後場に注目すべき3つのポイント~幅広い銘柄が買われ連日で史上最高値を更新
26日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は続伸、幅広い銘柄が買われ連日で史上最高値を更新
・ドル・円は下げ渋り、ドル売りは後退
・値上り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は中外製薬<4519>
■日経平均は続伸、幅広い銘柄が買われ連日で史上最高値を更新
日経平均は続伸。前営業日比211.12円高(+0.54%)の39309.80円(出来高概算10億4000万株)で前場の取引を終えている。
23日の米国市場はまちまち。ダウ平均は62.42ドル高(+0.16%)の39131.53ドル、ナスダックは44.80ポイント安(-0.28%)の15996.82、S&P500は1.77ポイント高(+0.03%)の5088.80で取引を終了した。半導体エヌビディアの好決算を受け生成AI利用の急拡大を背景とした同セクターへの成長期待に買いが継続し、寄り付き後上昇。ナスダックは前日の急伸後の一部ハイテクの利益確定売りにおされ下落に転じた。ダウは経済に楽観的な見方を受けた買いが支え、まちまち。ダウやS&P500種指数は連日で過去最高値を更新して終了した。
米国株は高安まちまちだったが、エヌビディア株の上昇を受けて、東京市場は買い優勢で取引を開始した。日経平均は39388.08円まで上昇した後は上げ一服。25日移動平均線との乖離率が6%を超えたことなどから短期的な過熱感が意識されて上値は重くなった。ただ、終始前営業日比プラス圏で推移し、連日の取引時間ベースでの史上最高値更新となった。なお、半導体株がさえなかった一方、トヨタ自<7203>や銀行株や商社株など時価総額が大きい銘柄が強かったことから、TOPIXが相対的に強い地合いとなった。
日経平均採用銘柄では、SUMCO<3436>、川崎重<7012>、レゾナック<4004>が買われたほか、半導体受託製造最大手TSMCの熊本工場開所式が行われたことが刺激材料となり、ふくおかフィナンシャルグループ<8354>も買い優勢となった。このほか、中外製薬<4519>が反発。信越化<4063>も買われて昨年来高値を更新した。日経平均採用以外では、ウエルシアHD<3141>とツルハHD<3391>の統合検討が報じられて、2銘柄とも大幅高となった。
一方、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>が高寄り後、2月16日高値を更新できずにマイナス圏に突入したほか、スクリーンHD<7735>、レーザーテック<6920>も売られるなど半導体株は総じて弱い。また、足元買われていたあおぞら<8304>もさえない。
セクターでは、医薬品、銀行業、卸売業、輸送用機器、精密機器などが上昇した一方、海運業、パルプ・紙、鉱業、倉庫・運輸関連業、食料品などが下落した。
値がさ半導体株はさえない展開となったが、TOPIX型の銘柄が堅調推移のためNT倍率は14.65倍まで縮小(前場終値で計算)。高値を更新できなかった東エレク、アドバンテストの後場の動向は気になるところだが、幅広い銘柄が買われたことから、前場のプライム市場の売買代金は2.9兆円と商いは活況だ。後場は、アジア株を横目に見ながら、日経平均は連日の史上最高値更新を試す展開を迎えよう。
■ドル・円は下げ渋り、ドル売りは後退
26日午前の東京市場でドル・円は下げ渋り、150円56銭から150円29銭まで下落後にやや値を戻した。米10年債利回りは低水準ながら底堅く推移し、ドル売りは後退。一方、日経平均株価は堅調地合いだが中国・香港株は弱含み、円売りは抑制された。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は150円29銭から150円56銭、ユーロ・円は162円56銭から162円99銭、ユーロ・ドルは1.0813ドルから1.0832ドル。
■後場のチェック銘柄
・フォーサイド<2330>、グッドライフカンパニー<2970>など、21銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上り寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位は中外製薬<4519>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・独・2月IFO企業景況感指数:85.5(予想:85.5、12月:85.2)
【要人発言】
・ウォラーFRB理事
「1月の消費者物価指数(CPI)の結果は利下げ開始時期の判断に慎重な姿勢で臨む理由となる」
「引き続き年内の利下げ開始を見込んでいる」
<国内>
特になし
<海外>
特になし
《CS》