この記事はプレミアム会員限定です

四半世紀の助走、5年100倍高の先 レーザーテック① Buy&Hold STORIES-2-

特集
2024年1月23日 13時00分

Buy and hold Stories

レーザーテック<6920>
第1章Part1


バイ・アンド・ホールド (Buy and hold) は投資の王道と言う。しかし、無条件にホールドする価値のあるものなど存在するのだろうか? 移りゆく時代のなかで、企業がホールドするに足る存在であるかは常に問い続けるしかない。

奇跡の変貌を遂げ、ケタ違いの業績成長、10000%を超える株価上昇を成し遂げた企業がある。株主も激増しただろう。しかし、その業界は、あまりにも厳しい生存競争が繰り広げられている。だからこそ起きた奇跡を、わたしたちは目撃した。奇跡の続きは、何処へ――

Buy and hold STORIES 第2回は、2016年から2021年にかけて株価が100倍化し、いまも市場の注目を集めるレーザーテック<6920>を取り上げる。


プロローグ

1991年につけた最高値を、その後25年間更新できなかったシクリカル(景気循環)セクターの株。そんな風に紹介したときに、そこに特別な投資価値を見出すことは難しいだろう。しかしそんな銘柄にも変身のときは来る。数十年にわたって取り組んできた技術開発が実を結ぶときが。

「決算内容を見て、私も含めて皆が『えっ』と思いました。受注額が一気に跳ね上がったのです」。楽天証券経済研究所チーフアナリストの今中能夫は、そのときのことをそう語る。2017年10月30日の引け後に開示されたレーザーテック<6920>決算短信に記載された2018年6月期第1四半期の受注高は、前年同期の33億円から211億円に急増していた。短信には、受注高急増の理由についての説明はない。しかし、何かが起きている。

株価は既に、動き出していた。1990年12月に株式を公開したレーザーテックは翌年6月に812円(分割反映済み、以下同じ)の高値をつけ、その後、実に25年間にわたってこの高値を更新できずにいた。しかし、今中が目を見張った受注増が公表される5ヵ月前の2017年5月31日、一時817円まで買われ1991年6月高値を実に26年ぶりに更新。決算が発表された10月30日の時点では、その高値を1242円まで切り上げている。

やがて、受注高の正体はEUV(極端紫外線)関連製品であることが知られ始め、レーザーテックの業績も変貌していく。連れて、株価も。

レーザーテック株はその後、2022年1月の3万6090円高値まで駆け上がっていく。2017年6月期まで、売上高が一度として200億円を超えたことのなかった企業が、2023年6月期には1000億円を優に超える急成長を遂げる。

米中対立の激化から新型コロナ禍の時代に日本株市場の注目を一身に集めたレーザーテックの変貌は何によってもたらされたのか? 1931年生まれの一人の技術者が起業した会社が、やがて創業時の理念とともに羽ばたくまでをたどろう。

こちらは株探プレミアム限定記事です。プレミアムプランをご契約して読むことができます。
株探プレミアムに申し込む (初回無料体験付き) プレミアム会員の方はこちらからログイン
プレミアム会員になると...
株価情報をリアルタイムで提供
企業業績の表示期数を拡大
限定コラムが読み放題

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

プレミアム会員限定コラム

お勧めコラム・特集

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
株探プレミアムとは

日本株

米国株

PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.