後場に注目すべき3つのポイント~米国株安受けて利益確定売りが先行
21日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は大幅反落、米国株安受けて利益確定売りが先行
・ドル・円は弱含み、日本株の大幅安で
・値下り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>
■日経平均は大幅反落、米国株安受けて利益確定売りが先行
日経平均は大幅反落。前日比504.51円安(-1.50%)の33171.43円(出来高概算6億9400万株)で前場の取引を終えている。
20日のNY市場は大幅反落。ダウ平均は475.92ドル安(-1.27%)の37082.00ドル、S&P500は70.02ポイント安(-1.47%)の4698.35ポイント、ナスダックは225.28ポイント安(-1.50%)の14777.94ポイントで取引を終了した。予想を上回った12月消費者信頼感指数や11月中古住宅販売件数を好感し、一時上昇に転じたが、フェデックスの低調な決算を受けた根強い景気減速懸念に再び下落。さらに、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での度重なる船舶攻撃への対処で、米国が軍事行動を検討しているとの報道を受けた地政学的リスク上昇を警戒した売りが加速、終盤にかけて下げ幅を拡大し終了した。
米国株の大幅反落を受けて、日経平均も大幅反落でスタート。傘下のダイハツの不正問題のほか、米国でのリコール実施などを発表したトヨタ自<7203>の大幅安が、投資家の心理状態悪化を引き起こし、日経平均は下げ幅をじりじりと拡大。前日上昇(456.55円)分を打ち消す展開となった。
日経平均採用銘柄では、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)やナスダックの大幅反落が嫌気されて、ルネサス<6723>、アドバンテスト<6857>、東エレク<8035>が弱いほか、トヨタ自の下落がほかの自動車株にも波及し、マツダ<7261>、日産自<7201>、ホンダ<7267>も売られた。このほかの銘柄では、東洋建設<1890>が、任天堂<7974>創業家YFOによる同社買収提案の撤回報道を受けて急落した。一方、22日に上海発コンテナ船のスポット運賃が発表されることから、川崎汽船<9107>、日本郵船<9101>、商船三井<9104>に先回りの買いが入った。このほかの銘柄では、アカツキ<3932>がソニーG<6758>との資本業務提携が材料視されてストップ高となった。
セクターでは、輸送用機器、精密機器、石油・石炭製品、保険業、その他金融業などが下落した一方、海運業、ゴム製品、陸運業の3セクターのみ上昇した。
為替市場では、ドル・円が143円台を割り込む場面が見られるなど、寄付き時点との比較では円高ドル安が進行している。後場の日経平均は、大幅下落のトヨタ自が下げ幅を縮小できるかがポイントとなろう。他の自動車株にも波及したことで、投資家の心理状態はかなり悪化していると考える。日経平均のみならず東京市場のムードは、トヨタ自次第といった状況だ。
■ドル・円は弱含み、日本株の大幅安で
21日午前の東京市場でドル・円は弱含み、143円57銭から142円80銭まで値を下げた。米10年債利回りは戻りが鈍く、ドル買いは入りづらい。一方、日経平均株価は前日比500円超安と大幅に下げ、アジア株安でリスク回避的な円買いがドルを下押し。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は142円80銭から143円57銭、ユーロ・円は156円38銭から157円11銭、ユーロ・ドルは1.0939ドルから1.0953ドル。
■後場のチェック銘柄
・東葛ホールディングス<2754>、ホリイフードサービス<3077>など、5銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値下り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は東エレク<8035>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・米・12月消費者信頼感指数:110.7(予想:104.5、11月:101.0←102.0)
・米・11月中古住宅販売件数:382万戸(予想378戸、10月:379万戸)
・米・7-9月期経常収支:-2003億ドル(予想:-1960億ドル、4-6月期:-2168億ドル←-2121億ドル)
・ユーロ圏・12月消費者信頼感指数速報値:-15.1(予想:-16.3、11月:-16.9)
【要人発言】
・ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁
「追加利上げは不要、現行水準に維持すべきだ」
「経済はデータが示唆するより急速に軟化」
「利下げをすべきだが、直ちにではない」
<国内>
特になし
<海外>
特になし
《CS》