話題株ピックアップ【夕刊】(2):サイバー、GMO-PG、京セラ
■サイバーエージェント <4751> 863.7円 +56.1 円 (+7.0%) 本日終値
サイバーエージェント<4751>が大幅高で3日続伸した。1日の取引終了後、23年9月期の連結決算発表にあわせ、24年9月期の業績予想を開示し、最終利益が前期比50.0%増の80億円になる見通しを示した。大幅な最終減益となった前期から一転、増益を計画しており、これをポジティブ視した買いが入ったようだ。売上高は同4.1%増の7500億円を見込む。インターネットテレビ「ABEMA」の赤字縮小を予想する。23年9月期の売上高は前の期比1.4%増の7202億700万円、最終利益は同78.0%減の53億3200万円だった。「ウマ娘 プリティーダービー」の人気が一服するなか、ゲーム事業では大幅な営業減益となった。
■GMO-PG <3769> 6,671円 +424 円 (+6.8%) 本日終値
1日に発表した「GMO広告費後払いサービスを提供開始」が買い材料。
Web広告費を最長6ヵ月の後払いにする「GMO広告費後払いサービス」を提供開始。
■京セラ <6971> 7,997円 +442 円 (+5.9%) 本日終値
京セラ<6971>がマドを開けて続急伸し、年初来高値を更新した。1日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正した。最終利益の見通しは1450億円から1230億円(前期比3.9%減)に引き下げた。増益予想から一転して減益を計画する。ネガティブな内容の決算発表の一方で、株式市場では政策保有株式であるKDDI<9433>株の活用策に対する期待が高まり、機関投資家を中心に買いが集まったようだ。KDDI株の保有見直しの検討については、同日の決算説明会において触れられたようだ。今期の売上高予想は2兆1000億円から2兆500億円(同1.2%増)に見直した。半導体関連や情報通信市場の回復の遅れが響く。9月中間期の売上高は前年同期比2.7%減の9852億9000万円、最終利益は同25.3%減の564億8700万円だった。
■東洋水産 <2875> 8,000円 +395 円 (+5.2%) 本日終値
東洋水産<2875>が大幅に3日続伸。株価は初の8000円台乗せを達成し、上場来高値を更新した。10月31日の昼休み時間中に決算発表を行い、24年3月期業績予想を増額修正したことを好感する買いが継続している。SMBC日興証券は1日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は6600円から1万円に見直した。同社の24年3月期の連結営業利益は500億円から520億円に増額されたが、同証券では615億円への一段の上振れを予想した。25年3月期の同利益は705億円を見込んでいる。北米の即席麺の収益力向上などを評価している。今回初めて中間配当の増配を実施したことは還元強化に向けた大きな一歩とも指摘。住本新社長が還元に前向きな姿勢を示し、株主利益を意識した経営に転換する兆候が見え始めてきたことを前向きにみている。
■ローム <6963> 2,571円 +79.5 円 (+3.2%) 本日終値
ローム<6963>はしっかり。1日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正した。最終利益の見通しは700億円から590億円(前期比26.6%減)に引き下げた。民生機器などの市場が上期(4~9月)に減速したことが響く。もっとも業績の下振れは株価に一定程度、織り込まれていた。1日の米国市場ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%を超す上昇となったこともあって、押し目買いを集めたようだ。今期の売上高の見通しは5400億円から5000億円(同1.6%減)に減額した。下期の想定為替レートは1ドル=140円とする。また、ロームは2日に開示した決算説明会資料のなかで、東芝<6502>への出資に関する財務計画を示し、金融機関5社によるブリッジローン3000億円のほか、今後1年をメドにパーマネントファイナンス(長期の資金調達)を実施する方針を明らかにしている。
■エンプラス <6961> 9,160円 +240 円 (+2.7%) 本日終値
エンプラス<6961>が3連騰と戻り足が鮮明、半導体株全般切り返しの動きに乗って一時520円高の9440円まで駆け上がる場面があった。同社は精密樹脂加工の電子部品を製造しており、半導体や光通信分野で高水準の需要を獲得している。光学デバイスは生成AI関連のサーバー向け(トランシーバー向け)レンズ需要が急増中だ。ただ、世界的なスマートフォンの販売不振を背景とした半導体市況の低迷が長引いており、足もと同社の収益環境にも向かい風が強い。前週末10月27日に24年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来計画の70億円から54億円(前期比39%減)に減額、これが嫌気され今週明け30日にストップ安に売り込まれた経緯がある。しかし、中期的な成長期待が強いことで下値では大口の押し目買いが観測され、翌31日からリバウンド局面に移行。きょうは一時ストップ安前の水準まで100円未満に肉薄するなど、株価復元力の強さをみせている。
■寿スピリッツ <2222> 2,082円 +51 円 (+2.5%) 本日終値
寿スピリッツ<2222>は大幅に3日続伸した。1日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績・配当予想を上方修正した。最終利益の見通しは78億5000万円から95億6000万円(前期比36.2%増)に引き上げた。また、従来14円としてきた期末一括配当の予想を25円に見直した。株式分割を考慮したベースで前期比11円の増配を計画しており、これらを好感した買いが集まったようだ。売上高の予想は558億7000万円から604億6100万円(前期比20.5%増)に見直した。インバウンド需要が回復するなかで、菓子の販売が伸長した4~9月期の実績を通期の見通しに反映した。下期の予想は売上高、利益ともにおおむね期初の見通しを据え置いた。
■レーザーテック <6920> 27,490円 +310 円 (+1.1%) 本日終値
レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>が続伸したほか、前日に下げたアドバンテスト<6857>やディスコ<6146>なども買い優勢となるなど、半導体製造装置関連の主力株が上値指向にある。前日の米国株市場では半導体設計・開発大手のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>が10%近い急騰をみせたのをはじめ半導体セクターが買い戻され、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も2.3%高に買われ目先底入れの動きとなった。AMDは31日に発表した7~9月決算で売上高、一株利益ともに市場コンセンサスを上回り、今後のAI半導体市場の拡大も期待させる内容だったことで株価が押し上げられた。この地合いを東京市場も引き継ぐ形となっている。
■東テク <9960> 4,940円 +30 円 (+0.6%) 本日終値
東テク<9960>が続伸。1日の取引終了後に4~9月期決算を発表。売上高が前年同期比15.7%増の637億2100万円、営業利益が同37.5%増の36億1600万円で着地しており、これが好感された。良好な受注環境を背景に特に工事セグメントで順調に売り上げを伸ばした。通期の増収増益見通しに変更はない。
■テイカ <4027> 1,407円 -309 円 (-18.0%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
テイカ<4027>が急落した。1日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想の下方修正を発表。売上高は620億円から560億円(前期比2.2%増)、最終利益は34億円から17億円(同43.1%減)に見通しを引き下げた。増益予想から一転して減益を計画する形となり、嫌気されたようだ。4~9月期の業績は計画を下振れて着地する格好となった。導電性高分子薬剤はパソコンやスマートフォンの需要低迷を背景に、販売が低調に推移した。原燃料価格の高止まりや海外需要の低迷なども考慮し、通期の業績予想を見直した。
株探ニュース