来週の株式相場に向けて=中東情勢の行方見極める局面に
10月第3週の日経平均株価は1056円(3.3%)の下落となった。週間の下落幅では今年2番目の大きさだが、前週が1321円(4.3%)の上昇と急伸していただけに、その分の揺り戻しとみることもできそうだ。
この週は、米長期金利が一時5.0%に上昇し、米原油先物相場のWTI価格も一時90ドル台に乗せた。相場的には「いったん達成感が出る水準」(市場関係者)という見方もある。
米長期金利の上昇に関しては米金融引き締め長期化懸念が背景にあるほか、原油相場では言うまでもなくイスラム組織ハマスとイスラエルとの衝突が上昇要因となっている。ともに、大きな不透明要因となっているのは中東情勢だが、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻が近いとの見方も浮上するなか、その不透明感はピークに近づきつつある、との見方もある。市場には「現在の状況はかつてのイスラエル対アラブ諸国のような単純な構造ではない。再び中東戦争が巻き起こるようなことはないのではないか」(アナリスト)との声も出ている。
また、米長期金利の上昇も今月31日~11月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を経て、徐々に鎮静化の方向へ向かうことも期待される。
日経平均株価の騰落レシオ(25日移動平均)は一時120を超えていたものが、足もとでは80近辺に下落。80を下回ると「売られ過ぎ」とも言われるだけに押し目を拾う局面は近づきつつあるのかもしれない。
来週は日米ともに決算発表が本格化する。米国では24日にマイクロソフト<MSFT>やアルファベット<GOOG>、25日にメタ・プラットフォームズ<META>、26日にアマゾン・ドット・コム<AMZN>、27日にエクソン・モービル<XOM>などの発表がある。
国内では23日のニデック<6594>を皮切りに決算シーズンが始まり、24日にシマノ<7309>、26日に富士通<6702>、27日に日立製作所<6501>などが予定されている。経済指標では26日に米7~9月期GDP速報値、27日に米9月個人消費支出(PCEデフレーター)が発表される。国内では27日に10月東京都区部消費者物価指数(CPI)が公表される。23日に売れるネット広告社<9235>、24日にジャパンM&Aソリューション<9236>、25日に全保連<5845>とKOKUSAI ELECTRIC<6525>などが新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万800~3万1700円前後。(岡里英幸)