富田隆弥の【CHART CLUB】 「買い場探しの調整」
◆日経平均株価は9月6日までなんと8日続伸。7日前場に3万3322円まで上値を伸ばし、8月1日の高値3万3488円にあと166円、6月19日の年初来高値3万3772円まで450円に迫った。
◆この上昇をもたらした要因の一つに、日本での「貯蓄から投資へ」の実現性の高まりがある。脱デフレ、東証主導による企業の意識改革、来年からの新型NISA(少額投資非課税制度)開始などを背景に、海外の投資マネーが「中国から日本へ」とシフトしていることも推測される。
◆ただ、今回の連騰には、7日のアクティブ型ETFの新規上場や8日のメジャーSQ(先物・オプション特別清算指数算出日)を控えて、一時的な需給要因もあったと思われる。また、サイコロジカルライン(11勝1敗)や順位相関指数(RCI・9日線100%、13日線94%)、騰落レシオ(9月4日時点128.5%)など日足のテクニカル指標には高値信号を灯すものが多く、そろそろスピード調整を挟むことは想定しておく。
◆日足チャートを見ると、3万2200円台にあった25日移動平均線と75日移動平均線を明確に上抜いており、調整を入れた時はその3万2200円近辺が下値メドになる。日柄調整として2~3週間を要すケースもあり、長引くなら下値は3万1500円近辺になる可能性もある。
◆だが週足チャートは、2カ月の調整を経て出直りの構えを見せる。ダブルトップを形成した6月と7月の3万3700円台をクリアすると、次はいよいよ1989年に付けた史上最高値3万8957円を目指すことになる。目先はスピード調整を想定するが、ここからは上げても下げても「買い場」探しとなるだろう。
(9月7日 記、次回更新は9月16日を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース