来週の株式相場に向けて=配当再投資で年末高に向けた堅調相場は続くか
11月24日の日経平均株価は22日に比べ173円高の3万3625円で取引を終えた。一時は上昇幅が300円を超え3万3800円台まで上昇したが、後場に入り伸び悩み、7月3日の年初来高値(3万3753円)を終値で上回ることはできなかった。
バブル崩壊後の33年ぶり高値更新は時間の問題とみられているが、20日に続きこの日も伸び悩むと、目先的には7月高値を上値抵抗線として意識する動きも出てくるかもしれない。ただ、足もとの騰落レシオ(25日移動平均)は110前後の水準で一時に比べ上昇したとはいえ、まだ過熱水準には達していない。また、市場には配当再投資の流入に絡む需給関係の改善に期待する見方も根強い。足もとでは、日立製作所<6501>や信越化学工業<4063>、東京エレクトロン<8035>といった主力銘柄が上場来高値を更新していることが注目を集めている。
この日、東証が発表した11月第3週の投資部門別売買動向でも、海外投資家は現物で3600億円超と4週連続の買い越し。現物と先物の合計でも前週に続き1兆円を超す買い越しとなっている。日立の上場来高値にみられるように、海外投資家は日本株を再評価しつつあるようだ。過去をみても11月と12月は1年のなかでも好パフォーマンスが期待できる月であり、押し目は買い場となる展開が期待される。
来週は、30日発表の米10月個人消費支出(PCEデフレーター)が注目されそうだ。また、海外では29日に米7~9月期GDP改定値、ベージュブック(米地区連銀経済報告)、30日に中国11月製造業PMIが発表される。12月1日に米11月ISM製造業景況指数が公表される。国内では、30日に10月鉱工業生産が発表される。来週の日経平均株価の予想レンジは3万3200~3万4000円前後。(岡里英幸)