横山利香「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」― (44)“バリュー物色”復活の波に乗るためのPBR活用術
個人投資家のみなさん、こんにちは! 株が大好き、認定テクニカルアナリストの横山利香です。
日経平均株価は6月にバブル後の高値3万3772円をつけましたが、その後、3万3000円台でダブルトップを形成して以降、もみ合う展開が続いていました。一方、緊迫する中東の地政学リスクや混迷する米議会、米国経済の強さを背景とした米長期金利の上昇など、外部環境は不透明さを増しています。株式市場にとってはネガティブ要因が満載ということもあって、米国の株式市場は地合いが悪化し、9月半ばから調整基調が鮮明になっています。
日経平均株価は米国の株式市場と連動しやすいこともあって、10月4日には3万0487円まで売り込まれました。足もとでは3万0300円台まで上昇してきた200日移動平均線、さらには2021年の高値水準がサポートラインとして意識されており、3万円を維持できるのかという状況になっています。このように地合いが悪化すると、「どこまで下がるのだろう」と不安に襲われるものです。しかし、好業績銘柄を中心に買いが集まる地合いになれば、本格化する企業決算は売り込まれた好業績株を見直すタイミングとなるかもしれません。
6月にバブル後高値をつけた頃の状況を振り返っても、株式投資で難しいのは売りのタイミングを見極めることだと痛感します。株価水準が高くなってくると、数%の上げ下げで動く値幅が大きくなるので、株価の方向性を見失って判断に迷い、右往左往してしまう人も多いのではないでしょうか。株価は上げ続けることも、下げ続けることもなく、いずれトレンドは反転します。悲観ムードが市場を覆っている時には買いを躊躇するのに、株式市場が反転上昇すれば「高くて買いづらいなー」と思う人も出てくることでしょう。
もちろん、業績が低迷すれば上値余地は限られます。特に先行きに不透明感が漂う時には、業績が好調な銘柄に注目が集まりやすくなるケースが多く、そうした銘柄の上昇余地がなくなったわけではありません。
前回の本コラム「人気化するセクターの上げ波動に乗ろう!」では、NT倍率を使ってどのセクターが人気になっているのかを分析する流れについて解説しました。今回は、今後株価が反転上昇する時に備えて、バリュー株を仕込む際に上値余地の判断材料としても使いたい「PBR(株価純資産倍率)」の活用法について解説します。
株探ニュース