伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 10月15日版

日経平均株価は月内に3万0487円を大きく下回る公算も

1.　2021年9月前後のNYダウと日経平均株価の動き

これまでの値動きを考慮すると、本年10月の NYダウと 日経平均株価は、2021年9月頃の両指数と似たパターンになる可能性があります。

図1と図2は、2021年8月から10月頃の期間のNYダウと日経平均株価の日足です。

NYダウは、8月19日～9月14日までの期間、数日上昇して、上げた分のすべてを押し戻される展開、横ばいの動きとなっています。

9月14日～10月6日は、9月20日までの期間で下げた後、上げた分を押し戻される横ばいの動きとなっています。

図1　2021年9月前後のＮＹダウ（日足）

一方で、日経平均株価は8月20日～9月14日までほぼ一本調子の上昇の流れを作り、9月14日～10月6日まではほぼ一本調子の下げの流れを作っています。

日経平均株価の上昇時にNYダウは上値重い状況で、日経平均株価の上昇が終了した後の下げ場面で、NYダウは下げ渋る一方、日経平均がはっきりとした下げの流れを作っています。

図2　2021年9月前後の日経平均株価（日足）

図3と図4は、本年8月1日以降のNYダウと日経平均株価の日足です。

本年8月1日以降の動きは、8月1日から9月14日までの期間、全体としてNYダウが下げの流れになっているにもかかわらず、日経平均株価は下げた分のすべてを戻す横ばいの動きになっています。

10月6日～13日まで、NYダウは一時的な調整と見られる程度の反発場面になっていますが、日経平均株価は9月15日の戻り高値に急接近する上げを経過しています。

8月1日～10月13日までの期間は、NYダウが下げているときに、日経平均株価が下値堅く推移しています。そのため、今後、価格が下げる場面では、NYダウよりも日経平均株価の方が積極的な下げの流れになる可能性を考えておく必要があります。

図3　2023年8月以降のＮＹダウ（日足）

図4　2023年8月以降の日経平均株価（日足）