話題株ピックアップ【夕刊】(1):Aバランス、INPEX、川崎汽

注目
2023年10月10日 15時15分

■Abalance <3856>  3,280円  +345 円 (+11.8%)  本日終値

Abalance<3856>が急反発した。10日、ベトナム子会社のVSUNの傘下にあるTOYO SOLAR社が建設中の太陽光パネルのセル工場に、ベトナム・フートー省知事や同省の代表団が投資計画、工業区管理などの責任者を伴って視察を行ったと発表。これを手掛かり視した買いが入り、後場に上げ幅を拡大した。Aバランスによると、同省知事は今回の視察で、セル工場建設が計画通りに行われていることを確認したうえで、産業基盤を発展させる優良なプラットフォームの構築などへの期待が示されたという。

■ワキタ <8125>  1,532円  +148 円 (+10.7%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位

ワキタ<8125>が急騰。土木建設機械の販売・レンタルを主力に手掛ける機械商社で、足もとの業績は堅調ながらPBRが0.7倍前後と低い。前週末6日取引終了後に発表した24年2月期上期(23年3~8月)決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比2%増の27億5700万円と堅調を維持した。また、株主還元を強化し新たに株主優待制度を設けることも発表した。毎年2月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、ホテルコルディア利用券(保有株数300株未満で1万円分、300株以上保有で3万円分)を贈呈するというもので、これを材料視する買いが集中した。なお、同社の今期年間配当は43円(前期実績38円)を計画しており、配当利回りは前週末終値換算で3.1%と高い。

■INPEX <1605>  2,081円  +164.5 円 (+8.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位

石油関連株が軒並み高。寄り付きから大量の買いを集めINPEX<1605>は前週末に比べ8%超高、石油資源開発<1662>も同10%超の上昇となった。ENEOSホールディングス<5020>や出光興産<5019>も急伸。パレスチナのイスラム組織ハマスが7日に、イスラエルに対する大規模な攻撃を仕掛けたことから戦闘が激化。パレスチナとイスラエルの対立は中東情勢を緊迫化させるとの警戒感は強く、9日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の11月限が前週末比3.59ドル高の1バレル=86.38ドルに上昇した。一時、87.24ドルまで値を上げた。パレスチナ情勢の落ち着きどころは見えず、中東情勢の緊迫化状態は続く可能性があるだけに石油関連株の思惑人気は続く可能性も指摘されている。

■川崎汽船 <9107>  5,802円  +357 円 (+6.6%)  本日終値

川崎汽船<9107>は商いを大きく膨らませ一時6%を超える大幅高で3連騰、売買代金は全上場銘柄でレーザーテック<6920>に次ぐ第2位に食い込んだ。また、日本郵船<9101>、商船三井<9104>など大手を中心に海運株が軒並み高く、業種別値上がり率上位にランクインしている。9月末の配当権利落ち後に海運セクターはショート筋の売り仕掛けなどで株価水準を切り下げていたが、目先はそのアンワインドの動きを誘導している。前週末のビッグイベントであった9月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数の伸びが想定を大きく上回ったものの、米国株市場ではNYダウなど全体指数が高くなり、その後の中東地域での地政学リスク発生に対しても強さを発揮した。これを受け空売り買い戻しの動きが誘発され、川崎汽をはじめ海運株はその象徴となっている。

■青山商事 <8219>  1,630円  +97 円 (+6.3%)  本日終値

青山商事<8219>が大幅続伸。午前10時30分ごろに発表した9月度の月次売上高(速報)で、ビジネスウェア事業の既存店売上高が前年同月比9.2%増となり、10カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数が同5.3%増、客単価が同3.7%増とそれぞれ伸長しており、スーツやフォーマルなどが好調だったという。なお、全店売上高は同6.3%増だった。

■いなげや <8182>  1,588円  +94 円 (+6.3%)  本日終値

いなげや<8182>がカイ気配スタートで急伸。前週末6日の取引終了後、イオン<8267>がいなげやに対し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。いなげやの株価はTOB価格の1610円にサヤ寄せする動きとなった。買付予定数の上限は1568万7400株に設定。下限は設定していない。買付期間は10月10日から11月21日。TOB実施後もいなげやの上場は維持される予定だが、イオンはいなげやを連結子会社化したうえで、2024年11月をメドに、傘下のユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス<3222>との経営統合の実現を目指す。

■グッドコムアセット <3475>  1,063円  +60 円 (+6.0%)  本日終値

グッドコムアセット<3475>は反発。前週末6日の取引終了後、子会社ルームバンクインシュアが従来提供している賃貸保証システムについて、更なる顧客拡大を図るため新サービスを開始すると発表。これが買い手掛かりとなっている。ルームバンクインシュアは不動産賃貸借契約時に借主の連帯保証人となり、貸主へ賃貸債務を保証する賃貸保証業務を手掛けている。これまでは住居用賃貸の保証のみを行っていたが、今回新たに事業用物件の賃貸保証を行うサービスも手掛けるという。

■三菱重工業 <7011>  8,109円  +449 円 (+5.9%)  本日終値

三菱重工業<7011>が急伸。日本時間7日に発生したイスラム主義組織ハマスによるイスラエルへの攻撃を受け、イスラエルが報復作戦を進めており、ハマスが実効支配するパレスチナのガザ地区への空爆が行われた。ハマスの攻撃には、イランの支援があったと米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えている。中東情勢の緊迫化と地政学リスクの高まりを受けて9日の欧米市場で防衛関連株が物色されたが、連休明けの東京市場はこうした海外市場の流れを引き継ぐ形で、関連銘柄に資金が流入した。川崎重工業<7012>や細谷火工<4274>や新明和工業<7224>が買われ、石川製作所<6208>、豊和工業<6203>、カーリットホールディングス<4275>、日油<4403>が上伸した。

■大阪有機化学工業 <4187>  2,567円  +129 円 (+5.3%)  本日終値

大阪有機化学工業<4187>が大幅反発。前週末6日の取引終了後に発表した第3四半期累計(22年12月~23年8月)連結決算は、売上高217億5400万円(前年同期比10.5%減)、営業利益30億5600万円(同32.5%減)、純利益26億8200万円(同21.5%減)と大幅減益となったが、悪材料出尽くしとみた買いが入ったようだ。ディスプレーや半導体などの需要低迷の影響を受けて、化成品事業のディスプレー用粘着剤向けやUVインクジェット用インク向けの販売が低迷。また、電子材料事業でも主力のArFレジスト用原料の販売が末端市場の需要軟調で減少した。原材料価格高止まりの影響などもあり、大幅減益を余儀なくされた。なお、23年11月通期業績予想は、売上高290億円(前期比10.0%減)、営業利益38億円(同36.0%減)、純利益28億円(同40.8%減)の従来見通しを据え置いている。

■森永製菓 <2201>  5,538円  +191 円 (+3.6%)  本日終値

森永製菓<2201>が3日続伸。SMBC日興証券は6日、同社株の投資評価を新規「1」でカバレッジを開始した。目標株価は6700円とした。(1)米国でのソフトキャンディ「ハイチュウ」の需要は強く、度重なる値上げでも差別化された製品力により数量成長が持続。また国内のチョコモナカジャンボ・inゼリーも拡大余地がある(2)株価は年初から4割上昇しているが来期予想PERは16倍と割安感が残る(3)経営の市場への意識も高まり還元も構造的に強化される―ことを評価。同証券では24年3月期の連結営業利益を191億円(会社計画173億円)、来期は213億円と最高益を見込んでいる。

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