東電HDの上昇加速、原発再稼働思惑で需給相場の様相示し日ギアなどにも人気波及
東京電力ホールディングス<9501>が需給相場の様相を強め、10%を超える急騰で前週末に続いて連日の年初来高値更新となった。時価は2015年8月以来8年4カ月ぶりの高値に買われている。売買代金もプライム市場でレーザーテック<6920>に次ぐ高水準となっており、個人投資家など短期資金の参戦が一段と活発化していることをうかがわせる。同社の柏崎刈羽原発の再稼働に向けた動きが前進しているとの見方が強まるなか、短期マネーを誘導している。市場では「仮に柏崎刈羽原発が再稼働したからといって、東日本大震災時の原発事故に関する賠償負担などを考慮すると、同社のファンダメンタルズが急改善するとは考えにくい。だが、今は空売りを呼び込むことで踏み上げ相場に発展しつつある」(ネット証券アナリスト)と指摘する。同社株は日証金で貸借倍率が0.48倍と売り長で逆日歩がついた状態にあり、買い戻しを誘発しやすい。また、同社株だけではなく、周辺の原発関連株にも投資資金の流入が観測され、きょうは日本ギア工業<6356>が6%超高に買われるなど物色人気化している。