話題株ピックアップ【夕刊】(2):マネックスG、サイゼリヤ、ベル24HD
■マネックスグループ <8698> 755円 +14 円 (+1.9%) 本日終値
マネックスグループ<8698>、セレス<3696>など仮想通貨(暗号資産)関連株の一角が買われた。米証券取引委員会(SEC)が10日、現物のビットコインを投資対象とするETFを初めて承認した。これを機に今後ビットコインへの投資が広がり、取引が活発化するとの期待から仮想通貨交換業を手掛ける両銘柄に物色が向かった。
■サイゼリヤ <7581> 5,260円 -410 円 (-7.2%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
サイゼリヤ<7581>が4日ぶりに大幅反落となった。前日取引終了後に発表した24年8月期第1四半期(23年9~11月)決算は営業利益が前年同期比2倍となる34億5900万円と急拡大した。同社は中国をはじめ海外事業に力を入れているが、中国では新規出店効果などで売り上げが伸び全体収益が押し上げられている。また、同日に20万株、10億円を上限とする自社株買いも発表している。しかし、株価は目先出尽くし感から利食い急ぎの動きが優勢となった。テクニカル的にも5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを形成した直後だったが、セオリー破りの値動きとなっている。
■ベル24HD <6183> 1,650円 -105 円 (-6.0%) 本日終値 東証プライム 下落率4位
ベルシステム24ホールディングス<6183>が反落。10日の取引終了後に23年3~11月期連結決算を発表。売上高が前年同期比3.8%減の1130億3200万円、営業利益が同24.9%減の89億2100万円となり、これが嫌気された。既存継続案件が拡大したほか、伊藤忠商事<8001>との協業強化によるシナジー案件も堅調だった。ただ、スポット需要による売り上げ減少があり、これが響き全体を押し下げた。なお、通期の小幅増収・営業減益見通しに変更はない。
■パルHD <2726> 2,204円 -107 円 (-4.6%) 本日終値 東証プライム 下落率7位
パルグループホールディングス<2726>が安い。10日の取引終了後、24年2月期の年間配当予想を20円増額して50円に修正したと発表した。前期の年間配当は23年9月1日付で実施した1対2の株式分割前のベースで75円だった。同時に、創業者の井上英隆会長が取締役相談役に退くとともに、創業家出身の井上隆太社長が代表権を返上したうえで、副社長の松尾勇副社長が代表権を持つ会長に就任する人事を発表した。事業をけん引してきた創業者が経営の一線を退いた後、一般的なオーナー系企業と同じような成長力を発揮できるかについては不透明との受け止めから、売り圧力が強まったようだ。同社は24年2月期第3四半期累計(3~11月)の連結決算も発表した。売上高は前年同期比18.1%増の1425億4500万円、最終利益は同29.5%増の103億5300万円だった。「3COINS」を中心に新規出店の加速と既存店の大型化を推進。衣料事業、雑貨事業ともに増収につなげた。加えて、同社は昨年10月31日に民事再生手続きの開始の申し立てを行ったレイ・カズンとの間で、店舗の一部やEC関連の事業資産などを譲り受ける契約を締結することを決めたと発表した。
■キユーピー <2809> 2,562円 -91 円 (-3.4%) 本日終値
キユーピー<2809>が8日ぶり反落。10日の取引終了後、23年11月期の連結決算発表にあわせ、24年11月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比5.5%増の4800億円、経常利益は同30.3%増の267億円を見込む。経常利益は3期ぶりの増益を計画するものの、市場参加者には今期の利益水準に物足りなさを感じる向きがあるようだ。直近で株価が連騰を続けていたことも相まって、売りが優勢となった。今期は中国や東南アジア、北米でブランド浸透を推進。海外事業の伸長に加え、鶏卵など主原料相場の上昇一服も利益を押し上げる要因となる。23年11月期の売上高は前の期比5.8%増の4550億8600万円、経常利益は同24.8%減の204億9000万円だった。値上げ効果があって増収となった一方、主原料やエネルギー価格などの上昇が響いて減益となった。同社は更に、オーストラリアでの販売会社の新設を発表した。
■ハニーズHD <2792> 1,645円 -54 円 (-3.2%) 本日終値
ハニーズホールディングス<2792>は3日ぶりに反落した。10日の取引終了後に発表した24年5月期第2四半期累計(6~11月)の連結決算は、売上高が前年同期比5.8%増の275億6900万円、最終利益が同11.7%増の24億2700万円と増収増益となった。一方、直近3カ月間の9~11月期の最終利益は7%減となっており、業況のモメンタム鈍化を懸念した売りを促した。6~8月期は夏物商品が好調だったが、9~11月は記録的な猛暑の影響で秋物商品の立ち上がりが軟調だった。給与のベースアップに伴う人件費の増加や、キャッシュレス決済の利用増加に伴う手数料なども増えた。ただし費用面ではおおむね計画通りで推移したという。
■ベルク <9974> 6,300円 -180 円 (-2.8%) 本日終値
ベルク<9974>が3日ぶりに反落した。10日の取引終了後、24年2月期第3四半期累計(3~11月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正した。最終利益の見通しを92億3100万円から102億円(前期比6.1%増)に引き上げた。減益予想から一転、増益かつ過去最高益の更新を計画する。もっとも株価は決算期待で事前に買われていた面もあり、発表を受けていったん好材料出尽くしと受け止めた売りが出たようだ。営業収益の見通しは3273億8100万円から3450億円(同11.0%増)に見直した。3~11月期は販売促進活動を強化した結果、客数が前年を上回り、既存店売上高も前年同期比8.6%増と好調だった。政府からの補助などで電気料金が想定を下回ったことも寄与する。3~11月期は営業収益が前年同期比13.4%増の2582億3000万円、最終利益が同36.9%増の92億9000万円だった。
■楽天グループ <4755> 643.7円 -16.1 円 (-2.4%) 本日終値
全体相場が上値指向を強めるなか、楽天グループ<4755>が逆行安となった。10日の取引終了後、23年12月期において、約700億円の繰延税金資産の取り崩しを実施し、法人所得税費用を計上する見込みとなったと発表。同時に、倉庫型ネットスーパーの運営に関し、運営方法の変更に伴って減損の兆候を確認し、減損テストの結果として23年12月期に減損損失約160億円を計上する見込みとなったと開示した。これらをネガティブ視した売りが優勢となっている。ネットスーパー事業に関して、同社は今後「楽天エコシステム」の活用や商圏拡大を通じた新規顧客の獲得などを通じ、早期の収益改善を目指すとしている。
■オプトラン <6235> 1,615円 -35 円 (-2.1%) 本日終値
オプトラン<6235>は3日ぶりに反落。大和証券は10日、同社株のレーティングを「2(アウトパフォーム)」から「3(中立)」に引き下げた。目標株価は2800円から1900円に見直した。同社は光学薄膜装置の製造・販売を手掛けている。第3四半期累計(23年1~9月)の連結営業利益は85億6700万円と23年3月期予想の86億円(前期比15.5%増)に対して高い進捗率となっているが、受注高は第1四半期の95億円をピークに、第2四半期が60億円、第3四半期が42億円と水準が低下している。中国市場を中心にスマートフォン需要が弱含んでおり、顧客の設備投資意欲は依然として低調。同証券では今12月期の連結営業利益は93億円への増額修正を見込んでいるが、24年12月期は78億円への減益を予想。足もとの受注は底打ちの見込みだが、本格回復までは期待し難く、短期的な株価上昇のカタリストは見出しにくいとみている。
株探ニュース