話題株ピックアップ【夕刊】(2):テンポスHD、大紀ア、FPG
■テンポスHD <2751> 2,824円 +32 円 (+1.2%) 本日終値
テンポスホールディングス<2751>が新高値をつけた。27日の取引終了後、24年4月期業績予想の上方修正を発表しており、ポジティブ視されたようだ。売上高の見通しはこれまでの350億円から386億円(前期比23.4%)、最終利益の見通しは16億5000万円から17億6000万円(同23.3%増)に引き上げた。千葉県を中心に魚介類の卸事業や、回転寿司を中心とした飲食店事業を手掛けるヤマトの全株式取得と子会社化を完了した。同社が連結対象に加わったことを受け、業績予想を見直した。
■大紀アルミニウム工業所 <5702> 1,321円 -159 円 (-10.7%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
大紀アルミニウム工業所<5702>が急反落した。27日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想を下方修正したと発表した。最終利益の見通しはこれまでの72億8000万円から27億1000万円(前期比72.1%減)に引き下げており、見切り売りを促した。売上高の見通しは3009億円から2688億円(同1.6%減)に見直した。上期(4~9月)において、製品と原料の価格差(スプレッド)が縮小し、業績が計画を下振れる見込みとなった。保有する有価証券の売却益を計上するものの補えず、下期は海外におけるスプレッドの縮小が見込まれるため、影響を業績予想に織り込んだ。
■FPG <7148> 1,341円 -145 円 (-9.8%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
FPG<7148>やノエビアホールディングス<4928>、MTG<7806>といった9月期決算銘柄に安いものが目立つ。きょう28日は9月期末の配当と株主優待の権利落ち日にあたることから、処分売りの動きが優勢となっているようだ。ディア・ライフ<3245>、エスケーエレクトロニクス<6677>なども下落している。
■日本航空 <9201> 2,932.5円 -86.5 円 (-2.9%) 本日終値
日本航空<9201>とANAホールディングス<9202>がそろって反落。東証の業種別指数で空運業は下落率でトップとなった。27日のニューヨーク市場で原油先物相場が上昇し、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物となる11月限は前日比3.64%高の1バレル=93.68ドルで取引を終えた。取引時間中には中心限月として昨年8月以来の高値水準となる94ドル台に乗せる場面があった。受け渡し地点である米オクラホマ州クッシングの在庫水準が低下したことなどが背景にある。原油相場の一段の上昇を受け、空運株に対しては運航コストの上昇を懸念した売りが出たようだ。
■MS&AD <8725> 5,668円 -141 円 (-2.4%) 本日終値
MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725>や東京海上ホールディングス<8766>、SOMPOホールディングス<8630>が軟調推移。28日付の日本経済新聞朝刊は、「損害保険大手4社が企業向け保険料を事前調整していた問題で、独占禁止法の趣旨に反する不適切な行為があった取引先の数が少なくとも計100社超にのぼることが27日、分かった」と報じた。今後の事業や収益への影響を懸念した売りが膨らんだ。報道によると、金融庁から保険業法に基づく報告徴求命令を受けたのは、東京海上日動火災保険と損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険。保険契約を各社が分担して引き受ける共同保険において、保険料の事前調整を含めて4社が不適切な行為をしていた疑いのある案件数が、調査の進展に伴って増加したという。4社は29日までに金融庁に報告書を提出すると伝えている。
■システム情報 <3677> 894円 +131 円 (+17.2%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
システム情報<3677>はストップ高。27日の取引終了後、MBO(経営陣が参加する買収)の一環として、投資ファンドのベインキャピタルと組み、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。ベインキャピタルが設立したBCJ─76(東京都千代田区)による買い付け価格は930円。株価はこれにサヤ寄せする展開となっている。買付予定数は1947万4378株で、下限は1177万3700株。上限は設定しない。買付期間は9月28日から11月10日まで。TOB成立後は上場廃止となる見込み。システム情報はTOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨した。業界内で豊富な投資実績や知見、ネットワークを持つベインキャピタルが、経営資源の提供者として最適であると判断したという。東京証券取引所は27日、システム情報の株式を監理銘柄(確認中)に指定した。
■ロジザード <4391> 1,128円 +150 円 (+15.3%) ストップ高 本日終値
ロジザード<4391>が急動意。残業規制の強化によってトラック運転手の人手不足が深刻化するとされる物流業界の「2024年問題」に関し、岸田首相が10月上旬に関係閣僚会議を開いて緊急対策を取りまとめる考えを表明したと、この日複数のメディアが報じた。これを受け、倉庫の在庫管理システムを手掛ける同社に思惑的な物色が向かっているようだ。物流代行サービスを展開する関通<9326>、イー・ロジット<9327>なども上昇している。
■メディシノバ・インク <4875> 362円 +48 円 (+15.3%) 本日終値
メディシノバ・インク<4875>が急伸し、年初来高値を更新した。28日、米国生物医学先端研究開発機構(BARDA)との提携共同開発による、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)や急性肺障害(ALI)への治療法・医療対策としての「MN-166(イブジラスト)」の研究成果を開示した。このうち、塩素ガス誘発性ALIに対するMN-166の単回投与と複数回投与の治療効果を評価する研究では、複数回投与スタディーにおいて、肺機能の有意な改善と生存率の向上が確認できたという。開発プログラムの次のステップについて米食品医薬品局(FDA)とミーティングを持つ予定としており、新薬の実用化を期待した買いが集まった。
株探ニュース