29日の米国市場ダイジェスト:NYダウは13ドル高、GDPを好感
■NY株式:NYダウは13ドル高、GDPを好感
米国株式市場はまちまち。ダウ平均は13.44ドル高の35,430.42ドル、ナスダックは23.26ポイント安の14,258.49で取引を終了した。
7-9月期国内総生産(GDP)改定値が予想以上に上方修正され約2年ぶりの高い伸びを記録したことを好感し、寄り付き後、上昇。リッチモンド連銀のバーキン総裁が追加利上げの選択肢も除外したくないとの見解を示すと、相場は一時失速。ただ、市場の来年の利下げ観測が根強く、さらにソフトランディング期待に再び買われた。しかし、終盤にかけ発表された地区連銀経済報告(ベージュブック)で経済活動の減速が報告されるとダウは上げ幅を縮小。ナスダックは下落に転じまちまちで、終了した。セクター別では銀行が上昇した一方で、メディア・娯楽が下落。
自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)は増配と100億ドルの自社株買いプロブラムを発表し、上昇。履物販売会社のフット・ロッカー(FL)は第3四半期の売り上げが警戒されていた程鈍化しなかったほか、ブラックフライデーでの売り上げが強く通期の見通しを引上げ、上昇。
総合エネルギー製造会社のフィリップス66(PSX)は物言う投資家のエリオット・マネジメントによる同社株保有が明らかになり、上昇した。ソフトウエア・メーカーのインテュイット(INTU)は四半期決算の内容が好感され、上昇。ヘルスケアのシグナ(CI)とヒューマナ(HUM)は現金・株式交換による合併で協議中と、ウォールストリート・ジャーナル紙が報じ、それぞれ下落した。
クラウド型ソフトウエア会社のセールスフォース(CRM)は取り引き終了後に決算を発表。1株利益が予想を上回り、時間外取引で買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル・円は一時147円90銭まで戻す、米7-9月期GDPは市場予想を上回る
29日のニューヨーク外為市場でドル・円は147円90銭まで上昇後、147円08銭まで反落し、147円24銭で引けた。米7-9月期国内総生産(GDP)改定値が速報値から予想以上に上方修正され21年10-12月来で最大の伸びを記録したためドル買いが優勢となった。しかし、市場が来年上半期の利下げを織り込んだほか、メスター・クリーブランド連銀総裁の発言「今後のデータ評価する上で政策は良い位置」や、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で経済活動が前回報告以降に減速したと報告されるとドル売りが再開。
ユーロ・ドルは1.0960ドルまで下落後、1.0995ドルへ反発し、1.0969ドルで引けた。独11月消費者物価指数速報値の予想以上の伸び鈍化を受け金利先高観が後退しユーロ売りが優勢となった。ユーロ・円は162円20銭から161円52銭まで下落。日欧金利差拡大観測が後退した。ポンド・ドルは1.2665ドルへ下落後、1.2727ドルまで上昇。ドル・スイスは0.8773フランから0.8720フランまで下落した。
■NY原油:続伸で77.86ドル、米ドル安などを意識した買いが入る
NY原油先物1月限は続伸(NYMEX原油1月限終値:77.86 ↑1.45)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は、前営業日比+1.45ドルの77.86ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは75.67ドル-78.09ドル。米国市場の前半にかけて75.67ドルまで下げたが、米長期金利の低下やドル安を意識した買いが入っており、通常取引終了後の時間外取引で78.09ドルまで反発。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 30.31ドル +0.78ドル(+2.64%)
モルガン・スタンレー(MS) 78.55ドル +1.67ドル(+2.17%)
ゴールドマン・サックス(GS)340.26ドル +2.61ドル(+0.77%)
インテル(INTC) 44.94ドル +0.71ドル(+1.60%)
アップル(AAPL) 189.37ドル -1.03ドル(-0.54%)
アルファベット(GOOG) 136.40ドル -2.22ドル(-1.60%)
メタ(META) 332.20ドル -6.79ドル(-2.00%)
キャタピラー(CAT) 249.45ドル +1.95ドル(+0.78%)
アルコア(AA) 26.44ドル +0.36ドル(+1.38%)
ウォルマート(WMT) 156.08ドル -2.56ドル(-1.61%)
《ST》