話題株ピックアップ【夕刊】(3):味の素、セ硝子、清水建

注目
2023年11月7日 15時17分

■味の素 <2802>  5,371円  -611 円 (-10.2%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ

味の素<2802>が急落した。6日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。最終利益の見通しを950億円から1000億円(前期比6.3%増)に引き上げた。マレーシア子会社の旧工場の土地の売却による影響を織り込んだ。売上高の見通しは据え置いたが、事業別では「調味料・食品」セグメントの売上高と事業利益の見通しを上方修正した一方、成長期待の高い「ヘルスケア等」セグメントの収益見通しを引き下げた。医薬用・食品用アミノ酸を手掛けるバイオファーマサービス関連では得意先の在庫調整の影響を受けたという。在庫調整が一巡する下期以降は回復を見込むとするものの、ヘルスケア部門の業況に対する懸念を強める形となったようだ。

■セントラル硝子 <4044>  2,612円  -274 円 (-9.5%)  本日終値  東証プライム 下落率3位

セントラル硝子<4044>が急反落した。6日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正した。今期の最終利益予想を140億円から100億円(前期比76.5%減)に引き下げており、失望売りを促したようだ。売上高の予想は1825億円から1615億円(同4.6%減)に見直した。ハイドロフルオロオレフィン製品と半導体向けの関連製品、肥料製品の販売減少に加え、今後はリチウムイオン電池用電解液製品の需要鈍化と販売価格の低下が見込まれており、影響を業績予想に織り込んだ。上期(4~9月)の売上高は前年同期比1.1%増の791億1500万円、最終利益は同66.4%減の56億7200万円だった。

■清水建設 <1803>  997.5円  -92.5 円 (-8.5%)  本日終値  東証プライム 下落率4位

清水建設<1803>は後場売られる。午後1時ごろに4~9月期決算を発表。売上高は前年同期比13.4%増の9368億7800万円となったものの、営業利益が同98.5%減の1億6500万円と大幅減で着地しており、これが嫌気された。手持ちの大型工事が順調に進捗したことなどにより完成工事高が増加し、売上高は増加。一方、利益面では工事採算の低下に伴う完成工事総利益の減少が響いた。固定資産売却益の計上により、純利益は同44.0%増の162億4900万円と増益を確保した。なお、複数の開発物件を売却予定にあることや自社を取り巻く景況感が概ね想定の範囲内であることから、通期の増収・営業増益見通しは据え置いた。

■NTTデータグループ <9613>  1,783円  -125.5 円 (-6.6%)  本日終値

NTTデータグループ<9613>が7日ぶり反落。6日の取引終了後に4~9月期決算を発表。売上高は前年同期比51.6%増の2兆785億円だった一方、純利益が同27.1%減の530億2200万円と2ケタ減益で着地しており、これが嫌気されたようだ。NTTグループの海外事業を担っていたNTTリミテッドの連結拡大影響に加え、日本セグメント・欧州における規模拡大や為替影響などが売上高を押し上げた。増収に伴い営業利益も拡大したが、純利益ベースではNTTリミテッド連結拡大影響による金融費用の増加が響き減益となった。会社側では、海外事業統合や構造改革に伴う費用増はあるものの全体としては順調に進捗しているとし、通期見通しは据え置いた。

■王子ホールディングス <3861>  610.3円  -34.5 円 (-5.4%)  本日終値

王子ホールディングス<3861>が反落。午後1時ごろ、24年3月期業績予想の下方修正を発表。売上高を1兆8000億円から1兆7600億円(前期比3.1%増)へ、営業利益を1000億円から820億円(同3.3%減)へ引き下げており、これが嫌気された。同時に発表した4~9月期決算は、売上高が8470億9300万円(前年同期比1.1%増)、営業利益が388億2100万円(同3.9%減)だった。国内事業における価格修正の実施が奏功し増収を確保。一方、利益面では海外での経済回復の遅れに伴う需要低迷やパルプ市況の悪化が響き減益となった。

■日本ライフライン <7575>  1,066円  -42 円 (-3.8%)  本日終値

日本ライフライン<7575>が朝高後に下げに沈んだ。6日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期業績と年間配当の予想を見直した。最終利益の見通しは68億5400万円から79億200万円(前期比14.7%増)に引き上げた。微減益の予想から一転して過去最高を見込む。年間配当予想も4円増額し42円(前期比4円増配)とした。これらを手掛かり視した買いが先行したものの、いったん好材料出尽くしとの受け止めもあって、上昇一服後は利益確定目的の売りに押された。今期の売上高予想は488億700万円から506億8000万円(同2.1%減)に修正した。カテーテル製品を手掛けるEP/アブレーション領域や心血管関連領域を中心に販売が引き続き好調に推移する見通し。新商品である大腿静脈用止血デバイス「VASCADE MVP」の販売が第3四半期(10~12月)から加わることも寄与する。

■青山商事 <8219>  1,470円  -24 円 (-1.6%)  本日終値

青山商事<8219>は軟調。6日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績に関し、最終損益が計画の24億円の赤字から一転、4億6300万円の黒字で着地したようだと発表した。前年同期は24億5100万円の最終赤字だった。9月中間期の売上高は814億円から830億1300万円(前年同期比6.7%増)と、計画を上回る格好となったという。新型コロナウイルス感染症の法律上の位置づけが5類に移行して以降、人流の回復が想定を上回り、ビジネスウェア事業やフランチャイジー事業の売上高が予想を上回った。朝方はこれを好感した買いが先行したものの、7日午前に発表した10月の月次売上高速報でビジネスウェア事業の既存店売上高は前年同月比1.2%減となった。足もとの販売状況を嫌気した売りがかさみ、株価は下げに沈んだ。

■ティラド <7236>  2,722円  +500 円 (+22.5%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ

ティラド<7236>はストップ高。自動車用を中心にエンジンを冷却するラジエーターなど各種熱交換器を製造する。半導体不足などサプライチェーン問題の解消による自動車生産回復が同社の収益環境も改善させている。6日取引終了後、24年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の24億円から30億円(前期比2.9倍)に大幅増額修正しポジティブサプライズとなった。また、好業績を背景に株主還元も強化し、今期年間配当は従来計画の20円から一気に160円に引き上げたことでマーケットの視線を釘付けにした。これに伴い配当利回りは前日終値換算で7.2%に跳ね上がった。更に発行済み株式数1.79%相当の12万株の自社株を消却することも併せて発表、買い人気を増幅させている。

■阪神内燃機工業 <6018>  1,820円  +297 円 (+19.5%)  本日終値

阪神内燃機工業<6018>が大幅に3日続伸。同社は6日取引終了後、24年3月期通期の単独業績予想を修正。経常利益の見通しを従来の3億5000万円から6億円(前期比0.4%減)に上方修正したことが好感されたようだ。売上高の見通しは従来通り95億円(同4.8%増)で据え置いたが、部分品及びCMR(鋳造・金属機械加工)関連受注が堅調に推移するとみている。また、あわせて期末一括配当を従来計画比10円増額の50円(前期も50円)とする方針も明らかにしている。

■サンウッド <8903>  980円  +150 円 (+18.1%) ストップ高   本日終値

サンウッド<8903>はストップ高。6日の取引終了後、京王電鉄<9008>がサンウッドに対し、完全子会社化を目的にTOBを実施すると発表。TOB価格の1株1250円にサヤ寄せする動きとなっている。京王は現在、サンウッド株の21.13%を所有している。これまでの資本・業務提携に基づく連携を更に進めたい考え。買い付け予定数は373万2551株(下限215万5000株、上限設定なし)で、買い付け期間は11月7日から12月19日まで。TOB成立後に同社株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は6日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■高田工業所 <1966>  1,133円  +150 円 (+15.3%) ストップ高   本日終値

高田工業所<1966>がストップ高。6日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を見直した。最終利益の見通しを10億円から15億円(前期比8.9%減)に引き上げており、好感されたようだ。コストダウンや生産性向上の推進に向けた取り組みが奏功した上期の実績を業績予想に反映した。一方、今期の売上高の見通しは532億円から523億円(同9.6%減)に引き下げた。また、同社はふくおかフィナンシャルグループ<8354>傘下の福岡銀行が保有するB種株式の全てを、24年3月末までに取得して消却することで、同行と基本合意したと発表した。取得価額の総額は15億円で、臨時株主総会での承認を前提とする。

●ストップ高銘柄

デザインワン・ジャパン <6048>  201円  +50 円 (+33.1%) ストップ高   本日終値

アルメディオ <7859>  624円  +100 円 (+19.1%) ストップ高   本日終値

AIAIグループ <6557>  1,070円  +150 円 (+16.3%) ストップ高   本日終値

など、6銘柄

●ストップ安銘柄

内海造船 <7018>  5,230円  -1,000 円 (-16.1%) ストップ安   本日終値

など、1銘柄

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