金融イベント前に模様眺めムード強い/後場の投資戦略
日経平均 : 30649.44 (-47.52)
TOPIX : 2236.04 (+4.80)
[後場の投資戦略]
昨晩、日本経済新聞社が本日の金融政策決定会合で1%を超える金利上昇を容認する案が有力と報道し、ドル・円は一時1ドル=148円台まで円高方向に振れた。本日の国内債券市場は長期金利が一時0.955%と高水準を更新し、政策修正へ構える格好となっている。金融政策に大幅な変更はないとみられているが、イールドカーブコントロール再修正に関する議論についてどのような内容になるか関心が高まっている。本日の大引け後に植田総裁の記者会見が行われるため、後場もこの会見を見極めたいとして積極的な売買は控えられそうだ。本日も決算関連で好悪材料入り混じっており、一方向に相場が傾くことは想定しづらい。
ただ、「ハロウィンに株を買え」と投資格言もあるが、昨日は押し目待ち狙いの買いや重要イベント前の先回り的な買いも見られ、日本株の底打ち期待は根強いよう。一方で、寄り付き前に発表された経済指標では、失業率、有効求人倍率など9月の雇用関連指標ではほぼ市場予想通りであったが、9月鉱工業生産(速報値)は予想を大幅に下回る前月比+0.2%上昇だった。市場コンセンサスでは2.5%程度の上昇を見込んでおり、金利上昇により設備投資を控える企業姿勢もかいま見える。また、中国政府版の製造業購買担当者景気指数(PMI)が2か月ぶりに好・不況の分かれ目となる50を下回っており、これを受けてハンセン指数は下落している。植田総裁の発言内容次第ではどちらにも転びやすい局面ではありそうだ。(二階堂千穂)
《AK》