話題株ピックアップ【夕刊】(3):ナノMRNA、タスキ、グラッドC
■NANO MRNA <4571> 234円 +50 円 (+27.2%) ストップ高 本日終値
NANO MRNA<4571>に買いが殺到。英学術調査会社のクラリベイト<CLVT>が19日、今年の引用栄誉賞の受賞者として23人の研究者を選出したと発表。受賞者となった日本の研究者の1人が、ナノMRNAの創業者で現在は社外取締役を務める川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンターの片岡一則センター長となった。クラリベイトの引用栄誉賞受賞者は、ノーベル賞の有力受賞候補者とみなされており、ナノMRNAへの買いを誘う要因となった。片岡氏は化学分野で引用栄誉賞を受賞した。また、日本の研究者としては、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の柳沢正史機構長が生理学・医学分野での受賞者に選出された。
■タスキ <2987> 1,344円 +155 円 (+13.0%) 本日終値
タスキ<2987>が急騰。19日の取引終了後、23年9月期の連結業績・配当予想の上方修正を発表した。最終利益の見通しは、これまでの予想の14億4000万円から15億1000万円(前期比38.8%増)に引き上げた。また今期の期末配当予想について、創立10周年の記念配当5円を含めて7円増額し、29円(前期の期末配当は33円)に見直しており、好感されたようだ。今期の売上高予想は165億円から185億5000万円(同51.1%増)に見直した。年間配当は記念配当を含めて50円(前期比17円増配)となる見込み。新築投資用IoTレジデンスやリファイニング物件の販売活動に注力した結果、第4四半期(7~9月)の販売件数が過去最多となり、売上高が想定を大きく上回る見通しとなった。あわせて同社は中期経営計画と長期ビジョンを公表。中期計画の経営目標として、26年9月期に売上高を383億円、最終利益を30億5000万円に伸ばす方針を掲げた。更に、長期ビジョンとして不動産仕入・開発SaaS市場で国内トップを目指すとし、Life Platform事業の売上高を33年9月期に1100億円(23年9月期は184億円の見通し)に成長させる構想も示している。
■グラッドキューブ <9561> 602円 +65 円 (+12.1%) 一時ストップ高 本日終値
グラッドキューブ<9561>が大幅に3日続伸した。19日の取引終了後、workhouse(東京都江東区)からAI開発・運用や医療DX(デジタルトランスフォーメーション)開発などの事業を譲り受けると発表。事業拡大を期待した買いが入ったようだ。グラッドCはAI領域におけるコア人材と技術力の獲得により、新たなプロダクト開発や同領域での研究開発を推進する。対象事業の経営成績や資産・負債については精査中で、取得価格は精査完了後に決定する見通し。グラッドCの業績に及ぼす影響についても精査中で、公表すべき事項が生じた場合は速やかに開示するとした。
■フレクト <4414> 4,705円 +415 円 (+9.7%) 本日終値
フレクト<4414>が6連騰し年初来高値を更新した。午前11時ごろ、「2025年日本国際博覧会 関係者向けサービス・基盤の導入および運用・保守業務」を受注したと発表しており、好材料視された。同サービス・基盤は、大阪・関西万博の関係者の業務を効率化することで、来場者サービスを向上させることを目的としたもの。なお、提案金額は4億9800万円だった。
■サンコー <6964> 549円 +39 円 (+7.7%) 本日終値
サンコー<6964>がマドを開けて大幅高。3月13日の高値549円を払拭し約半年ぶりに年初来高値を更新。同社はデジタル家電や自動車関連のプレス部品製造を手掛けている。自動車生産回復を背景に売上高の7割強を占める自動車関連製品が好調で収益に貢献、24年3月期第1四半期は営業損益が1億6600万円(前年同期は400万円の黒字)と急回復、対上期進捗率も72%に達した。通期予想の営業利益5億円(前期比1%増)も進捗率を考慮して上振れする可能性がある。PBR0.3倍台で、ここ人気化が相次いでいる超低PBR株の一角でもあり、水準訂正を見込んだ買いが入り始めた。
■土屋ホールディングス <1840> 260円 +18 円 (+7.4%) 本日終値
土屋ホールディングス<1840>が急動意、9月5日と14日にダブルトップでつけた戻り高値255円を払拭した。北海道を営業地盤に注文住宅を展開、分譲マンションも手掛けており、道内の売り上げが7割を占めている。本社を置く札幌市と近い千歳市では、最先端半導体の量産を目指す日の丸半導体会社ラピダスの巨大工場建設に伴い地価の上昇が顕著となっており、同社の収益環境にも波及効果が期待されている。PBR0.5倍台で有配の低PBR株としても人気が集まりやすい。23年10月期第3四半期時点で営業損益が9億1700万円の赤字と低調が続いているが、価格転嫁も順調で業績は前期で底入れとなり24年10月期は利益回復が鮮明化しそうだ。
■焼津水産化学工業 <2812> 1,300円 +57 円 (+4.6%) 本日終値
焼津水産化学工業<2812>が続伸。19日に提出された大量保有報告書で、シンガポールの投資ファンドの3Dインベストメント・パートナーズが同社株の9.78%を取得する大株主となったことが判明した。3Dインベストメントは「物言う株主」としても知られているが、焼津水化株の保有目的は「純投資」としている。同社には、今月上旬に旧村上ファンド系の南青山不動産が大株主に浮上したことも話題となった。焼津水化には現在、投資事業を展開するJ―STAR(東京都千代田区)の関連会社が、完全子会社化を企図したTOB(株式公開買い付け)を行っている。TOB価格は1137円とされている。19日とされていた実施期間は10月18日まで延長することも発表されている。
■HCH <7361> 2,724円 +69 円 (+2.6%) 本日終値
ヒューマンクリエイションホールディングス<7361>が4日ぶりに反発。19日の取引終了後、新たに経営コンサルティング事業を開始すると発表しており、業績への貢献が期待されている。新事業の開始は、既に提供しているIT分野における一気通貫ビジネスモデルを基盤として、中長期ビジョンの達成を加速化させるのが狙い。経営コンサルティング事業における有識者を迎えることで、経営コンサルティング機能の強化、従来のITコンサルティング・受託ビジネスとのシナジー発揮に向けた取り組みを強化するとしている。
■誠建設工業 <8995> 801円 +20 円 (+2.6%) 一時ストップ高 本日終値
誠建設工業<8995>が急反発、年初来高値を更新した。19日の取引終了後、第2四半期累計(4~9月)連結業績予想について、売上高を10億2000万円から15億2600万円(前年同期比18.3%増)へ、営業利益を3000万円から9100万円(同19.7%増)へ、純利益を2500万円から6700万円(同17.5%増)へ上方修正したことが好感された。建売住宅の販売が好調に推移し、第3四半期以降の売り上げ計上を見込んでいた物件が前倒しで引き渡しできていることが要因としている。
●ストップ高銘柄
不二硝子 <5212> 1,490円 +300 円 (+25.2%) ストップ高 本日終値
天昇電気工業 <6776> 469円 +80 円 (+20.6%) ストップ高 本日終値
丸三証券 <8613> 750円 +100 円 (+15.4%) ストップ高 本日終値
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース