話題株ピックアップ【夕刊】(2):東エレク、UBE、ソフトバンクG
■東京エレクトロン <8035> 21,895円 +660 円 (+3.1%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>やレーザーテック<6920>、SCREENホールディングス<7735>といった半導体関連株が堅調。前日の米ナスダック市場にソフトバンクグループ<9984>傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングス<ARM>が新規上場し好調なスタートを切った。アームはスマートフォンの演算半導体で99%以上のシェアを誇り、AI向け半導体での展開に対する期待が膨らんでいる。アームの株価上昇が好感され、前日の米株式市場では主な半導体関連株で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が上昇。これを受け、日本の半導体関連株にも見直し買いが入っている。
■UBE <4208> 2,655.5円 +54.5 円 (+2.1%) 本日終値
UBE<4208>が5日続伸し、年初来高値を更新した。リョービ<5851>が14日、UBE傘下のUBEマシナリーに、アルミダイカストで超大型部品を一体成型する「ギガキャスト」向けの鋳造機(ダイカストマシン)を発注したと発表した。UBEに対しては、EV(電気自動車)向け機械設備需要の拡大による恩恵を期待した買いが集まっている。リョービは超大型ダイカスト製品の試作サービスの提供に向けて、静岡県内にある菊川工場で工場建屋の新設を進めている。UBEマシナリーに発注した鋳造機は、この専用工場に新設する予定。型締力は6500トンで、2025年3月の稼働開始を計画する。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,718円 +137 円 (+2.1%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が3日ぶり反発。14日にナスダック市場に新規株式上場(IPO)した同社傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングス<ARM>が好調なスタートを切ったことを好感する買いが流入した。売り出し価格51ドルに対し、初値は56.10ドルをつけた。終値は売り出し価格を25%上回る63.59ドルだった。時価総額は652億ドル(約9兆6100億円)となった。ソフトバンクはアーム株の約10%を売り出した。
■住友大阪セメント <5232> 3,927円 +79 円 (+2.1%) 本日終値
住友大阪セメント<5232>が続伸。この日、市川事業所(千葉県市川市)において半導体製造装置の主要部品であるESC(静電チャック)の生産能力を増強すると発表しており、好材料視された。静電チャックは、半導体製造工程で静電気力を用いてシリコンウエハーを固定する半導体製造装置の主要部品。同社の静電チャックは高純度のSiC(炭化ケイ素)超微粒子を原料とした高純度、高熱伝導、高耐電圧、高耐久性の特性を持ち、半導体製造装置の主要部品として数多く採用されており、今後の需要拡大が見込まれていることから、約120億円を投じて新製造棟建設を含む生産能力増強投資を行い、生産能力を現状の約2倍に引き上げるとしている。
■INPEX <1605> 2,304円 +36.5 円 (+1.6%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>といった石油関連株が連日の上昇。INPEXは5日続伸し2008年10月以来、約15年ぶりの水準に上昇している。14日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の10月限が前日比1.64ドル高の1バレル=90.16ドルに上昇。昨年11月以来、10カ月ぶりに90ドル台に上昇した。石油輸出国機構(OPEC)が12日に発表した月報で、世界の石油市場は10~12月期に日量300万バレル超の供給不足にもなるとの見通しを示すなど、原油需給の逼迫観測が強まっている。この原油高はINPEXなど石油関連株には業績の追い風になると見込まれている。
■東エレデバ <2760> 10,470円 +120 円 (+1.2%) 本日終値
東京エレクトロン デバイス<2760>は続伸。14日の取引終了後、日本エレクトロセンサリデバイス(大阪市西区)からウエハー検査装置事業を譲り受けると発表しており、好材料視された。ウエハー検査装置の拡充及び検査技術の強化を行い、海外への事業展開を加速することで、将来の更なる事業領域の拡大と収益性の向上を図るのが狙い。なお、24年3月期業績への影響は軽微としている。
■マルゼン <5982> 2,088円 +24 円 (+1.2%) 本日終値
マルゼン<5982>が続伸。14日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を50万株(発行済み株数の3.08%)、または15億円としており、取得期間は9月15日から来年9月13日まで。東京証券取引所における自己株式立会外取引(ToSTNeT-3)を含む市場買い付けにより取得するとしており、資本効率の向上及び株主還元の拡充を図ることが目的という。
■GAテクノ <3491> 1,174円 -181 円 (-13.4%) 本日終値
GA technologies<3491>が大幅続落。14日の取引終了後、23年10月期の連結業績予想について、事業利益を16億円から21億5000万円(前期比2.1倍)へ、純利益を4億3000万円から9億4000万円(同2.4倍)へ上方修正したが、材料出尽くし感から売られたようだ。売上高は1455億円(同28.1%増)の従来見通しを据え置いたものの、RENOSYマーケットプレイスでオンライントランザクションの各種手数料改善施策が奏功し、利益が想定を上回る見通しとなったことに加えて、プロパティマネジメントを行うサブスクリプションで管理戸数が約1万7000戸となりスケールメリットが出やすい状況になったことや、複数プランの提供やDXを活用した業務効率化などにより、ストックビジネスの収益が拡大していることが要因。また、RENOSYマーケットプレイスとITANDIにフォーカスした投資など事業の選択と集中の実施やコーポレート機能の集約などのコストコントロールの取り組みも奏功する。なお、第3四半期累計(22年11月~23年7月)決算は、売上高989億7100万円(前年同期比27.4%増)、事業利益16億400万円(同2.3倍)、純利益6億2000万円(同3.9倍)だった。
■パーク24 <4666> 1,985円 -59 円 (-2.9%) 本日終値
パーク24<4666>が安い。14日の取引終了後に発表した22年11月~23年7月期(第3四半期累計)決算は、売上高が前年同期比14.4%増の2415億400万円、営業利益が同2.0倍の243億9000万円だった。これが好感され同社株は朝方高く始まったが、買い一巡後は材料出尽くしの売りに押されている。主力の国内の駐車場事業が好調に推移した。エリアの状況に合わせた開発によって収益性を維持した駐車場の拡大を図ったほか、キャッシュレス化など利便性向上に向けた取り組みを進めた。通期の増収増益見通しに変更はない。
株探ニュース