話題株ピックアップ【昼刊】:アカツキ、レーザーテク、旭化成
■アカツキ <3932> 2,596円 +500 円 (+23.9%) ストップ高 11:30現在 東証プライム 上昇率トップ
アカツキ<3932>はストップ高。20日の取引終了後、ソニーグループ<6758>、コーエーテクモホールディングス<3635>の2社との間でそれぞれ資本・業務提携すると発表。これを好感した買いが膨らんでいる。ソニーGとはモバイルゲームの海外市場展開や新たなIP・コンテンツの共同制作、開発などで協業する。コーテクHDとは既に進捗しているゲームプロジェクトに加え、マルチデバイス次世代運営型ゲームの開発・運用や同ゲームのグローバル展開などで協業する。自己株式の処分により、ソニーGに対して140万株(発行済み株式総数の9.87%)、コーテクHDには113万株(同7.97%)を割り当てる。
■前澤給装工業 <6485> 1,309円 +53 円 (+4.2%) 11:30現在
前澤給装工業<6485>が高い。20日取引終了後に株主優待制度の変更を発表し、継続保有期間1年以上の株主に保有株数に応じて「選べるe-GIFT」を3000円分または1万円分贈呈するとした。あわせて自社株消却を発表しており、これらが好感されている。現行の優待では100株以上でクオカード1000円分(継続保有期間の定めなし)、200株以上で保有株数に応じて新潟県魚沼産新米こしひかり3キログラムまたは5キログラム(継続保有期間1年以上)を贈呈していた。変更時期は2024年3月から。自社株消却については、2024年1月22日付で150万株(発行済み株数の6.52%)を消却する。
■レーザーテック <6920> 35,890円 +740 円 (+2.1%) 11:30現在
レーザーテック<6920>が異色の上げ足をみせ4連騰。全体相場が急落するなか、半導体関連株もほぼ全面安商状となっているが、きょうもプライム市場で断トツの売買代金をこなす同社株は地合い悪をものともせず、一時800円高の3万5950円まで駆けがる場面があった。今月11日につけた年初来高値3万5740円を上回り年初来高値を更新した。前日の米国株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が3%近い下落をみせるなど、リスクオフが鮮明で東京市場でもこれを引き継いでいるが、同社株だけはその流れにあらがっている。市場では「特段材料は出ていない。ただ、(レーザーテクは)他の半導体関連株とは波動が明らかに違う。売買代金で群を抜いているが、これは個人の短期筋の参戦が活発ということだけではなく、AIアルゴリズム取引の対象となっていて、半導体セクターの中でも特異な値動きをすることで知られている。足もとで信用枠を使った個人の空売りが高水準であり、信用倍率は1倍を割っている。日証金でも大幅に売り長だが、それらが踏まされている(強制的な買い戻しをしいられている)状況だ」(ネット証券マーケットアナリスト)としている。年初来高値を更新したが、22年1月につけた最高値3万6090円もクリアする可能性がある。
■旭化成 <3407> 1,042.5円 +19.5 円 (+1.9%) 11:30現在
旭化成<3407>が続伸した。20日の取引終了後、日本経済新聞電子版が「旭化成は半導体向け材料の新工場を静岡県富士市で建設する」と報じた。半導体チップの表面を保護し、絶縁に使われる「パイメル」と呼ばれる感光性樹脂で、総投資額は150億円強。生産能力を2倍に高めると伝えている。成長が期待される半導体分野での能力増強投資を評価した買いが株価を下支えしたようだ。
■東電HD <9501> 739.1円 +13.3 円 (+1.8%) 11:30現在
東京電力ホールディングス<9501>が全体下げ相場に逆行して大幅高で切り返す展開となっている。前日まで7日続落で今月11日につけた年初来高値895円から19%も水準を切り下げていたが、目先リバウンドを見込んだ買いが活発化している。原子力規制委員会が20日の定例会合で、同社の柏崎刈羽原発に出している運転禁止命令を27日に解除する方針にあることが伝わったことで、これを手掛かり材料に投資資金が流入した。市場では「仮に柏崎刈羽原発が再稼働したとしても東電HDの収益が様変わりするということはなく、無配の状態が続く」(ネット証券アナリスト)とし、株高に懐疑的な見方は根強い一方、個人投資家の空売りも呼び込んでおり、その買い戻しを誘発して需給相場に発展する余地も指摘されている。直近の信用取組は前週末15日時点で買い残が大幅増加し、売り残は減少したことで信用倍率は2.16倍に拡大した。値ごろ感から信用枠を使って買い向かった個人投資家が多いことを反映している。
■ジェイ・イー・ティ <6228> 7,520円 +40 円 (+0.5%) 11:30現在
ジェイ・イー・ティ<6228>がしっかり。東京証券取引所が20日の取引終了後、信用取引による新規の売り付け及び買い付けに係る委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)とする信用取引の臨時措置を21日売買分から解除すると発表した。取引負担の減少で短期資金の流入が再び活発化するとの思惑から買われているようだ。日本証券金融も21日から貸借取引自己取引分及び非清算参加者ごとの清算取次貸借取引自己取引分に係る銘柄別増担保金徴収措置を解除すると発表している。
■東洋建設 <1890> 1,113円 -94 円 (-7.8%) 11:30現在 東証プライム 下落率トップ
東洋建設<1890>が大幅に6日続落した。20日の取引終了後、任天堂<7974>創業家の資産運用会社であるヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)などによる東洋建への公開買い付けの提案が取り下げられたと発表した。これに先立ち、東洋建は14日、YFO側の1株1255円の買い付け価格について、株主に十分なプレミアムを提供するものではないなどと指摘したうえで、TOBに反対すると発表していた。東洋建の株価は11月以降、1255円を上回って推移する場面もあったが、今回の提案取り下げを受けて、TOB価格が一段と引き上がるシナリオ自体が消え去ることとなり、投資家の見切り売りを促したようだ。
■トヨタ自動車 <7203> 2,543.5円 -100.5 円 (-3.8%) 11:30現在
トヨタ自動車<7203>が5日ぶりに反落。一時5%を超す下げとなった。米国時間20日に同社は、米国で約100万台のリコールを実施すると発表した。対象はトヨタブランドの「カムリ」や「RAV4」など6車種と、レクサスブランドの「ES」と「RX」の2車種。助手席側の乗員検知システムで回路がショートしている可能性があり、エアバッグが適切に開かない恐れがあるため。日本時間20日の取引時間中には、傘下のダイハツ工業において安全性確認の試験で不正があったことを背景に、ダイハツの全車種の出荷停止を発表していた。悪材料が重なる形となり、機関投資家を中心に買い持ち高を圧縮する目的の売りが膨らんだようだ。
■東京エレクトロン <8035> 24,730円 -525 円 (-2.1%) 11:30現在
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>など半導体製造装置関連がリスク回避の売り圧力に晒されている。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大幅安で10日ぶり反落となったが、そのなか半導体関連株への売りが目立っており、エヌビディア<NVDA>が3%安、アプライド・マテリアルズ<AMAT>3.3%安、マイクロンテクノロジー<MU>は4.2%安に売られるなど主力銘柄の下げが目立った。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3%近い下落をみせており、このリスクオフの流れが東京市場にも及んでいる。ただ、米株市場の引け後に発表されたマイクロンの9~11月期決算は市場予測を上回り、同社株は時間外で買われており、これを横目に足もとで押し目に買い向かう動きも観測される。
■パルマ <3461> 399円 +79 円 (+24.7%) 11:30現在
パルマ<3461>が全般地合い悪に抗しカイ気配スタートで異彩を放っている。同社はトランクルームなどセルフストレージ業界向け滞納保証や運営業務受託サービスを主力に展開する。足もとでは販売数量の増加に加え、好採算案件の比率が上昇し利益率も高まっている。そうしたなか20日取引終了後に、日本郵政<6178>との業務連携を深化させ、日本郵便が八幡西郵便局(福岡県)で試行するセルフストレージ事業に対し、その開業・運営支援を行うことで合意したことを発表した。今回の連携強化による業容拡大効果に期待した買いが集中する格好となっている。
■全保連 <5845> 838円 +108 円 (+14.8%) 11:30現在
全保連<5845>がカイ気配スタート。20日の取引終了後、24年3月期の年間配当予想を5円増額して30円とすると発表した。あわせて配当方針について、配当性向の目安をこれまでの30%程度から40%程度に変更することを決めたといい、好感されたようだ。同社は今年10月に新規上場した。足もとの業績動向や成長戦略の実行状況などを踏まえ、更なる株主価値向上の観点から配当方針を変更した。
■ITbook <1447> 278円 +27 円 (+10.8%) 11:30現在
ITbookホールディングス<1447>が大幅反発した。20日の取引終了後、グループ会社のサムシングが、AIを活用した地盤改良工事に関連する特許を取得したと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。ボーリングコアの品質を画像処理AIにより判定するアプリケーション「MARCRAY」に関する特許で、特許登録日は11月22日。今回特許を取得した技術には、AIが解析したデータを自動でサーバーに保存する技術が含まれており、トレーサビリティーを確保することで、品質やデータの確実性を担保する仕組みとなっているという。
■CaSy <9215> 1,200円 +85 円 (+7.6%) 一時ストップ高 11:30現在
CaSy<9215>が新値追いとなっている。19日付の日刊工業新聞が「経済産業省は人手不足対策として、企業が従業員へ家事支援サービスを導入する取り組みを後押しする」と報じたことを手掛かりとした買いが継続しているもよう。また、同社が20日に2024年から福井県で家事代行サービスの提供を開始すると発表したことも材料視されているようだ。あわせて、同県が地域課題の解決に取り組む施策である「CO-FUKUI 未来技術活用プロジェクト」の採択企業として選出されたことも公表。このプロジェクトは、同県内の事業者・自治体などにデジタル技術を実装し、地域課題の解決に取り組むデジタル実装推進プロジェクトとして21年度にスタートしたデジタルトランスフォーメーション(DX)推進事業だという。
■KLab <3656> 317円 +19 円 (+6.4%) 11:30現在 東証プライム 上昇率2位
KLab<3656>が堅調。21日、Web3関連事業を手掛ける子会社のBLOCKSMITH&Co.と、AI分野のスタートアップ企業であるEQUES(東京都文京区)が、プロダクトの共同開発について基本合意書を締結したと発表。これを手掛かり視した買いが株価を押し上げたようだ。BLOCKSMITH&Co.は、インフルエンサーらが投稿したコンテンツ資産から自動的にクイズ動画などを生成し、自社のクイズ動画SNS「QAQA(カカ)」に投稿する「AIクイズジェネレーター」を開発している。今回、EQUESのAI技術を取り入れることにより、クイズジェネレーターを高度に進化させ、新たなユーザー体験の創出を狙う。
■サイジニア <6031> 1,568円 +87 円 (+5.9%) 11:30現在
サイジニア<6031>が続伸、年初来高値を更新した。20日の取引終了後、24年6月期配当予想を7円50銭から8円(前期5円)に上方修正すると発表。これが好感されている。2024年1月1日付で1対2の株式分割を予定しており、分割考慮後ベースでは4円となる。
●ストップ高銘柄
テノ.ホールディングス <7037> 623円 +100 円 (+19.1%) ストップ高買い気配 11:30現在
売れるネット広告社 <9235> 662円 +100 円 (+17.8%) ストップ高 11:30現在
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
リネットJ <3556> 435円 -100 円 (-18.7%) ストップ安 11:30現在
クオンタムS <2338> 2,230円 -500 円 (-18.3%) ストップ安 11:30現在
以上、2銘柄
株探ニュース