明日の株式相場に向けて=エヌビディアに視線集中、物色の転機となるか
21日の東京市場は、日経平均株価が前日比101円安と3日続落した。前日のNYダウやナスダック指数が下落したことが響いた。
市場関係者の関心を一身に集めるエヌビディア<NVDA>の決算は、米国時間の21日(日本時間22日早朝)に発表される。この日の東京市場では東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>といった 半導体関連株は軟調に推移した。決算を前にした20日のエヌビディアの株価が下落したこともあり、半導体関連株は買い手控える動きが強まった。
昨年11月に発表されたエヌビディアの23年8~10月期決算は純利益が前年同期比14倍となり、売上高も予想を上回ったが、発表後に同社の株価は下落した。今回の決算も売上高は2四半期連続で3倍程度増加するとの予測が市場には出ている。生成AIに絡む需要の強さを否定する声はない。ただ、株価は相当な水準まで成長を織り込んでいることは確かだ。
当然、エヌビディアの決算発表後の時間外取引に関心が集まることになる。もし、同社の株価が買われ東京市場でも値がさ半導体株を中心に大きく値を上げるのなら、あと650円程度の水準にある1989年12月の日経平均株価の史上最高値(3万8915円)を抜くこともあり得るかもしれない。
その一方、エヌビディアの株価が下落するようなら、半導体関連株の上昇は一服となり、物色の潮流に変化が訪れることも考えられる。もちろん半導体株は中長期的な上昇が見込めるが、やはり足もとの上昇ピッチは速い。この日は日本郵船<9101>や三菱商事<8058>といった海運株や商社株が買われていた。エヌビディアの決算を契機に、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>など銀行株を含むバリュー株の配当権利取りを狙う動きが本格化する展開も考えられるだろう。
今晩は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も公表され、その内容も注視される。23日は東京市場が天皇誕生日の祝日で休場のため、明日の後場にかけては売買が手控えられることもあり得る。