鈴木英之氏【3万6000円台固めの動き、強気相場は続く?】(2) <相場観特集>

特集
2024年2月5日 19時45分

―米株高と円安で追い風強力、トレンド転換の可能性は―

5日の東京株式市場は日経平均株価が続伸、3万6000円台を固める動きをみせている。外国為替市場でのドル高・円安を追い風に、依然として強さを際立たせる米国株市場の後を追うように強調展開が続いている。果たしてこの上昇トレンドは今後も継続するのか、それともトレンド転換の可能性はあるのか。先読みに定評のある市場関係者2人にここからの相場展望と物色の方向性などについて意見を聞いた。

●「春先に向け堅調展開は続く、高配当利回り銘柄など注目」

鈴木英之氏(SBI証券 投資情報部長)

日経平均株価は、春先にかけて堅調な値動きが続くことを予想している。今後1ヵ月程度の日経平均株価の予想レンジは3万6000~3万7500円前後を見込んでいる。

1月雇用統計などを経て、米国の早期利下げ期待は一時に比べればやや後退しているが、好調な企業決算を背景に米株式市場は上昇している。「ゴルディロックス(適温)相場」の基調は続いているとみていいだろう。

東京市場は決算発表が真っ盛りの状況にある。今後発表される企業決算次第で、日経平均採用銘柄の1株当たり利益が上昇し、全体相場が連結PER16倍程度まで買われれば、3万7500円前後までの上昇は見込めるとみている。相場のけん引役となっている海外投資家は、日本企業を取り巻く経営環境の改善を評価しているとみられる。

個別銘柄では、3月期末を視野に高配当銘柄などに注目したい。日本製鉄 <5401> [東証P]や神戸製鋼所 <5406> [東証P]、シチズン時計 <7762> [東証P]、UBE <4208> [東証P]などといった銘柄には投資妙味が膨らみそうだ。また、4月からトラック運転手などに時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」に絡み、YE DIGITAL <2354> [東証S]やロジザード <4391> [東証G]、ファイズホールディングス <9325> [東証S]など。更に、半導体関連銘柄などは引き続き注目されそうだ。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)

早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資情報部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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