話題株ピックアップ【夕刊】(1):壱番屋、エーザイ、日経レバ

注目
2024年1月10日 15時12分

■壱番屋 <7630>  5,620円  +390 円 (+7.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位

壱番屋<7630>が大幅続伸。9日の取引終了後、2月29日を基準日として1株を5株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで投資家がより投資しやすい環境を整え、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的という。同時に30年2月期に営業利益100億円(24年2月期予想49億円)を目指す長期ビジョンと、27年2月期に同70億円を目指す中期経営計画を発表したことも好材料視されている。海外事業を成長を牽引する重点領域と位置づけ、海外店舗数を24年2月期末見込み214店舗から27年2月期末には300店舗に増やす計画だ。

■エーザイ <4523>  7,574円  +309 円 (+4.3%)  本日終値

エーザイ<4523>が上値追い継続、きょうで6連騰となり上値抵抗ラインとなっていた25日移動平均線を上に抜けてきた。5日・25日移動平均線とのゴールデンクロスも目前に迫っている。同社は9日、米バイオジェン<BIIB>と開発したアルツハイマー型認知症治療薬「レカネマブ」が中国国家薬品監督管理局から承認を得たことを発表した。米国と国内に続き3カ国目の承認で7~9月に中国で発売する見通し。これに伴う収益押し上げ効果に期待した買いを誘導している。

■日経レバ <1570>  22,375円  +885 円 (+4.1%)  本日終値

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が3連騰で未踏の2万2000円台乗せを果たした。日経平均に連動するように組成されたETFで価格変動率が日経平均の2倍に設定されており、足もとの旺盛な物色意欲を反映して個人投資家を中心とした短期筋の参戦が活発だ。日経平均は前日にバブル崩壊後の最高値である33年10カ月ぶりの水準に浮上するなど大きなフシを突破、戻り売り圧力が大幅に低減する状況となっている。直近(昨年12月29日現在)の信用倍率も2.2倍とタイト化している。これは買い残が大幅に減少していることが背景にあるが、日経平均は年初こそ軟調で始まったものの、その後は一気に上げ足を強めた。大方の個人投資家の想定を外れた強さを際立たせており、ショートポジションを組んでいる向きにとっては慌てる場面だ。売買代金も膨らみ、全市場を通じてレーザーテック<6920>に次ぐ第2位となっている。

■平田機工 <6258>  6,540円  +250 円 (+4.0%)  本日終値

平田機工<6258>が大幅高、底値圏から急速に上放れてきた。自動車や半導体業界向けに産業ロボットや生産・物流システムなど生産設備を提供する。同社は9日取引終了後、電気自動車(EV)向けバッテリー「充放電関連設備」の大型案件を受注したことを発表した。受注金額は40億円超としており、受注先については非開示。受注した設備は工事の進捗に応じ順次売上高に計上する。したがって売り上げの一部は今期業績に反映するが、その他は来期以降の業績に寄与する見込みとしている。これが好材料視される形で投資資金を呼び込んだ。

■日産化学 <4021>  5,828円  +169 円 (+3.0%)  本日終値

日産化学<4021>が4連騰。日本経済新聞電子版が9日夜、「日産化学は次世代太陽電池『ペロブスカイト』型太陽電池の材料で、2030年の事業化を目指す」と報じ、材料視されたようだ。報道によると、日産化はプラスの電荷だけを通すことができる正孔輸送層に使う材料を開発。さまざまな溶媒に溶けやすい材料で、均一な薄い膜を製造するのが容易になるほか、従来品に比べ熱に強く耐久性も高いという。

■ギフトホールディングス <9279>  2,539円  +71 円 (+2.9%)  本日終値

ギフトホールディングス<9279>が続伸。岩井コスモ証券は9日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は2950円とした。同社は横浜家系ラーメン「町田商店」などを展開。23年10月期は、国内直営既存店での価格改定効果や客数増により連結営業利益は前の期比49.7%増の23億5200万円と会社計画を上回って着地した。24年10月期の同利益は、前期比14.8%増の27億円と連続最高益が予想されているが、同証券では28億円への増額を見込んでいる。なお、9日に発表された23年12月既存店売上高は前年同月比15.0%増と11月の同15.5%増に続き高水準の伸びを維持している。

■エービーシー・マート <2670>  2,542円  +53.5 円 (+2.2%)  本日終値

エービーシー・マート<2670>が続伸。9日の取引終了後に発表した12月度概況で、既存店売上高が前年同月比10.3%増と22カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。年始を控えてまとめ買いや買い替え需要が増加し、商品別では高単価のスニーカーやアパレルの売れ行きが好調だった。なお、全店売上高は同9.8%増だった。

■東海理化 <6995>  2,310円  +48 円 (+2.1%)  本日終値

東海理化<6995>が続伸。午前11時ごろ、愛知県常滑市で実施する自動運転バスの実証実験に参画すると発表しており、好材料視された。同実証実験は、国土交通省「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転実証調査事業)」に採択された常滑市で実施される自動運転バス実証実験で、同社は自動運転バス車両外に取り付けた複数台のカメラの映像を合成処理し、映像品質を維持したまま低遅延な伝送を可能にした、監視者の負担が少ない、安心・安全な遠隔監視システムの実用化を推進するという。

■オンワード <8016>  511円  +9 円 (+1.8%)  本日終値

オンワードホールディングス<8016>が4日続伸。9日の取引終了後に発表した12月度の月次売上概況で、店舗売り上げとEコマース売り上げを合わせた既存店売上高が前年同月比9.4%増となり、22カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。全国的に月平均気温が高く推移したなか、暖冬向けの柔軟な商品マーチャンダイジングが奏功し、「23区」や「UNFILO」などの主力ブランドを中心に洋品やボトムスなどの販売が増加した。なかでも、自社ECサイト「ONWARD CROSSET」での販売が好調だったほか、オンワード樫山のOMOサービス「クリック&トライ」の利用も拡大し売り上げの増加に寄与した。なお、全店売上高は同5.0%増だった。

■アイカ工業 <4206>  3,505円  +56 円 (+1.6%)  本日終値

アイカ工業<4206>が続伸。9日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、営業利益を215億円から245億円(前期比19.2%増)へ上方修正したことが好感された。石化原料価格の下落にともなう売価設定の低下により、化成品海外セグメントを中心に売り上げが減少する見通しで、売上高は2500億円から2370億円(同2.1%減)へ下方修正した。その一方で、化成品及び建装建材セグメントともに低採算事業の収益改善やコストダウン、販売価格の見直し、高付加価値商品の販売拡大などに取り組んだことが奏功し、営業利益を上方修正する。

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