ユーロ週間見通し:底堅い値動きか、ECBの政策方針にらみも円売りがサポート

通貨
2023年12月23日 14時22分

■堅調推移、ECBによる早期利下げ観測は後退

今週のユーロ・ドルは堅調推移。12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数の悪化、7-9月期国内総生産(GDP)確定値の下方修正、11月コアPCE(個人消費支出)価格指数の伸び率鈍化を受けて早期利下げ観測が高まった。一方、欧州中央銀行(ECB)の理事会メンバーから早期利下げに慎重な意見が聞かれたことでリスク選好的なユーロ買い・米ドル売りが観測された。取引レンジ:1.0892ドル-1.1040ドル。

「上げ渋りか、欧米中銀の利下げ見極め方向感は乏しい

来週・再来週のユーロ・ドルは上げ渋りか。欧州中央銀行(ECB)は今月の理事会で主要政策金利の据え置きを決めた。インフレ抑制の方針も変わらず、早期利下げ観測は後退した。ただ、直近発表のユーロ圏の経済指標は低調だったことから、新たなユーロ買い材料が提供されない場合、ユーロ買い・米ドル売りは縮小する可能性がある。

予想レンジ:1.0850ドル-1.1150

■反発、日銀マイナス金利維持でユーロ買い強まる

今週のユーロ・円は反発。日本銀行は大規模な金融政策の現状維持を決め、マイナス金利の解除を見送り、フォワードガイダンスも変更しなかったことから日欧金利差縮小の思惑は後退し、ユーロ買い・円売りが広がった。その後、根強い日銀政策修正観測から円売りは後退したが、オランダ中銀のクノット総裁やシュナーベル欧州中央銀行(ECB)理事らのタカ派的な発言がユーロの下支えとなり、ユーロ・円は底堅い動きを保った。取引レンジ:154円78銭-158円57銭。

■底堅い値動きか、ECBの政策方針にらみも円売りがサポート

来週・再来週のユーロ・円は底堅い値動きか。1月5日発表のユーロ圏消費者物価指数は伸びの鈍化が続き、欧州中央銀行(ECB)の早期利下げを期待したユーロ売りが先行しそうだ。ただ、景気への悪影響は和らぎ、ユーロ売りを弱める可能性もあろう。一方、日本銀行は現行の金融緩和策を当面継続する公算が大きいため、リスク回避的なユーロ売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント

・1月5日:12月消費者物価コア指数(11月:前年比+3.6%)

予想レンジ:154円00銭-159円00銭

《FA》

提供:フィスコ

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