株価指数先物【寄り前】 3万2000円辺りでの攻防
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 32000 +150 (+0.47%)
TOPIX先物 2352.0 +12.0 (+0.51%)
シカゴ日経平均先物 31990 +140
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
28日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米長期金利が約16年ぶりの高水準を付けるなか、売りが先行して始まった。その後、リッチモンド連銀のバーキン総裁、シカゴ連銀のグールズビー総裁のハト派寄りの発言が伝わったほか、4-6月の米実質国内総生産(GDP)個人消費の確定値が予想を下回ったことで、金融引き締め長期化への懸念が和らいだ。これを受けて米長期金利が低下したほか、NY原油先物も下落したことから、午後に入り買い戻しが強まった。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、メディアが上昇した一方で、公益事業、家庭用品・パーソナル用品、医薬品・バイオテクノロジーが下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比140円高の3万1990円だった。日経225先物(12月限)は日中比20円安の3万1830円で始まり、3万1660円まで売られた。売り一巡後は3万1750円~3万1850円辺りでの保ち合いが続いた。米国市場の取引開始後にリバウンド基調が強まり、中盤にかけて一時3万2060円まで買われる場面が見られた。その後、終盤にかけては3万1920円~3万2020円処で推移し、3万2000円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になりそうだ。しかし、国内では日経平均株価の定期入れ替えに伴うリバランスや年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の株式配分比率の調整に伴う需給の影響を受けやすく、米国株高のインパクトは限られる可能性がある。そのため、リバランスの影響を受けやすい値がさ株の動向を睨みながらの相場展開となろう。
日経225先物はボリンジャーバンドの-2σ水準まで調整した後に、-1σ辺りまで切り返してきた。-1σが位置する3万2000円辺りで攻防をみせてくると考えられるが、同水準を上回って推移するようだと、リバランスを狙った先回り的なショートポジションをカバーする流れへ向かいやすい。イベント通過後の10月相場を睨んだ押し目待ち狙いのロングも意識されそうだ。一方で、3万2000円水準で上値の重さがみられるようだと、戻り待ち狙いのショートが入りやすいため、オプション権利行使価格の3万1750円から3万2250円辺りのレンジ推移を想定する。
VIX指数は17.34(前日は18.22)に低下し、200日移動平均線を下回ってきた。ややリスク選好に向かわせやすいとみられるが、29日の米国市場では米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する米個人消費支出(PCE)の発表を控えているため、積極的なロングは期待しづらいところであろう。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.61倍に低下した。一時13.55倍まで下げており、1月安値の13.62倍を下回った。米国市場では半導体株の一角が買われており、これを受けたNTショートの巻き戻しがありそうだが、日経平均株価の定期入れ替えに伴うリバランスの影響を見極める必要がある。
株探ニュース