前週末2日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

注目
2024年2月5日 5時20分

■山陽鋼 <5481>  2,174円 (-385円、-15.0%)

東証プライムの下落率2位。山陽特殊製鋼 <5481> [東証P]が3日ぶり急反落。2日午後1時、24年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正した。今期の売上高予想は3800億円から3550億円(前期比9.9%減)、最終利益予想は140億円から85億円(同59.0%減)に見通しを引き下げた。年間配当予想も35円減額して65円(同35円減配)に見直しており、失望売りが膨らんだ。スウェーデンの連結子会社オバコ社での下期の売り上げ数量の急激な減少や製造コストの上昇、販売構成の悪化に伴う影響を業績予想に織り込んだ。4-12月期の売上高は前年同期比8.6%減の2689億6200万円、最終利益は同57.2%減の63億1500万円となった。

■ドリームI <4310>  3,080円 (-230円、-7.0%)

東証プライムの下落率3位。ドリームインキュベータ <4310> [東証P]が続急落。1日の取引終了後に発表した第3四半期累計(23年4-12月)連結決算が、売上高37億8500万円(前年同期比86.9%減)、営業損益10億8900万円の赤字(前年同期19億5200万円の黒字)、最終損益10億3800万円の赤字(同14億5300万円の黒字)と営業赤字となり、上期の営業損益6億8300万円の赤字に比べて赤字幅が拡大していることが嫌気された。クライアントの事業創造ニーズの高まりに加え、積極的なマーケティング活動に取り組んだ結果、ビジネスプロデュース事業の拡大基調は継続したものの、採用増に見合う拡大には至らなかったことに加えて、ベンチャー投資事業で投資先9社の価値下落に伴い減損を計上したことも響いた。なお、24年3月期業績予想は、引き続き非開示としている。

■JVCケンウ <6632>  673円 (-49円、-6.8%)

東証プライムの下落率4位。JVCケンウッド <6632> [東証P]が4日続急落。1日の取引終了後に23年4-12月期連結決算を発表。売上高が前年同期比8.0%増の2672億5800万円だった一方、営業利益が同23.2%減の149億8200万円となっており、これが嫌気された。無線システムの好調継続に加え、ドライブレコーダーなどの車載関連製品を手掛けるモビリティ&テレマティクスサービス分野のOEM事業が堅調だったことが全体業績に貢献した。利益面では前期に固定資産譲渡益(約97億円)を計上した反動が出た。なお、通期の増収・営業減益見通しに変更はない。

■三菱自 <7211>  448円 (-24.6円、-5.2%)

東証プライムの下落率8位。三菱自動車工業 <7211> [東証P]が5日ぶり急反落。1日の取引終了後に23年4-12月期連結決算を発表。最終利益が前年同期比21.4%減の1027億5500万円となっており、これが嫌気された。売上高は同14.3%増の2兆638億円と堅調だったものの、中国事業関連損失の計上や前期に固定資産売却益があった反動が影響した。通期の増収・最終減益見通しに変更はない。

■京セラ <6971>  2,087.5円 (-71.5円、-3.3%)

京セラ <6971> [東証P]が続落。1日の取引終了後、24年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正した。今期の売上高予想を2兆500億円から2兆円(前期比1.3%減)、最終利益予想を1230億円から1000億円(同21.9%減)に引き下げており、嫌気されたようだ。半導体関連や情報通信関連市場の回復遅れの影響により、4-12月期の連結業績が想定を下回った。4-12月期の売上高は前年同期比2.2%減の1兆4926億7200万円、最終利益は同23.9%減の903億6600万円だった。

■寿スピリッツ <2222>  1,944.5円 (-41円、-2.1%)

寿スピリッツ <2222> [東証P]が3日続落。菓子製造・販売の大手で北海道をはじめ地域限定菓子の展開に特徴がある。インバウンド消費の効果もあって、足もとの業績は絶好調に推移しており、1日取引終了後に発表した24年3月期第3四半期(23年4-12月)決算は売上高が前年同期比33%増の470億3600万円、営業利益は同71%増の117億3400万円と大幅な伸びを達成した。通期の営業利益見通しは141億9200万円(前期比43%増)を見込むが、更に上振れる可能性も意識される。ただ、株価的には戻り売り圧力が強く買い一巡後はやや売りに押された。

■千葉銀 <8331>  1,089.5円 (-16.5円、-1.5%)

千葉銀行 <8331> [東証P]が3日ぶりに反落。そのほか、ふくおかフィナンシャルグループ <8354> [東証P]、京都フィナンシャルグループ <5844> [東証P]などをはじめ、地銀株が総じて売られる展開となった。あおぞら銀行 <8304> [東証P]は前日1日の決算発表で今期最終損益が15年ぶりの赤字に転落する見込みとなったことを受けてストップ安に売り込まれ、2日も続急落となった。米商業用不動産向けローンで追加引当金を計上することが理由で、「同社と同じような状況にある地銀が他にも存在する可能性がある」(ネット証券アナリスト)という指摘もある。米不動産市況の悪化がネガティブ材料として意識され、地銀セクターへの買い手控えにつながった。

※2日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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