話題株ピックアップ【夕刊】(2):リクルート、JR東日本、博展
■大倉工業 <4221> 2,722円 +67 円 (+2.5%) 本日終値
大倉工業<4221>が反発。12日の取引終了後、23年12月期の配当予想について、期末一括85円から95円へ増額修正したことが好感された。なお、前期実績に対しては10円の増配になる予定だ。
■リクルート <6098> 5,434円 +111 円 (+2.1%) 本日終値
リクルートホールディングス<6098>が大きく切り返し5500円台を回復、11月29日につけた年初来高値5648円奪回が視界に入ってきた。総合人材サービスの国内トップ企業で、人材派遣のほか、HRテクノロジー事業に注力しており、求人検索サービス「Indeed」が米国で急成長を果たした。23年3月期はトップラインは2ケタ成長を続けたものの営業9%減益となったが、24年3月期以降の巻き返しに期待がかかっている。ここ、企業や投資ファンドの大株主浮上など株式需給面の思惑で株価を動意させる銘柄が増えており、きょうはフジ・メディア・ホールディングス<4676>が英投資ファンドによる株式大量保有で株価を大きく上昇させている。そうしたなか、リクルートは米投資ファンドで物言う株主として知られるバリューアクト・キャピタルが11月中旬に同社株式の1%超を取得したことを発表し、株価の大幅な見直し余地に言及するなどマーケットで話題となった経緯があり、その後の同ファンドの動きも気になるところ。足もとリクルートの株価は高値圏で頑強な値動きを続けているが、きょうのフジHDの株高を受けた連想買いも株価に浮揚力を与えているようだ。
■JR東日本 <9020> 8,261円 +98 円 (+1.2%) 本日終値
JR東日本<9020>が反発。12日の取引終了後、年末年始期間(12月28日~24年1月4日)の指定席予約状況を発表しており、新幹線・在来線の指定席予約数が11日時点で122万席(前年同期比33%増)に達し、コロナ禍前の18年度と比較しても6%増となったと発表したことが好感された。また、JR東海<9022>の年末年始期間の新幹線・在来線の指定席予約数は179万席(前年同期比55%増)で18年度比では16%増、JR西日本<9021>の年末年始期間の新幹線・在来線の指定席予約数は120万4000席(前年同期比43%増)で18年度比では3%増となり、旅行需要の順調な回復を示している。
■インフロニア <5076> 1,317円 -167.5 円 (-11.3%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
インフロニア・ホールディングス<5076>が続急落した。12日の取引終了後、日本風力開発(東京都千代田区)の全株式を米投資ファンドのベインキャピタルから取得し、子会社化すると発表した。インフロニアによる買収は12日付の日本経済新聞朝刊が事前に報じていた。インフロニアの発表によると、株式の取得予定価額は2031億円で、買収資金は手元資金及び金融機関からの借り入れで対応する方針。日本風力開発の23年3月期の売上高は91億4000万円で、最終利益は12億5900万円となっている。足もとの時価総額が3600億円程度のインフロニアに対しては、有利子負債の増加に伴う財務負担の拡大リスクとともに、想定通りのリターンが得られなかった場合の業績面での悪影響などが懸念され、売りが優勢となったようだ。
■くら寿司 <2695> 3,345円 -280 円 (-7.7%) 本日終値 東証プライム 下落率3位
くら寿司<2695>が大幅続落した。12日の取引終了後に23年10月期の連結決算発表にあわせ、24年10月期の業績予想を開示した。営業利益は前期比2.3%減の24億円を見込む。最終利益は同27.4%増の11億円を計画するものの、利益の回復モメンタムに物足りなさを感じた投資家の売りを促した。更に、株主優待制度を変更し、電子チケットで受領する場合の優待割引券の加算分を24年7月発行分より廃止すると開示したことも嫌気されたようだ。今期の売上高は同7.0%増の2262億円となる見通し。米国の出店を加速させるほか、台湾での出店も続ける方針。フレキシブルな価格設定の継続により収益力を確保していく。
■INPEX <1605> 1,883円 -38 円 (-2.0%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>など全体相場に逆行して軟調な値動きとなった。10月下旬以降、原油市況の軟化が続いているが、前日のWTI原油先物価格は2ドル71セント安と急落、1バレル=68ドル61セントまで水準を切り下げた。停滞する中国経済などをはじめ世界景気減速が意識されるなか、今年5月末以来約6か月半ぶりの低い水準に下がっており、これを背景に前日の米国株市場ではシェブロン<CVX>やエクソンモービル<XOM>などエネルギー関連株が売られた。これを引き継いで、東京市場でも原油市況の動向と株価連動性の高いINPEXや石油資源は下値を探る動きを強いられている。
■博展 <2173> 706円 +100 円 (+16.5%) ストップ高 本日終値
博展<2173>がストップ高。12日の取引終了後、23年12月期の連結業績予想について、決算期変更のため前期との比較はできないものの、売上高を110億円から129億円へ、営業利益を4億円から6億9000万円へ、純利益を2億5000万円から3億9000万円へ上方修正し、あわせて期末一括配当予想を15円から20円へ引き上げたことが好感された。前期から回復したリアルイベント分野の市場が引き続き盛況であり、第3四半期時点の受注納品活動が予想を大きく上回ったことが要因。また、BtoCマーケティング領域の大型展示会案件の増加と、外注費の抑制や工数管理によるコスト管理を強化したことも寄与する。
■大和自動車交通 <9082> 1,075円 +150 円 (+16.2%) ストップ高 本日終値
大和自動車交通<9082>がストップ高。12日の取引終了後、一般のドライバーが自家用車を用いて客を送迎し代金の支払いを受ける「ライドシェア」に関し、政府が都市部や観光地など地域を限定し、タクシー会社による運行管理を条件に認める方向で調整していることが明らかになったと、国内メディア各社が報じた。2種免許を持たない一般ドライバーでも客を送迎できるよう、今年度中に新たな制度について内容を詰める方針という。東京都内のタクシー大手である大和自に対しては、運転手不足の解消による業績へのポジティブな影響を期待した買いが入ったようだ。
■ハークスレイ <7561> 753円 +100 円 (+15.3%) ストップ高 本日終値
ハークスレイ<7561>はストップ高。12日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を445億円から473億3500万円(前期比32.9%増)へ、営業利益を16億5000万円から22億5900万円(同54.7%増)へ、純利益を14億円から20億3800万円(同94.7%増)へ上方修正したことが好感された。同社は8月14日に上期業績予想を上方修正したが、その後も全セグメントの業績が順調に進捗していることが要因としている。
■大江戸温泉R <3472> 68,500円 +8,000 円 (+13.2%) 本日終値
大江戸温泉リート投資法人<3472>は切り返し急。12日の取引終了後、大江戸温泉Rの資産運用会社である大江戸温泉アセットマネジメントの全株式について、これを保有する大江戸温泉物語(東京都中央区)がアパホールディングス(東京都港区)に譲渡すると発表。あわせて、アパホールディングスとその子会社を含むアパグループとの間でスポンサーサポート契約を締結するとしており、今後の展開を期待した買いが入ったようだ。これにより、同投資法人のメインスポンサーは大江戸温泉グループからアパグループに交代することになる。交代後も大江戸温泉グループとの協力関係は継続する。株式譲渡や契約締結は19日付で行う予定。将来的に同投資法人の商号を「大江戸温泉」を含まないものに変更するという。
株探ニュース