話題株ピックアップ【夕刊】(2):オープンH、ダイワボウ、グリー

注目
2023年11月24日 15時14分

■オープンハウスグループ <3288>  4,218円  +83 円 (+2.0%)  本日終値

オープンハウスグループ<3288>が続伸。午後0時45分ごろ、同社が進めている閉校した群馬県立桐生南高校(群馬県桐生市)の跡地活用事業「KIRINAN BASE(きりなんべーす)」において、校舎の一部貸し出しを開始したと発表しており、これが好材料視された。今回貸し出しを開始したのは1号館から3号館まである校舎のうち、閉校前には物理室、化学室、美術室、音楽室などとして使われていた8部屋がある3号館。将棋や囲碁の大会の開催、楽器の演奏や合唱の練習、絵画や書道の教室の開催、撮影、作品展示、会議・打ち合せなど幅広い用途で利用することができ、先行して9月にスタートしたグラウンドと体育館での一般利用に加え、文化系の活動にも利用用途が拡大することになる。なお1、2号館については設備の整備を進め24年に貸し出し開始の予定としている。

■ダイワボウ <3107>  2,970.5円  +54.5 円 (+1.9%)  本日終値

ダイワボウホールディングス<3107>が続伸した。前営業日の22日取引終了後、祖業の繊維事業を手掛ける連結子会社の大和紡績の発行済み株式の85%を、投資会社のアスパラントグループ(東京都港区)の関連ファンドが出資する投資目的会社に売却すると発表。事業の選択と集中に向けた意思決定を評価した買いが入ったようだ。ダイワボウと大和紡績の企業価値を最大化させるため、繊維事業を独立させる。譲渡価格は95億4000万円。売却に伴い、関係会社株式売却損として約170億円の特別損失を計上する見込み。24年3月期の連結業績予想については、最終利益の見通しを204億2000万円から71億円(前期比62.7%減)に引き下げた。増益予想から一転、最終減益を見込む。売上高や営業利益などへの影響は精査中。配当予想は据え置いた。今回の売却で得た資金は、財務基盤の強化や株主還元、成長投資の原資として活用する。

■グリー <3632>  552円  +10 円 (+1.9%)  本日終値

グリー<3632>が反発。正午ごろ、子会社REALITY Studiosが運営するVチューバー事務所「すぺしゃりて」から、日本並びに英語圏で活動する合計7人の1期生がデビューしたと発表しており、好材料視された。「すぺしゃりて」はゲームが大好き、ゲームが得意なタレントが集まる、ゲーム配信を活動の主軸とするVチューバー事務所。5月に実施したゲーム配信主体のオーディションを経て、日本語での配信を行うタレント(JPタレント)3人と英語での配信を行うタレント(ENタレント)4人が、きょうからSNS上での活動を開始したという。なお、JPタレントは後日新たなタレントがデビュー予定のほか、2期生オーディション開催の準備も進めているとしている。

■AGC <5201>  5,386円  +60 円 (+1.1%)  本日終値

AGC<5201>が3日ぶりに反発。23日付の日本経済新聞朝刊で、「2024年1~6月にも『メッセンジャーRNA(mRNA)医薬品』の原料の生産を千葉工場(千葉県市原市)で始める」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、同社が新たに国内で生産を始めるのは、mRNAの生産に不可欠な原料の一つである「プラスミドDNA」という。mRNA薬は新型コロナウイルスワクチンとして実用化され、国内の製薬大手も開発を進めており、原料が国内調達できるようになれば、治療薬まで一貫生産できる体制が整うことになることから、需要増加への期待が高まっているようだ。

■FPパートナー <7388>  4,775円  +50 円 (+1.1%)  本日終値

FPパートナー<7388>が7日続伸。22日の取引終了後、北九州市の損害保険代理店と損害保険・生命保険契約の譲受で合意し、団体契約などを含む約1万1800件を引き継ぐことになったと発表しており、好材料視された。同社では保険代理店事業の縮小・廃止を検討している代理店から事業を引き継ぐ「契約譲受」を展開しており、同件は同社初となる損害保険代理店の大型契約譲受となる。なお、これにより23年11月期累計の譲受合意件数は、前期の1万9981件を大きく上回る5万466件となり、今期の目標としていた5万件を達成したという。

■三洋貿易 <3176>  1,294円  +12 円 (+0.9%)  本日終値

三洋貿易<3176>が3日続伸。22日の取引終了後に長期経営計画を発表しており、最終年度である28年9月期に営業利益90億円(23年9月期実績は67億4000万円)を目指すとしたことが好感されたようだ。既存事業の有機的成長を図るほか、新規事業への投資と潜在コア事業群の果実化、グローバル事業部制の深化と海外拠点展開の推進などに重点的に取り組む方針だ。

■ティーガイア <3738>  1,813円  +6 円 (+0.3%)  本日終値

ティーガイア<3738>が底堅い動き。22日の取引終了後、法人向け通信回線一括管理サービス「movino star」が、10月末時点で利用社数2150社、100万IDを突破したと発表しており、これを好材料視する買いが下値に入ったようだ。「movino star」は、法人向け通信回線一括管理サービスとして、10年6月にサービスを開始。スマートフォンやタブレットなどのデバイスから固定電話回線などの資産を管理することができ、通信や購買、管理業務にかかるコスト削減に貢献するとして利用社数を増やしているようだ。

■東京エレクトロン <8035>  24,005円  +60 円 (+0.3%)  本日終値

東京エレクトロン<8035>は反発。2万4000円台を回復し、11月20日につけた上場来高値2万4470円を視界に入れる展開。22日の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が揃って上昇し、半導体関連も米画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>は値を下げたものの、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は小幅ながら上昇した。半導体メモリー市況は底が入ったとの認識が広がっており、東京市場でも同関連株を買い戻す動きが活発だ。東エレクについては今月に入ってから急ピッチの株価上昇を続けていることで目先高値警戒感や、一部調査機関による投資判断引き下げの影響も出ているが、信用倍率が1倍を下回るなど売り長であり、貸株調達による機関投資家の空売りなども想定されるなかでショートカバーの動きが株価に浮揚力を与えている。

■INPEX <1605>  2,111.5円  +3.5 円 (+0.2%)  本日終値

INPEX<1605>や石油資源開発<1662>はしっかり。22日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の24年1月限が前日比0.67ドル安の1バレル=77.10ドルと下落した。サウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどで構成する「OPECプラス」の閣僚級会合が26日から30日に延期された。減産を巡り産油国の足並みが揃っていないことが要因ともみられている。OPECプラス会合を巡り原油相場には強弱観が対立しているが、INPEXなどの株価に対しては割安感を指摘する声が多く、下落場面では下値を拾う動きが出ている。

■神戸物産 <3038>  3,869円  -12 円 (-0.3%)  本日終値

神戸物産<3038>が軟調。前営業日の22日取引終了後に10月度の個別業績を発表した。売上高は前年同月比13.5%増の440億7800万円となったが、経常利益は同17.1%減の19億4900万円となった。為替変動のリスクヘッジを目的とした為替予約に関して時価評価損を計上したという。加えて、今週に入りドル円相場が一時1ドル=147円台前半までドル安・円高方向に振れたことで、円高メリット株と位置付けられる神戸物産の株価に上昇圧力が掛かったが、足もとでは1ドル=149円台半ばと円高が一服している。これらの要因が神戸物産株に対し、買い持ち高を解消する目的の売りを促したようだ。

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