の構成銘柄の定期入れ替えを発表し、同社が新規に採用されたことから、指数連動型ファンドのリバランスに伴う買い需要を先取りする形で買われた。一方、会社側は8月度の月次国内売上高を発表しており、既存店売上高は前年同月比1.7%減と2カ月ぶりに前年実績を下回った。テレビCM効果や生活応援キャンペーンなどにより、キッチン用品、リビング収納用品の売り上げが好調に推移した。ただ、台風の影響などもあり、既存店売上高は前年割れとなった。なお、全店売上高は同0.9%増だった。
■F&LC <3563> 2,923.5円 +103 円 (+3.7%) 本日終値
FOOD & LIFE COMPANIES<3563>が大幅続伸。同社は4日、8月度の月次情報を発表しており、国内スシローの既存店売上高が前年同月比14.4%増となり、2カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。迷惑動画問題などで客数が一時落ち込んだものの、8月は客数が同3.6%増と14カ月ぶりにプラスに転じたことが寄与。客単価も同10.5%増だった。
■カバー <5253> 2,473円 +58 円 (+2.4%) 本日終値
カバー<5253>が3日続伸。4日の取引終了後、運営する「ホロライブプロダクション」から新たな音楽アーティストVチューバーグループ「ReGLOSS」がデビューすることになったと発表しており、好材料視された。「ReGLOSS」は火威青、儒烏風亭らでん、音乃瀬奏、一条莉々華、轟はじめの5人からなるVチューバーガールズグループ。4日午後8時にスペシャルデビューMVを公開し、YouTube初配信は9日/10日にそれぞれのチャンネルにおいてリレー形式で配信を実施するとしている。
■学研ホールディングス <9470> 872円 +19 円 (+2.2%) 本日終値
学研ホールディングス<9470>が反発。4日の取引終了後、ジェイ・エス・ビー<3480>と業務提携し、学研HD子会社の学研ココファンがJSB子会社のグランユニライフケアサービスの全株式を11月1日の予定で取得すると発表したことが好感された。今回の提携により、両社の保有する不動産情報の共有や活用、学生と高齢者の共生型住まいなど新たなまちづくりの構築などの企画開発を共同で進めるほか、相互送客などによる連携を行うという。取得価額は非開示。なお、同件が業績に与える影響は軽微としている。
■三菱地所 <8802> 1,962円 +25 円 (+1.3%) 本日終値
三菱地所<8802>は14連騰。年初来高値を連日で更新した。金利上昇が業績にはデメリットとされる不動産株だが、日銀が7月に長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用柔軟化に踏み切った後の国内の長期金利の上昇はここに来て一服感が出ている。この日、財務省が実施した10年債入札は、大きければ不調とみなされるテール(平均落札価格と最低落札価格の差)が10銭と、前回8月の入札(8銭)から拡大。これを受けて債券売りの流れとなっているが、債券価格の急激な下落(急激な金利上昇)までには至っていない。米国では米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ停止観測が広がっているとあって、不動産株への見直し機運が続いているようだ。直近で米系証券会社が格上げした三井不動産<8801>は4日続伸。住友不動産<8830>は4000円台に乗せ、2021年11月以来の高値圏で推移している。
■ソシオネクスト <6526> 16,370円 -990 円 (-5.7%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
ソシオネクスト<6526>が3日続落。日本経済新聞社が4日の取引終了後、日経平均株価の構成銘柄の定期入れ替えを発表。同社は新規採用候補の1社とみられていただけに、未採用となったことで失望売りが出たようだ。
株探ニュース