【市場反応】米コアPCE価格指数は伸び鈍化、FRBの追加利上げ観測後退でドル軟調
米商務省が発表した8月個人所得は前月比+0.4%と、伸びは7月+0.2%から拡大し、3月来で最大となった。一方、同月個人消費支出(PCE)は前月比+0.4%と、7月+0.9%から予想以上に伸びが鈍化。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している変動の激しい燃料や食料を除いたコアPCE価格指数の8月分は前月比で+0.1%と、7月の+0.2%から伸びが予想外に鈍化し、2020年11月来で最低。前年比+3.9%と、7月+4.3%から伸びが鈍化。7か月連続の伸び鈍化となった。21年5月来で最低の伸びとなり、FRBの利上げが効果を表した形。
同時刻に発表された米8月卸売在庫速報値は前月比―0.1%と、予想外に7月-0.2%から改善。米8月前渡商品貿易収支は-843億ドル。赤字幅は909億ドルから拡大予想に反し縮小し、成長にプラスに寄与する。
インフレの鈍化を受けてFRBの追加利上げ観測が後退し、米国債相場は堅調に推移。10年債利回りは4.53%まで低下した。ドルも軟調に推移し、ドル・円は一時148円95銭まで下落後、149円15銭で戻りが鈍い。ユーロ・ドルは1.0590ドルから1.0610ドルまで上昇した。ポンド・ドルは1.2236ドルから1.2267ドルまで上昇。
【経済指標】
・米・8月コアPCE価格指数:前年比+3.9%(予想:+3.9%、7月:+4.3%←+4.2%)
・米・8月個人所得:前月比+0.4%(予想:+0.4%、7月:+0.2%)
・米・8月個人消費支出(PCE):前月比+0.4%(予想:+0.5%、7月:+0.9%←+0.8%)
・米・8月卸売在庫速報値:前月比―0.1%(予想:-0.2%、7月:-0.2%)
・米・8月前渡商品貿易収支:-843億ドル(予想―914億ドル、-909億ドル←―912億ドル)
《KY》