話題株ピックアップ【夕刊】(1):三井E&S、ウエルシア、ブレインP
■三井E&S <7003> 1,744円 +300 円 (+20.8%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
三井E&S<7003>がストップ高。バイデン米大統領が21日、港湾施設や設備に関するサイバー防衛強化に向けた大統領令に署名したことを受けて、時事通信が22日、「船舶エンジンなどを手掛ける三井E&Sの米国子会社は、政府支援を踏まえ、クレーンの米国内生産を再開する方針を示した」と報じており、業績への貢献を期待した買いが流入したようだ。
■ウエルシア <3141> 3,002円 +441 円 (+17.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
ウエルシアホールディングス<3141>が急反発。25日付の日本経済新聞朝刊で「ドラッグストア首位のウエルシアホールディングス(HD)と2位のツルハホールディングスは経営統合する検討に入った」と報じられており、これを好材料視する買いが入ったようだ。記事によると、ウエルシア親会社のイオン<8267>がツルハホールディングス<3391>株を1割強保有する投資ファンドと同社株の取得で最終調整しており、取得後にイオン主導で両社の統合を進めるという。報道に対してウエルシアは「当社が発表したものではない。現在、経営統合の可能性について検討しているが、開示すべき事実を決定した場合には速やかに公表する」とコメント。イオンも同様のコメントを発表している。
■ブレインパッド <3655> 1,720円 +240 円 (+16.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
ブレインパッド<3655>、FRONTEO<2158>、ユーザーローカル<3984>など人工知能(AI)関連の代表格が値を飛ばし、Laboro.AI<5586>が連日のストップ高人気、メタリアル<6182>、HEROZ<4382>も大幅高に買われるなどAI関連株に位置付けられる中小型株に怒涛の勢いで投資資金が流れ込んだ。米国では生成AI市場の拡大を背景に驚異的な業績の伸びを示すエヌビディア<NVDA>が時価総額を膨張させている。東京市場でも個別物色の最有力テーマとして関連株を買い漁る動きが加速している。
■ACCESS <4813> 1,088円 +150 円 (+16.0%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率4位
ACCESS<4813>が急反発。23日付の日本経済新聞朝刊で「防衛省は今春にも民間の次世代通信技術を安全保障に活用するための計画をつくる。NTTが開発中の次世代通信基盤『IOWN(アイオン)』を第1弾に想定する」と報じられたことを受けて、昨年12月12日に日本電信電話<9432>と「IOWN」の実現に向けて資本・業務提携すると発表した同社に思惑的な買いが向かったようだ。記事によると、ミサイル攻撃情報の早期共有や電磁波を使った新作戦などに企業の先端技術を生かす取り組みの第1弾という。IOWNは光通信技術で通信網を築く構想で、24年の仕様確定、30年の実現を目指している。実用化されればデータ転送容量は現在の125倍、電力効率は100倍になると想定されている。
■Arent <5254> 5,840円 +750 円 (+14.7%) 本日終値
Arent<5254>に物色人気集中。同社は建設業界を主要顧客にデジタルトランスフォーメーション(DX)を活用したコンサルティングを手掛け、システムの外販も行っておりそのビジネスモデルに成長期待が高まっている。株価は25日移動平均線を支持ラインとする下値切り上げ波動が鮮明だ。そうしたなか、22日取引終了後に独立系資産運用会社のレオス・キャピタルワークス<7330>が提出した大量保有報告書によると、レオスのArentの株式保有比率が6.39%と5%を大きく上回ったことが判明した。これが株価の先高期待を一段と強める形となっている。
■楽天銀行 <5838> 2,854円 +167 円 (+6.2%) 本日終値
楽天銀行<5838>が大幅続伸し、上場来高値を更新した。前週末22日の取引終了後に株主優待制度の導入を発表し、材料視されたようだ。24年3月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、定期預金の金利優遇やキャッシュバックなどを行う。
■デジタルガレージ <4819> 3,555円 +185 円 (+5.5%) 本日終値
22日に業績修正を発表。「未定だった今期配当は3円増配」が好感された。
デジタルガレージ <4819> [東証P] が2月22日大引け後(15:30)に配当修正を発表。従来未定としていた24年3月期の期末一括配当は40円(前期は37円)実施する方針とした。
■テスホールディングス <5074> 477円 +22 円 (+4.8%) 本日終値
テスホールディングス<5074>が大幅反発。この日の午前中、子会社テス・エンジニアリングが佐々木食品工業(大分県豊後高田市)の敷地内に「太陽光発電システム」を納入したと発表しており、好材料視された。佐々木食品工業は、OEMや青汁原料の製造・販売などを行っており、今回納入した太陽光発電システムはパネル容量約312キロワット、年間想定発電量約38万キロワット時。発電した電力は隣接する佐々木食品工業の工場において自家消費され、同工場の年間電力需要量の約21.8%をまかなうとしている。
■神戸物産 <3038> 3,935円 +168 円 (+4.5%) 本日終値
神戸物産<3038>が急反発した。前週末22日の取引終了後に1月の単体業績を発表。売上高は前年同月比12.9%増の369億900万円と増収基調を維持したほか、経常利益は同約10倍の103億5800万円と大幅な増益となっており、ポジティブ視されたようだ。業務スーパーについては1月に1店舗を新規に出店した。冷凍野菜や基礎調味料などの販売が好調に推移したという。また、為替予約関連の一部契約の終了や為替変動による時価の回復により、時価評価損の戻入が行われたことで、経常利益は前年同月の水準を大きく上回った。
■野村マイクロ <6254> 16,270円 +680 円 (+4.4%) 本日終値
野村マイクロ・サイエンス<6254>が続伸、上場来高値1万6660円に肉薄する場面があった。最高純度の水を提供する超純水装置の大手であり、半導体業界向けで高い実績を誇る。半導体王国の韓国と台湾など東アジア地域を戦略の中軸とし、特に韓国サムスン電子向けで高水準の受注を獲得している。世界的な半導体設備投資需要の拡大で同社の収益環境もかつてない追い風を享受しており、24年3月期営業利益は前期比47%増の96億5000万円予想と連続での大幅最高益更新見通しにある。東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>といった日経225採用の主力銘柄が強調展開にあるが、同社のような中小型株にも海外投資家の実需買いが流入している。3月末の株主を対象に1株を4株にする株式分割を発表しており、この権利取り狙いの買いも株価の先高期待につながっている。一方、株式需給面では外資系証券を経由した貸株調達による空売りも急増しており、足もとでその買い戻しを誘発しているもようだ。
株探ニュース