飯野海運---2Q減収も、通期連結業績予想の上方修正および中間・期末配当金の増配を発表
飯野海運<9119>は31日、2024年3月期第2四半期(23年4月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比4.1%減の675.73億円、営業利益が同15.3%減の88.20億円、経常利益が同12.0%減の103.57億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同32.7%減の96.67億円となった。
外航海運業の売上高は前年同期比4.5%減の561.55億円、営業利益は同13.9%減の69.59億円となった。大型原油タンカーにおいては、一部船腹で入渠工事を実施したが、支配船腹を長期契約に継続投入し、業績の下支えに貢献した。ケミカルタンカーにおいては、同社の基幹航路である中東域から欧州及びアジア向けをはじめとする安定的な数量輸送契約に加え、スポット貨物を積極的に取り込んだことで、当初の予想を上回る運航採算を確保した。 大型ガス船においては、LPG船・LNG船共に、既存の中長期契約を中心に安定収益を確保したことに加え、一部船舶が好市況を享受した。ドライバルク船においては、専用船が順調に稼働し安定収益確保に貢献した。ポストパナマックス型及びハンディ型を中心とする不定期船隊では、一部で市況軟化の影響を受けたものの、契約貨物への投入を中心に効率的な配船と運航に努め、当初の予想を若干上回る運航採算を確保した。
内航・近海海運業の売上高は同6.9%減の49.58億円、営業損失は0.59億円(前年同期は2.46億円の利益)となった。既存契約を中心に効率配船に取り組んだが、当第2四半期に運航船の入渠による修繕工事が重なり、収益を圧迫した。
不動産業の売上高は同1.5%増の65.06億円、営業利益は同7.9%減の19.19億円となった。同社所有ビルにおいては、オフィスフロアが順調な稼働を継続し、安定した収益を維持した。 商業フロアにおいては、一部空室を残しているものの、飲食テナントを中心に売上の回復傾向が見られた。同社グループのイイノホール&カンファレンスセンターにおいては、需要の回復に伴い稼働は改善に向かった。スタジオ事業を運営するイイノ・メディアプロにおいては、主力のスタジオ部門で稼働が堅調に推移した。英国ロンドンのオフィスビル賃貸事業においては、オフィスフロア・商業フロア共に順調に稼働し、収益を維持した。
2024年3月期通期については、同日、連結業績予想の上方修正を発表した。売上高が前期比4.5%減(前回予想比5.5%増)の1,350.00億円、営業利益が同19.1%減(同24.6%増)の162.00億円、経常利益が同16.6%減(同30.8%増)の174.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同25.1%減(同42.3%増)の175.00億円としている。
また同日、当第2四半期末の1株当たりの配当金については、直近の配当予想から7.00円増配の25.00円、期末配当についても、直近の配当予想から1株当たり8.00円増配の25.00円とすることを発表した。通期で50.00円の配当を予定している。
《SO》