話題株ピックアップ【夕刊】(3):セコム、コックス、エヌピーシー
■セコム <9735> 10,430円 +130 円 (+1.3%) 本日終値
セコム<9735>が反発。午前11時ごろ、日本で初めてAIを活用して巡回・侵入監視を行うセキュリティードローン「セコムドローンXX(ダブルエックス)」を開発したと発表しており、好材料視された。同社は15年12月、敷地内への侵入があった際に不審者を自律飛行で追跡し、その映像をコントロールセンターに送信して迅速・的確な対応につなげる、民間防犯用として世界初の「セコムドローン」を実用化したが、今般開発した「セコムドローンXX」は、その「セコムドローン」の機能をさらに進化させたという。新たに人や車両を検知する画像AIを搭載し、監視員が不審者・不審車両と判断して指定した物体を自動で追跡・撮影するとしており、飛行時間・速度を大幅に向上させ、最大で半径約6キロメートルのエリアを警備することが可能となったとしている。
■コスモス薬品 <3349> 14,200円 -1,445 円 (-9.2%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
コスモス薬品<3349>が続急落。九州地方を地盤にドラッグストアを展開する同社は11日の取引終了後に24年5月期第1四半期(6~8月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比17.2%増の2416億5300万円と大幅な増収となった半面、営業利益は同1.0%増の89億9000万円にとどまり、営業利益率は3.7%(前年同期は4.3%)となった。インバウンド需要の恩恵への期待が強いドラッグストア業界にあって収益性の低下が警戒視されたほか、九州では競合他社の進出も相次いでいることもあり、今後の業況を懸念した投資家の売りがかさんだようだ。同社はあわせて、9月度の月次営業速報も公表した。既存店売上高は前年同月比7.5%増と増収基調を継続したものの、増収率は8月の8.6%を下回った。
■松竹 <9601> 9,740円 -465 円 (-4.6%) 本日終値 東証プライム 下落率7位
松竹<9601>が後場に急落した。この日、24年2月期第2四半期累計(3~8月)の連結決算にあわせ、通期の業績予想を見直した。経常利益の見通しをこれまでの13億8000万円から1億3000万円(前期比90.4%減)に下方修正した。増益予想から一転、大幅な経常減益の計画となり、嫌気されたようだ。売上高の見通しは924億6000万円から877億3000万円(同12.2%増)に引き下げた。一部映画館が台風7号の浸水被害により休館を余儀なくされた。更に、ハリウッドでのストライキによる海外作品の公開延期や中止のリスクを踏まえ、下期の興行収入が低調に推移すると想定。持ち分法適用会社のBS松竹東急を巡る投資損失が増加する見込みであることなども反映した。一方、上場株式の売却による特別利益の計上により、今期の最終利益予想は10億円から18億7000万円(同65.9%減)に見直した。
■ベル24HD <6183> 1,459円 -40 円 (-2.7%) 本日終値
ベルシステム24ホールディングス<6183>は続落。11日の取引終了後に3~8月期決算を発表。売上高が前年同期比2.1%減の766億7900万円、営業利益が同20.2%減の65億2900万円で着地しており、これが嫌気された。コンタクトセンターの運営やその付帯業務を行う主力のCRM事業で、スポット需要の売り上げが減少したことが響いた。通期見通しに変更はない。
■ニプロ <8086> 1,054円 -26.5 円 (-2.5%) 本日終値
ニプロ<8086>が冴えない。デンマーク製薬大手のノボノルディスク<NVO>が11日、糖尿病治療薬「オゼンピック」の臨床試験の中間解析の結果を公表した。腎不全治療への効果が明らかになり、試験を予定よりも早く終了するという。これを受け、欧州市場では新薬の早期実用化への期待から同社株が大幅高となった一方、人工透析装置を手掛けるドイツのフレゼニウス・メディカル・ケアの株価は急落。米国市場でもダヴィータ<DVA>やバクスターインターナショナル<BAX>など人工透析関連に売り圧力が強まった。人工透析向けの医療機器を手掛けるニプロに対しても、中期的な収益への影響が懸念され、株価の重荷となったようだ。
■東宝 <9602> 5,078円 -55 円 (-1.1%) 本日終値
東宝<9602>が軟調推移。11日の取引終了後、24年2月期第2四半期(3~8月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。最終利益の見通しはこれまでの310億円から360億円(前期比7.7%増)に引き上げた。減益予想から一転して最終増益を見込む。ただ直近3カ月間となる6~8月期は最終減益となったほか、業績の上振れ自体は想定内と受け止める向きは多く、買い向かう姿勢は限られた。営業収入は2600億円から2700億円(同10.5%増)に予想を見直した。主力の映画事業では3~8月期に「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」や「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」などヒットに恵まれた。TOHO animation作品の事業展開が好調だったほか、演劇事業、不動産事業も堅調に推移しており、業績予想に反映した。
■山大 <7426> 1,379円 +300 円 (+27.8%) ストップ高 本日終値
山大<7426>はストップ高に買われ、年初来高値を更新した。同社は住宅資材販売と木材加工を主力事業としつつ、SDGs(持続可能な開発目標)に関する取り組みの一環として、「少花粉杉」の植樹活動にも携わっており、花粉対策関連銘柄と位置付けられている。政府は11日に首相官邸で花粉症対策に関する関係閣僚会議を開き、「初期集中対応パッケージ」を取りまとめた。今年度中に人工林伐採重点区域を設定し植え替えなどを進めつつ、スギ材需要の拡大を進めるとともに、花粉の少ない苗木の生産拡大なども図るという。国策による同社の事業へのポジティブな効果への思惑が広がり、個人投資家を中心とした短期の資金が流入したようだ。
■コックス <9876> 209円 +34 円 (+19.4%) 一時ストップ高 本日終値
コックス<9876>は集中人気で急伸。同社はイオン系のカジュアル衣料専門店だが、インバウンド消費の復調に加え、好採算のEC事業が貢献し足もとの業績は会社側の想定を大きく上回って推移している。11日取引終了後に発表した24年2月期上期(3~8月)決算は営業利益が前年同期比2.6倍の8億6700万円と急拡大、通期計画の5億8500万円(前期比37%増)を大幅に超過した。これがポジティブサプライズとなり投資資金が集中する格好となった。株価は前日まで200円未満の低位に位置していることで、個人投資家を中心とした短期筋のターゲットとなりやすい面もあった。
■エヌ・ピー・シー <6255> 721円 +100 円 (+16.1%) ストップ高 本日終値
エヌ・ピー・シー<6255>がストップ高。11日の取引終了後、23年8月期の連結決算発表にあわせ、24年8月期の業績予想を開示した。売上高は前期比11.4%増の103億8400万円、営業利益は同62.2%増の15億8400万円を見込む。更に、年間配当予想は同1円増配の7円に設定しており、これらをポジティブ視した買いが集まった。受注残高が積み上がるなか、米国太陽電池メーカーの主要顧客に対する新工場向けの装置や、電子部品や自動車向けのFA(ファクトリーオートメーション)装置などの売り上げが寄与する。同時に3カ年の新たな中期経営計画も公表。最終年度の26年8月期に売上高を120億円に、営業利益を19億円に伸ばす目標を掲げた。23年8月期の売上高は前の期比2.1倍の93億2000万円、営業利益は同57.5%増の9億7600万円だった。
■幸和製作所 <7807> 1,124円 +150 円 (+15.4%) ストップ高 本日終値
幸和製作所<7807>がストップ高。11日の取引終了後、24年2月期の連結業績予想について、売上高を63億4700万円から66億9100万円(前期比6.7%増)へ、営業利益を7億600万円から12億円(同85.0%増)へ、純利益を4億5500万円から9億100万円(同2.1倍)へ上方修正したことが好感された。足もとで主力の歩行関連商品の出荷が堅調に推移していることに加えて、生産コスト増加に対応した販売価格の見直しなど、収益改善のためのさまざまな施策の実施や徹底的なコスト削減を推進したことなどが要因としている。なお、第2四半期累計(3~8月)決算は、売上高32億8500万円(前年同期比3.7%増)、営業利益5億6600万円(同92.7%増)、純利益3億7200万円(同98.5%増)だった。同時に子会社幸和ライフゼーションのレンタル事業の一部をヤマシタ(静岡県島田市)へ譲渡すると発表した。譲渡価額は1億円で、業績予想の修正に織り込み済みとしている。
●ストップ高銘柄
KG情報 <2408> 604円 +100 円 (+19.8%) ストップ高 本日終値
ギグワークス <2375> 1,149円 +150 円 (+15.0%) ストップ高 本日終値
など、7銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース