中東情勢の緊迫化を映してリスク回避の動きが強まる【クロージング】

市況
2023年10月16日 16時03分

16日の日経平均は大幅続落。656.96円安の31659.03円(出来高概算13億5000万株)と終値ベースでは11日以来3営業日ぶりに節目の32000円を割り込んだ。中東情勢の悪化に伴う地政学リスクの高まりから幅広い銘柄に売りが先行した。その後は急ピッチの下げに対する反動から押し目を拾う場面もあったものの、中国・上海や香港などのアジア市場が軟調推移となるなか、後場終盤には31564.31円まで下落幅を広げた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1600を超え、全体の9割近くを占めた。セクター別では、鉱業と石油石炭を除く31業種が下落し、陸運、空運、サービス、ゴム製品、機械、不動産の弱さが目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、エーザイ<4523>、キヤノン<7751>、三井物<8031>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、ソフトバンクG<9984>、ダイキン<6367>が軟調だった。

先週末の米国市場はイスラエルがパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻の準備を進めていると伝わるなど、中東情勢の悪化を背景に、需給逼迫への警戒感から原油市況が上昇したため、世界的なインフレ再加速への不安感も相場の重荷となった。東京市場でも、こうした流れを引き継いで、半導体や電子部品関連株などを中心に売りが優勢となり、日経平均の下げ幅は一時750円を超えた。一方、原油高を受けて採算改善への思惑から資源関連株が値を上げたほか、ローソン<2651>など好決算を発表した銘柄の一角が堅調だった。

中東情勢が一段と危険度を増していることから、リスク回避の動きが一段と強まる恐れがあるだけに、引き続き注視する必要があろう。また、原油市況が一段高となってしまえば、追加利上げを余儀なくされ、景気悪化を招く懸念も警戒される。さらに、今週は米連邦準備制度理事会(FRB)関係者による発言機会が多く予定されているだけに、足元の状況を踏まえた今後の金融政策運営についての発言が出てくるのかもポイントとなりそうだ。

《CS》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.