前場に注目すべき3つのポイント~ソフトバンクGが日経平均をけん引~
12日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■ソフトバンクGが日経平均をけん引
■トーホー、2Q営業利益 196.7%増 36.82億円
■前場の注目材料:パナHD、特許検索システムを外部公開、知財10万件を連携・協業に活用
■ソフトバンクGが日経平均をけん引
12日の日本株市場は、全体としてはこう着感の強い相場展開になりそうだが、底堅さは意識されそうである。11日の米国市場はNYダウが87ドル高、ナスダックは156ポイント高だった。イエレン米財務長官が週末のインタビューで、インフレが着実に鈍化しており、景気後退を回避する軌道にあると、楽観的な見解を示したことが安心感につながった。消費者物価指数(CPI)などの重要指標発表を控えた警戒感から一時伸び悩んだ局面もあったが、アップルなどハイテク株の一角が買われ、相場を支える格好となった。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比155円高の32435円。円相場は1ドル146円50銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになろう。日経225先物はナイトセッションで一時32220円まで売られる場面も見られたが、75日線水準が支持線として機能しており、その後の上昇により32450円まで買われ、高値で取引を終えていた。下値の堅さが意識されるなか、自律反発狙いの買いは入りやすいだろう。米アップルが小幅ながら続伸となったほか、マイクロソフトなど大手テックの一角が堅調。また、テスラがモルガンスタンレーの投資判断の引き上げを受けて10%を超える上昇を見せたことも材料視されやすいだろう。
ただし、積極的な売買は手控えられやすい状況であることから、短期的なトレードが中心になりそうだ。昨日は日銀の政策変更への思惑から金利が上昇し、これを受けて金融株が買われていた。一方で、円高に振れるなか、自動車株への売りが目立っていた。米国市場では米連邦準備理事会(FRB)により金融引き締め長期化への警戒が和らいだものの、国内では日銀の金融政策の修正が意識されやすく、神経質にさせてくる可能性はありそうだ。
なお、ソフトバンクG<9984>傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングスによる新規株式公開(IPO)への申し込みが早くも10倍を超えたと報じられている。公開価格の仮条件の引き上げも引き続き検討していると伝えられるなか、ソフトバンクGが日経平均をけん引する流れが意識されてきそうだ。
■トーホー、2Q営業利益 196.7%増 36.82億円
トーホー<8142>が発表した2024年1月期第2四半期業績は、売上高が前年同期比18.6%増の1190.28億円、営業利益は同196.7%増の36.82億円だった。新型コロナウイルス感染症による行動規制が出されていた反動があったことに加え、外食需要が順調に回復するなか、既存得意先の深耕や新規店の開拓を積極的に進めたことで売上高は増収となった。増収および収益構造改革による損益分岐点の引き下げ効果により、各段階利益は増加した。
■前場の注目材料
・NYダウは上昇(34663.72、+87.13)
・ナスダック総合指数は上昇(13917.89、+156.37)
・シカゴ日経先物は上昇(32435、大阪比+155)
・1ドル=146.50-60円
・SOX指数は上昇(3569.23、+3.24)
・VIX指数は低下(13.80、-0.04)
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・パナHD<6752>特許検索システムを外部公開、知財10万件を連携・協業に活用
・酉島製作所<6363>50年ぶり鋳造工場刷新、ポンプ部品5割増
・日立<6501>再生エネ電力を融通、グループ20拠点接続
・住友商事<8053>太陽光発電の開発推進、米に再生エネ会社設立
・ホンダ<7267>テスラの充電規格採用、北米向けEV、25年から
・アマダ<6113>板金曲げ加工機に大型7機種追加、加工プログラム作成容易に
・新明和<7224>アジアで搭乗橋シェア拡大へ、技能者不足の解消支援
・酒井重<6358>ICタグで棚卸し時短、サービス部品在庫管理
・ニデック<6594>印にモーター・駆動装置製造の新工場、80億円投入
・日立<6501>東大とバイオアダプティブ材料開発にMI向けAI活用
・中部電力<9502>JERA、発電所の運用効率向上・CO2削減、米マイクロソフトとシステム
・エア・ウォーター<4088>大阪・摂津にイノベーション拠点、ウェルネス関連開発
・グンゼ<3002>複合ナイロンフィルム再利用へ、30年度までに異種分離導入
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
<海外>
・特になし
《ST》